【獣医師監修】犬と猫、一緒に飼う場合のポイントは? 同居の注意点について
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【獣医師監修】犬と猫、一緒に飼う場合のポイントは? 同居の注意点について

犬と猫。種類は違っても、どちらも愛らしくて、できることなら両方飼いたい! と思う人も多いのではないでしょうか。に犬と猫は、同じ屋根の下で仲良く暮らすことができるものなのでしょうか? 犬と猫を一緒に飼う場合のポイントを紹介します。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬と猫を一緒に飼う場合のポイント

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犬と猫は違う生き物

動物が好きで、犬も猫も家に迎え入れたいし、ともに仲良くしてほしい…と願う人は少なくないでしょう。ただ、理想と現実は違います。犬と猫が同居する場合、とくに猫には大きなストレスがかかるおそれがあることを知っておきましょう。

猫は群れで生きる動物ではないため、そもそも多頭飼いに適していない個体が多く、猫同士でも同居が難しい場合があります。その上、犬と猫ではそもそもの習性や生活リズムも異なります。

そのため、犬と猫を無理やり一緒の空間にいさせるようなことはしないでください。
そうすることで、むしろお互いに牽制したり、威嚇したりしてしまうため、関係が悪化する可能性が高くなります。まずはお互いが、仲良くはしないけれど、相手がいても意識することなく生活できる、という環境を目指すことが成功の秘訣です。

家に迎え入れるタイミング

犬も猫も、幼齢期の方が順化しやすいです。そのため、生後2~3ヶ月までの犬猫をほぼ同時に飼育し始め、社会化期をともに過ごすと、その後の同居もうまくいきやすくなります。ただ、仔犬と仔猫の世話を同時に行うのは、飼い主が慣れていない場合とても大変です。

また、先住が犬の場合は、後から来た猫を受け入れてくれるケースが多いです。逆に、先住が猫の場合、一般的に犬を受け入れるのは難しいとされています。先住猫が犬を拒絶する場合には、別に犬用の部屋を用意し、犬の気配やニオイで猫がストレスを感じなくてすむような環境を作ってあげる必要があります。
その後、少しずつ犬の気配を感じさせたり、遠目に犬の姿を見せたりして、少しずつ犬の存在に慣らしていきましょう。

エサは別々に与える

犬と猫では、与えるエサが異なります。同じ場所で一緒にエサを食べると、犬が猫の、猫が犬のエサを食べてしまうことがあります。犬と猫では必要な栄養バランスが異なるため、お互いのエサを食べる状況が長く続くと健康に悪影響を及ぼします。

また、エサの時間は、動物もリラックスして食べたいと思っています。そのため、エサの時間にほかの動物が近くにいると、ストレスを感じてしまいます。エサを与える場所を変えたり、時間をずらしたりして、それぞれがカラダに合ったエサを落ち着いて食べられる環境を作りましょう。

犬と猫の習性について

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先述したように、犬と猫はそれぞれ異なる習性を持っています。この違いを飼い主がしっかり理解することが、仲良く同居するための第一歩です。

犬の習性

●群れで生活をする
●群れの縄張りを守ろうとする
●昼間に活動する

猫の習性

●単独で生活をする
●自分の縄張りを守ろうとする
●薄明薄暮性で昼間は寝ていることが多い

品種や個々の性格、年齢、過ごしてきた環境などによっても異なりますが、基本的に犬は家族とにぎやかに過ごすことを好み、猫は単独で落ち着いて過ごすことを好みます。ですので、猫がひとりになれる時間や空間を作ってあげたり、犬が猫に構いすぎないよう、飼い主がこまめにスキンシップを取ったりすることで、ストレスを軽減してあげる必要があります。

犬と猫を飼うために必要なもの

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犬を飼う時に必要なもの

●犬用のサークルや屋根付きのハウス
●犬専用のトイレ
●犬専用の食器
●散歩用のハーネス・リード
●おもちゃ

ひとりになれる空間を作ってあげると、犬はとても安心します。また、犬は飼い主と散歩に行ったり、おもちゃで一緒に遊んだりすることが大好きです。犬にとって散歩や遊びは、飼い主からの愛情を実感できる大切な時間であるということを理解しておきましょう。

猫を飼う時に必要なもの

●キャットタワーや猫用のサークル
●猫専用のトイレ
●猫専用の食器
●首輪・迷子札
●爪とぎ・おもちゃ

猫は高い場所が好きなので、部屋にキャットタワーを設置してあげると、とても喜んで遊びます。コミュニケーションを取りたい時は、猫じゃらしなどのおもちゃで一緒に遊びましょう。また、首輪や迷子札は、猫が家から脱走した際、家に戻ってこられるかどうかに関わるアイテムなので、付けておくことをおすすめします。

犬と猫が仲良くしている姿を見ると、こちらまで微笑ましい気持ちになります。しかし、楽しくじゃれあうまではいかなくても、お互いがストレスで体調不良を起こすようなことがなければ「同居は成功している」と考えましょう。

犬と猫、それぞれの習性をよく理解して、無理のない同居を心がけましょう。

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