【獣医師監修】猫が喉をゴロゴロ鳴らす意味は? 病気のサインであることも
猫のカラダをやさしく撫でてあげると、ゴロゴロと喉を鳴らすことがあります。気持ちよさそうにしている猫を見ていると、飼い主も幸せな気分になりますね。ところで、猫はなぜゴロゴロと喉を鳴らすのでしょうか。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
猫が喉をゴロゴロ鳴らす理由
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母親と仔猫のコミュニケーション
猫がゴロゴロと喉を鳴らす理由は様々ですが、母猫が喉を鳴らすことで仔猫にその振動が伝わり、また仔猫が授乳の合間によく喉を鳴らすことから、仔猫が母親に自分の存在を示し、元気だと伝えているなどの理由が考えられています。
リラックスしている
とても満足でリラックスしている時に、猫は喉を慣らします。自分はとても気分がいいですよ、と周囲に伝えているのかもしれません。
何かを要求している
上記の「リラックスしている時のゴロゴロ音」よりも少し周波数の高いゴロゴロ音があり、これは食べ物などを要求している時に発せられることがわかっています。
猫のゴロゴロ音は医学的に効能がある?
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猫が喉を鳴らす時のゴロゴロ音は25〜150ヘルツ程度。骨折をした時に超音波を当てると治癒が早くなることや、猫は骨折の治癒が早いという説があることから、猫のゴロゴロ音が骨折を早く治すのではと考えられています。
ある実験では、骨折したウサギに猫のゴロゴロ音に近い周波数を当てたところ、実際に骨折の回復が早まったそうです。
ちなみに、サッカーのワールドカップ直前に骨折したデイビッド・ベッカムやクリスティアーノ・ロナウドが、超音波治療によって驚くべき回復をみせたといわれていますが、人の医療で骨折の治療に使われる医療機器は1.5メガヘルツ、つまり150万ヘルツということなので、猫のゴロゴロ音とはだいぶ異なります。
注意すべきゴロゴロ音
猫は体調が悪い時や、自分の死期が近づいている時にもゴロゴロと喉を鳴らすことがわかっています。これは、脳内麻薬といわれるエンドルフィンが関係していると考えられます。
エンドルフィンには、鎮痛作用や多幸感が得られるという作用があります。そして、生き物がつらい状況下に置かれた時、その苦痛を和らげようとエンドルフィンが放出されます。
猫の場合、喉をゴロゴロと鳴らすことによってエンドルフィンが放出されるのでは、と考えられますが、逆にエンドルフィンが放出されることで喉が鳴る可能性もあります。
このように、猫がゴロゴロと音を鳴らすことには様々な理由があります。愛猫がゴロゴロと喉を鳴らしている時は、どんな理由で喉を鳴しているのかをしっかりと見極めて、適切に対処するようにしましょう。