【獣医師監修】ミニブタは大人になったらどのくらいの大きさになるの?

きれい好きで甘えん坊なミニブタは、ペットとしても人気です。そのミニブタ、大人になっても「ミニ」のままなのでしょうか?

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:ヴァンケット動物病院 松原且季院長

ミニブタとは

ミニブタとは、もともと実験動物用に小型化された家畜のブタよりサイズが小さいブタの総称です。ブタが解剖・生理学的に人体との類似点が多かったため、実験動物用として世界各地で生み出されたミニブタは、その後愛玩動物としても世界に広まっていきました。

現在ペットとして飼われているミニブタのほとんどは、ベトナムに生息していた小型のブタをルーツとして改良されたものといわれています。ポットベリー、あるいはベトナムポットベリーという名称でも呼ばれています。

ミニブタは普通のブタの3分の1から4分の1ほどの大きさで、成長すると40~70kgと、人とほぼ同じ体重になります。ミニブタよりさらに小さい、マイクロブタという種類もいます。ただし、これらのブタには、犬や猫でいう純血種が存在しないため、サイズにはかなりの幅があります。

ブタは汚い、臭いなどとネガティブなイメージがつきまといますが、じつはきれい好きで人懐こく、知能も高い動物です。「お座り」や「待て」などのしつけもよく覚え、トイレも決まった場所で済ませることができます。

家の中で飼育すると、勝手に冷蔵庫を開けて食べ物を探すほど頭のいいブタもいます。また、運動はさほど好きではなく、食べることが大好きです。

大人になった時の大きさ

ミニブタは、有名人やセレブが飼う珍ペットとしても話題になりました。ハリウッドスターのジョージ・クルーニーさんもミニブタ愛好家ですが、18年間を共に過ごしたミニブタ、マックス君は、亡くなる直前の体重が約135kgもあったそうです。

このように、ミニブタの「ミニ」は通常のブタと比較して小さいということで、いわゆるペットとしては大きめのサイズであることを認識しておきましょう。また、ミニブタは力も強いため、散歩の時などは事故に気をつける必要があります。

ミニブタは300~700gで生まれ、2kgほどになるとペットとして引き取りが可能です。上述の通り、成体の平均体重は50kgほどで、飼育環境によっては100kgを超えてしまうこともあります。それでも成体の体重が200~300kgにもなる通常のブタに比べれば、ミニサイズということになります。

ブタは雑食性で、食べることと寝ることが大好き。食欲旺盛な大食感なので、食事を与えれば与えただけ食べます。食べる量が多いということは、当然ながら排泄量も多いということです。さらに、ミニブタは栄養吸収能力に優れているため、栄養分は効率よく脂肪や筋肉へと変わり、大きく成長していきます。

ミニブタが成体に成長した時のことを考えると、飼育場所は限られてきます。家の中に大きくなったミニブタが活動できる広いスペースが確保できて、庭もある方がより良好な環境といえます。

運動不足解消に散歩も必要なので、都会の集合住宅や狭い住居だと無理があるかもしれません。かといって、小さいまま育てるために食事制限をするようなことは絶対にやめましょう。

カナダでミニブタとして飼っていたブタが300kgに育ってしまったというニュースがありました。飼い主はブタの飼育環境を確保するために、郊外の農場へ引っ越したそうです。体重が300kgということであれば、このブタはミニブタではなかった可能性があります。

ミニブタには純血種は存在しないため、ミニブタとして購入したのに、育ててみたら普通のブタだったというのは充分起こり得るケースです。ミニブタを家族に迎える時は、信用のおけるショップやブリーダーから、ミニブタであることをしっかりと確認した上でお迎えしましょう。

表情豊かなミニブタは、飼い主の心を癒してくれます。ただし、家族に迎え入れる前に、成体になった時に飼育できるかどうか充分に検討することを忘れないようにしましょう。

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