【獣医師監修】柴犬の仔犬のしつけ方
日本を代表する犬といえば、柴犬。柴犬は気難しい性格といわれていて、ほかの犬種よりもしつけが難しい犬として知られています。しかし、この「しつけが難しい犬」というのは本当なのでしょうか。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
生後3ヶ月の柴犬の特徴
柴犬のルーツは、今から5000年以上前の縄文時代にまでさかのぼるともいわれています。一時は絶滅が危ぶまれるほど数が減少しましたが、今では日本犬の8割ほどを柴犬が占めていることからも、「日本を代表する犬」といっても過言ではないでしょう。
もともと猟犬として人間と生活していた柴犬ですが、縄文時代のゴミ箱である貝塚から柴犬の祖先と思われる犬の骨が発見されています。当時から猟犬として飼育され、平安時代には鷹や鴨など、近代ではウサギやキツネなどの狩りをしていました。
柴犬は賢く、家族に対しては忠実なので、家族だけで生活するのに必要なしつけは早いうちに覚えてくれるでしょう。しかし、警戒心が強い犬種のため、いろいろな人や生き物、環境に順化させるという意味でのしつけは難しいかもしれません。そのため、生後3ヶ月までの社会化期に怖い思いをさせることなく、様々なものに慣れさせるのが重要であるのはもちろんのこと、それ以降も定期的にいろいろな環境に連れ出したり、体重を量るためだけに動物病院を訪れるなどして、警戒心が薄れるように工夫する必要はあるでしょう。
ワクチンの効果が安定するまでの間は、抱っこをしながら散歩をすることで外の空気に触れさせたり、飼い主以外の人間への適応能力をつけたりしていきます。ただし、病気の感染を防ぐため、外では歩かせず、家の中で運動をさせましょう。生後3ヶ月の仔犬の場合は、それだけで充分な運動量になります。
仔犬と信頼関係を築く
成長してからのしつけは、確かに大変な部分があります。そのため、将来的に円滑な共同生活を送るためには、生後3ヶ月までの社会化期に友好な関係を築いておくことが大切です。この重要な時期を迎えるにあたって、以下のことを頭の片隅に置いておきましょう。
●好ましくない行動を取らせないよう対策をたてる(いたずらできないように室内を片付けるなど)
●好ましくない行動を取った時は無視などの罰を与え、決して痛みを伴うこと(体罰など)はしない
●好ましい行動を取ったらすぐに褒める
●無理をさせない程度に少しずついろいろなことに順化させる
●習慣化したものを後から変えることは非常に困難である
これらのことを念頭に置き、焦らずに向き合いましょう。
しつけは、人の側の都合であり、物を噛んだり、吠えたり、知らない人を警戒したりすることは、犬としては当然の行動であることを理解しましょう。それをやめてもらうようにするには、人が時間をかけて教えるしかありません。
柴犬のしつけで大切なことは、根気です。できたことをたくさん褒めてあげることで、少しずつできることを増やしていくことが重要です。そして、飼い主と犬の信頼関係を、仔犬のうちに築きましょう。
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