【獣医師監修】犬の爪切り、しないとどうなる? 爪切りの頻度とやり方
愛犬の爪切り、きちんとできていますか? 大切なワンちゃんの伸びすぎた爪の危険性から自宅での爪の切り方までしっかり学んでおきましょう。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬の爪切りは、愛犬のための大切なケアのひとつです。でもちょっと苦手…という飼い主も多いのでは? 犬の爪は筒状になっていて、中に血管と神経が通っています。爪が伸びると、この血管と神経も伸びてくるのです。爪を切りすぎて深爪すると出血し痛みを伴います。愛犬に痛い思いをさせたら大変! と爪切りを怖がって、ついついそのままにしてしまうことがあるのではないでしょうか。
とはいえ、爪切りをしないとどうなるのでしょう? 犬の爪切りについて、その必要性や頻度、切り方などをまとめてみました。
しないとどうなる?
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犬の爪切りをしないと、いろいろなトラブルが出てくるのを知っていますか?
まず、血管と神経も伸びてしまうので、次に爪を短く切ろうと思うと痛みと出血を伴うことになってしまいます。
また、爪が地面に付くことで、肉球でしっかり体重を支えられないため、滑って転びやすくなったり、関節などに悪影響を及ぼすこともあります。
さらに爪が伸びると、カーペットやケージの柵、カーテンなどに引っかかって折れてしまうこともあります。
また、伸びた爪は徐々に巻いてきて肉球に突き刺さります。
爪切りをしなければ、愛犬の健康にまで問題が起こってしまいます。爪切りは、犬にとってとても大切なことなのです。
爪切りの頻度
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犬の爪が伸びる速さは個体差があり、小型犬と大型犬でも違うようです。爪を切るタイミングとしては、固い地面や床を歩くときに爪のカチカチといった音が気になる前がベストでしょう。
飼い主としては目安となる頻度を知りたいですよね。アウトドアで活動する機会の多い犬は爪が自然にすり減ることがあり、そういったワンちゃんや大型犬は3週間〜1カ月に1回切る程度で十分でしょう。ただ、歩き方の癖などもあり、全ての爪が同じようにすり減る訳ではないですので、チェックだけは早めにしておきましょう。また、狼爪は場所がら自然にすり減ることはありませんので、切り忘れに注意しましょう。室内で過ごすことが多いワンちゃんや小型犬は爪がすり減りにくいため、2週間に1回くらいの頻度で切ってあげます。巻き爪になりやすい犬の場合は、より短い周期の頻度で爪切りをしてあげてくださいね。
プロへお願いする場合
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愛犬の爪を切りすぎてしまって、血が出たらどうしよう…と不安な飼い主さんもいるのでは? また、爪を切ってあげたいけれど、ワンちゃんが爪切りをどうしても嫌がってできないという場合もあるでしょう。そういった場合は無理をせず、動物病院やトリミングサロンのプロの方に爪切りをお願いしましょう。爪を切ってもらっている様子を見ることで、自分で爪切りを行うときの参考にもなりますよ。費用としては、500円〜1,000円程度のようです。初めてのワンちゃんの爪切りは、獣医さんやトリマーさんにお願いすると安心ですね。
自分で行う場合
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自宅での犬の爪切りは、なんだか怖くて…という人も少なくはないですよね。でも慣れれば大丈夫! 可愛いワンちゃんのために、挑戦してみましょう。
用意するのは、犬用の爪切りとヤスリです。犬の爪は、人間と違って筒状になっています。人間の爪切りではなく、必ず犬用の爪切りを使用しましょう。慣れてくるとギロチンタイプのものが使いやすいでしょう。。深爪すると出血することもあるので、専用の止血剤も用意しておくと安心です。
まずは、犬を小脇に挟むように抱っこします。胴長の犬や大型犬は前側だけ持ち上げます。肢先を片手で軽く持ち、爪を切っていきますが、一度にバチンと切るのではなく、料理で面取りをするときのように、角を少しずつカットしていくのがお勧めです。爪が白い犬は血管がうっすらと透けて見えるので、血管の通っていない部分を2mmほど残して切りましょう。黒い爪の場合は少しずつ、慎重に切っていきます。爪がしっとりとしてきて、断面の中心が半透明になったら血管が近いので切るのをやめましょう。地面に接していない5本目の親指にあたる爪「狼爪(ろうそう)」も忘れずにカットしてくださいね。ヤスリを使って切り口をなめらかに仕上げてあげましょう。
定期的に爪を切ってあげると、ワンちゃんの健康にもつながることがご理解いただけたのではないでしょうか。慣れてくると、愛犬との爪切りの時間が楽しみになるかもしれませんね。