【獣医師監修】トイ・プードルの耳が臭い! ニオイの原因や、そこから考えられる病気

トイ・プードルを抱っこした時に、耳から異臭がする…そんな時は、犬の耳の中で異常が起こっている可能性があります。また、しきりに耳を気にする動作も見られたら、それは病気のサインかも…。今回は、トイ・プードルの耳が臭い場合に考えられる原因と対処法について解説していきます。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

トイ・プードルの耳が臭い原因

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トイ・プードルが耳を掻く、耳を床にこすりつける、そして耳から異臭がする…そのような時は、トイ・プードルの耳の中で何かしらの異常が起こっているかもしれません。

「耳垢を取り除けば治るのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、トイ・プードルの耳から変なニオイがしている時は、耳垢を取り除いただけでは解決しないことがほとんどです。逆に、綿棒で耳の中を傷つけてしまう危険性もあるので、必ず動物病院で診てもらうようにしましょう。

トイ・プードルの耳が臭い時に考えられる病気

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では、トイ・プードルの耳からニオイがした時は、どのような病気が疑われるのでしょうか。

外耳炎

犬の病気としては、比較的なりやすいといわれる外耳炎。細菌や真菌などが、耳垢の中で繁殖してしまい、外耳に炎症を起こす病気です。外耳に炎症が起きることで、粘っこくニオイがきつい耳垢がたまるようになります。また、外耳炎は痛み・かゆみを伴うので、犬がしきりに耳を気にする様子がみられます。ちなみに、ほかの犬から空気感染することはありません。また、見た目にも異常が現れている時はかなり症状が進行している状態なので、すぐに動物病院に連れて行きましょう。具体的には、以下のような症状がみられることがあります。

●耳が赤くただれている
●耳垢の量が異常に多い(耳垢の色は黒や黄色、茶褐色など原因菌によって異なります)
●異常に粘っこい耳垢が出ることが多い
●耳から普段出ていない分泌物が出ている

外耳炎の面倒なところは、一度完治したと思っても再発する可能性が高い病気であることです。症状が治まったからといって、油断しないようにしましょう。

耳ダニ感染症

とくに仔犬によくみられるのが、耳ダニ感染症です。体長0.3mmほどの耳ヒゼンダニが犬の耳に寄生し、悪さを働くことで発症します。耳の中に黒い耳垢がたまり、犬は強いかゆみを感じます。外耳炎と違い、ほかの犬・猫に伝染する病気ですが、人間にはうつりません。

トイ・プードルの耳のお手入れ

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これらの病気の予防や耳が臭いと思った時は、どのようなお手入れをすればよいのでしょうか。

おすすめなのは、イヤークリーナーを使って犬の耳の中を清潔に保つことです。使用方法は以下の通りです。

●トイ・プードルの耳の中に少量のイヤークリーナーを垂らす
●耳の付け根を軽くマッサージしクリーナーを馴染ませる
●適度にマッサージした後、トイ・プードルが頭を振るまで待つ
●頭を振ると耳垢が取れる
●残っている耳垢やイヤークリーナーをやわらかいガーゼやタオルで拭き取る
●この時、耳毛が抜けてきた場合は抜く(この作業はトリミングサロンや動物病院に任せてもよいでしょう)

トイ・プードルの耳の掃除に、綿棒は使用しないようにしましょう。中に入りすぎて、耳の内部を傷つけてしまう可能性があるからです。イヤークリーナーを使用すれば、トイ・プードルの耳の汚れは指でも十分に取れるので、綿棒を使用する必要はありません。また、イヤークリーナーは市販の商品ではなく、病院で処方されたものを使うのがおすすめです。

垂れ耳で毛玉のできやすいトイ・プードルは、耳垢がたまったり、耳の病気にかかりやすい犬種であるといわれています。症状が軽い段階で気づけるよう、日頃からコミュニケーションをしっかり取るようにしましょう。

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