【獣医師監修】柴犬のカラダが震える理由と対処法
愛犬にいつもと違う様子がみられたら、心配してしまうのが飼い主というものです。もし、柴犬がブルブルと震えていたら、どうすればよいのでしょうか。また、柴犬が震える原因は何なのでしょうか。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
柴犬が震える原因
人間が震えている時は、「寒い」「悔しい」「怖い」「我慢できない」「体調が悪い」など、外的・内的な原因があります。犬もまったく同じで、カラダの震えは、飼い主に何か訴えたいことがあるサインです。では、柴犬はどういう状況で震えるのでしょうか。
原因1.寒さを感じている
もともと柴犬は、日本の季節や気温の変化に順応してきた犬種なので、寒さには強いといわれています。しかし、近年柴犬を室内で飼育する家庭が増えたことで、冷暖房が完備された部屋での生活に慣れてしまった柴犬は、換毛(季節による毛の生え換わり)が上手くいかず、冬の寒さに弱くなってしまうことがあるとされています。
被毛だけでは耐えきれない寒さを感じると、柴犬はカラダを震わせます。これは人間と同様に、筋肉を小刻みに震わせることで熱を発生させ、体温の低下を防いでいるのです。
原因2.興奮している
柴犬が嬉しさや喜びを感じ、興奮することでカラダを震わせることがあります。たとえば、留守にしていた飼い主が帰ってきた時などは、「待ってました! 」とばかりに興奮し、喜びに震えたりします。また、大好きなものを目の前にして焦らされたりした時も、同じように犬は興奮して震えます。
原因3.ストレスを感じている
犬にとって不快なことや嫌いなことが起きた時、精神的にストレスを感じてカラダを震わせることがあります。人間にとってたいしたことはないと感じるようなことでも、犬にとっては非常に重いストレスになる場合もあります。
大きな物音や雷鳴、掃除機などの電化製品、トラックの騒音などにびっくりして震える時もあれば、人見知りをする犬の場合は、知らない人が家の中に入ってくるだけで震えたりすることもあります。お風呂が嫌いな犬は、お風呂に入れられると感じただけで気分が落ち込み、恐怖で震えだします。
これら3つの原因については、すべて外的要因によるもので、犬の体調に関係しているわけではありません。むしろ、人間と同じ理由で震えているので、飼い主も犬の気持ちを察しやすいでしょう。
柴犬が震える時に考えられる病気
しかし、犬が震える理由は、外的要因によるものだけではありません。カラダの不調が震えの原因となっている場合は、動物病院を受診する必要があります。
犬が体調不良により震えている時は、外科的要因と内科的要因の2つのケースが考えられます。
外科的要因
外科的要因とは、ケガのことです。カラダのどこかに傷がある、骨が折れている、もしくは外れているなどで痛みを感じている時、痛みを訴える手段として震えることがあります。
震え方には個体差があり、目に見えて震える時もあれば、カラダを触ってみたら震えていたということもあるようです。苦痛の訴えに早く気づいてあげられるように、普段から犬の様子をチェックしておきましょう。
内科的要因
もし、犬のカラダにケガや傷などが見当たらない場合は、何かしらの疾患を抱えている可能性があります。カラダの震えを伴う疾患には、次のようなものがあります。
●尿毒症
●脳や神経の異常(てんかんなど)
●内分泌の異常
●狂犬病
●ジステンパー
●破傷風
●低体温症
●低血糖症
●何らかの中毒症状
●熱中症 など
カラダの震えだけで疾患を特定することは難しいため、動物病院での総合的な診療が必要となります。
柴犬が震える時の対策
柴犬の震えを止めるためには、その原因を取り除いてあげることが重要です。
寒さで震えているなら、毛布や布にくるんだ湯たんぽなどで暖をとらせること、ストレスを感じているならやさしく声をかけたり、カラダを撫でて安心させてあげたりすることで、犬も落ち着きを取り戻すはずです。
犬がケガや病気で震えている時は、原因となる疾患を治療することを優先させます。
柴犬の震えには、様々な要因が関係しています。外的な要因で、すぐに解決できるものもあれば、ケガや病気の治療が必要になる場合もあります。柴犬が何を感じ、何を訴えているのか、正確に汲み取ってあげられるように、日頃のコミュニケーションを大切にしましょう。