【獣医師監修】犬の目が白い。疑われる病気とケアの方法について

犬は黒目の部分が多く、白目はあまり露出していません。しかし、黒目の部分が白くなってきたら、それは目の病気を患っているのかもしれません。重症化すると失明する危険もあるので、早めの対処が必要です。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬の目が白くなる原因

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ここで、犬の目の仕組みについて解説しておきましょう。

黒目の上は角膜という膜で覆われています。角膜には血管はありません。白目と瞼の裏は結膜という膜で覆われています。結膜には血管が通っており、炎症を起こしたりすると目が充血します。黒目の部分をよく見ると、虹彩が見えると思います。日本人なら黒や茶色、人種によってはグレーや青、緑などに見える部分ですね。

虹彩が動くことによって瞳孔が開いたり収縮したりします。
犬の黒目が白く見える時は、この瞳孔の部分が白く見えている時と、黒目の表面を覆っている角膜が炎症を起こして白く見えている時があります。

犬の目が白くなった時に考えられる病気

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では、犬の目が白くなってきた時にはどのような病気が考えられるのでしょうか?

白内障

瞳孔の部分が白く見えます。犬が白内障を発症すると、目の水晶体が白く濁り、視力が低下して通常通り歩けなくなります。家具にぶつかったり、小さな段差につまずいたりしている時は要注意です。犬の目を見た時に、瞳孔内が白く濁っていた…そんな時は白内障が進行しているかもしれません。

初期の段階では犬は普通に歩けるため、発見が遅れてしまう場合があります。症状が進行すると失明にまで至る危険がありますので、日頃から犬の目のチェックは欠かさないようにしましょう。

核硬化症

瞳孔の部分が白く見えます。この病気を患った時も、白内障と同じく目が白く濁ってきます。これは、水晶体の中心部である核が老化により白く見えるようになるためで、この病気により失明することはありません。

角膜炎

黒目の表面を覆っている角膜が炎症を起こして白く見えます。
砂やほこりなどのゴミ、まつ毛の生え方の異常(逆さまつげなど)、自分でこすってしまう、ケンカなどによって角膜に傷がついてしまうことが原因になります。角膜が白く見えるということは傷が深いおそれがあります。

犬の目が白くなった時の対策

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では、犬の目が白くなってきた時はどうすればよいのでしょうか?

まずは、目の中をよく観察することです。そして、目のどの部分が白く濁っているかを確認しましょう。角膜炎は進行が早く、放置すると角膜が穿孔してしまうこともあるため、できるだけ早く動物病院に連れていきましょう。

目やにが出ている時はすぐに取り除きます。目やにが目について白く見えていた…という時もあるので、目やにがある時は水道水や涙の成分と同じ液体で洗い流し、コットンやガーゼなどでやさしく拭き取ります。この時、顔に水分がついたままだと皮膚炎の原因になるので、水分が残らないようにしっかり拭き取ってあげましょう。

また、犬が目を気にしている時はこすらないようにしなければなりません。痛みを伴う病気の時は、犬は前足や壁などで目の中をこすろうとするので、症状が悪化しないようにエリザベスカラーなどを装着し、目をこすれないようにします。

犬の健康を守るためには、日頃からコミュニケーションをよく取り、様々な部位の様子を確認しておくことが大切です。そして、常に清潔な環境を作り、何か異常があった時にはすぐに獣医師に診てもらうようにしましょう。犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。そのことを忘れずに、楽しいペットライフを送ってくださいね。

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