【獣医師監修】猫が膝の上に乗ってくる心理とは

猫は気分屋とはよくいったもので、飼い主が気にかけてもわれ関せず、素知らぬふりをしていることも多いです。しかし、その猫が、突然飼い主の膝の上に乗っかってくることがあります。気まぐれの猫が、この動作をするのにはどのような意味があるのでしょうか?

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

猫が飼い主の膝の上に乗る理由

猫が飼い主の膝の上に乗ってくる理由には、以下のようなものがあります。

寂しさを紛らわすため

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猫は、気分屋である反面、寂しがり屋でもあります。飼い主が不在の間は、そのほとんどを寝て過ごしていますが、長い留守番は寂しい気持ちや不安感が増してしまいます。そんな時に飼い主が帰宅すると、安心すると同時に今までの寂しさが爆発し、その気持ちをアピールするために飼い主の膝の上に飛び乗ってきます。

ちなみに、野良猫や飼い主を信頼していない猫は、警戒心が強いのでこのような行動をとりません。いきなり飛びついて来られるとびっくりするかもしれませんが、それは猫の飼い主に対する信頼感の証でもあります。

癒しを求めて

猫は、人の気持ちにとても敏感な動物といわれます。飼い主が疲れを感じている時、悲しい気持ちになっている時、いつのまにか猫がそばにやって来て膝の上で眠ることがあります。そんな時、猫は飼い主を癒すと同時に、自分も癒しを求めていることがあります。

猫は自分にとって心地良い場所を探す名人ですので、猫自身がリラックスしたい時には、一番気分が乗っている人の側に行き、膝の上に飛び乗ってくつろぐ態勢に入ります。猫にとって、人間の体温は適度に暖かくやわらかさもあることから、飼い主の膝の上は格好の寝床なのです。

純粋に寒さをしのぎに来た

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猫が膝の上に飛び乗って来て、そのまま寝てしまった場合は、ただ単に寒かっただけかもしれません。上述の通り、体温調整を苦手としている猫が、暖をとるためにやってきたというわけです。

自分ではコントロールできない事態に陥っている

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猫は体温調整を苦手としている動物なので、暑い時は部屋の中で一番涼しいところに行き、逆に寒い時は一番暖かいところへ行きます。飼い主が「今日の部屋の中はちょっと暑いかな(寒いかな)」と感じた時に、猫が膝の上に乗って来たとしたら、うまく体温調節ができず調子を崩しているサインかもしれません。

猫は警戒心が強く、寝ている時もすぐに動けるようにしている動物です。その猫が、信頼している飼い主の膝の上で無防備になっているのは、体調を何とかしたいという気持ちのあらわれかもしれません。その時は、猫の鼻の頭を触ってみてください。濡れていれば平常ですが、乾いていたとしたら体調不良に陥っている可能性があります。様子を見て、ちょっといつもと違うなと感じた時は、動物病院で診てもらった方がいいかもしれません。

このように、猫が飼い主の膝の上にやって来るのには様々な原因が考えられます。また、猫は自尊心が高く、飼い主を含む周囲から自分の存在を認めてもらうことを好む動物ですので、人間が猫に対して「上に立っている」という態度をとることを嫌がります。猫と楽しいペットライフを過ごすには、この猫の性質を理解しておく必要があります。

ですので、急に膝の上に猫が飛び乗って来たとしても邪険に扱うことなく、猫の立場・今の気持ちを尊重してあげることが大切です。猫にとって快適な生活を常に考え、どのような態度で接すればよいのかを考えてみましょう。

猫が膝に乗ってきた時は、飼い主が対処してあげなければ解決しない場合が多くあります。信頼している飼い主を頼って来た猫を、膝の上でやさしく寝かせてあげましょうね。

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