【獣医師監修】万が一に備えて。犬の骨折の症状や処置方法など
出典 : Jaromir Chalabala/Shutterstock.com

【獣医師監修】万が一に備えて。犬の骨折の症状や処置方法など

犬は丈夫な動物というイメージがあるかもしれませんが、仔犬や小型犬は骨が細いので、些細な衝撃でも骨折してしまうことがあります。この骨折、早く処置しないと外科手術が必要になるかもしれないので、初期対応が大切です。

  • サムネイル: PECO編集部
  • 更新日:

監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬の骨折の見分け方と対処法

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康


出典 Praisaeng/Shutterstock.com

犬が骨折すると、どのような症状が出るのでしょうか。まずは、どの部位の骨折であっても痛がります。痛みのために、いつもとは違う動きをすることが多くなるほか、骨折した部位が熱を持ち、腫れ上がることもあります。このような症状がみられた時は骨折を疑いましょう。

犬がもっとも骨折しやすい部位は、前肢です。人が抱いていて落としてしまったり、犬が暴れて飛び降りてしまった際に、前肢を骨折するケースが多くみられます。

もちろん、骨折する可能性があるのは前肢だけではありません。後ろをついてきた犬に気づかずうっかり扉に尻尾を挟んでしまい、尻尾の骨が折れてしまうこともあります。

それでは、犬に骨折の疑いがある場合、どう対処すればよいのでしょうか。まずは、かかりつけの動物病院に相談しましょう。素人判断では、骨折か捻挫か脱臼かの区別がつきづらいものです。おかしいな、と思ったらすぐ動物病院に連絡をし、獣医師の指示に従って対処しましょう。

一般的な応急処置としては、骨折した部位を固定するために、添え木やダンボールを当てて包帯などで巻く方法がありますが、犬が患部を触られるのを嫌がり、痛みや恐怖から飼い主を噛んでしまうこともあります。
犬が嫌がる場合は無理に固定せず、毛布やタオルで動かないように包みこんで、動物病院に連れていきましょう。

動物病院での骨折の治療は、骨折部位、骨折の状態、年齢、骨の太さなどにより異なります。外から固定するケースもあれば、外科手術で骨にピンを入れたり、プレートやボルトで止めたりするケースもあります。

犬の骨折の治療にかかる期間

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康


出典 nilovsergey/Shutterstock.com

骨折の治療期間も、骨折部位や状態、選択した治療法などにより、当然大きく異なります。たとえば前肢の単純な骨折で、手術で綺麗に固定でき、なおかつ自宅である程度安静に過ごせるということであれば、数日~1週間ほどで退院できることもあります。しかし、骨折の内容によっては、退院までに非常に長い期間がかかったり、再手術が必要になる場合もあります。

犬の骨折を未然に防ぐためには

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康


出典 Orawan Pattarawimonchai/Shutterstock.com

犬が骨折をする原因で多いのは、飼い主のちょっとした不注意によるものです。先ほども書きましたが、抱っこしていた犬を落としてしまう、尻尾をドアに挟んでしまう、うっかり肢先を踏んでしまうなど、些細な不注意で骨折してしまうことがあるので、充分に注意してください。
交通事故も気をつけましょう。犬が突然道路に飛び出し、人や自転車とぶつかって骨折することもあります。散歩中に急に走りださないようにしっかりしつけをしたり、リードは常に短く持っておくようにするなどして、愛犬が骨折するリスクを減らしましょう。

骨折は、捻挫や脱臼と比較しても痛みが酷いものです。しかも、完全に治癒するまでに長い時間を要します。治療をしている間は、犬も思い通りに動けないのでストレスが溜まってしまいます。犬につらい思いをさせないためにも、飼い主が予防できることはしっかり予防してあげましょう。

内容について報告する