【獣医師監修】猫の捻挫 考えられる原因や症状、治療法と予防法

愛猫が足を引きずっている…。そんな時は、もしかしたら捻挫をしているのかもしれません。ここでは、猫の捻挫の症状や原因、治療法や予防法についてみていくことにしましょう。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

捻挫の症状

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捻挫とは、関節に起きるケガの中で、靭帯や腱、軟骨が損傷を受けたものを指します(脱臼や骨折などを除く)。捻挫を起こすと、多かれ少なかれ炎症が起こるため、患部が腫れたり痛みが生じたりします。
なお、捻挫というと足のケガというイメージがあるかもしれませんが、顎、首、肩、股関節、尻尾など、関節であればどの箇所でも起こる可能性があります。

人では、スポーツで過度の負荷がかかったり、カラダの衝突により関節に不自然な力が加わったりすることで生じます。一方、猫が普通に生活をしていてそのような状態になることはあまりなく、また、自覚症状を訴えてくれないため、一般的に猫で捻挫という疾患が注目されることは多くありません。

猫が捻挫をすると患部に炎症がみられるほか、患部の痛みに伴い、足をかばって歩くようになります。もしくは、激しい痛みのために、触られることや歩くことを拒否する猫もいます。しかし、実際のところ、猫のカラダに明らかな腫れや跛行がみられる場合は、捻挫以外の疾患が原因である可能性が高いでしょう。

捻挫の原因

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先述したように、猫が普通に生活を送っていて捻挫になることはあまりありませんが、以下のような場合は例外です。

●高い場所からの落下
●ドアに挟まれる
●人に踏まれる
●交通事故  など

なお、完全室内飼育の猫に比べ、外出する猫の方が比較的発症率が高いといわれています。

捻挫の治療方法

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人が捻挫した場合の治療法として、「RICE」というものがあります。「RICE」というのは、捻挫をした後に起こる炎症を抑えるための応急処置の頭文字をとったものです。

●R:Rest:安静にする(患部を動かさない)
●I:Icing:冷却する(氷水などで血液の急激な流入を緩和する)
●C:Compression:圧迫する(患部を圧迫して血液量を減らす)
●E:Elevation:拳上する(患部を心臓より高い位置に上げ、血液量を減らす)

これらの処置は、猫が捻挫をした場合にも参考になります。この処置を施した後、軽い捻挫であれば3日ほどで回復の兆しがみえてきます。しかし、猫は人間と違い、痛みを隠す習性があるので、「軽い捻挫かな」と思っても、自宅での応急処置だけで経過をみることはおすすめできません。捻挫だと思っていたら、じつは亜脱臼や脱臼、骨折を起こしていたというケースもあるので、念のため病院でレントゲン検査を受けさせましょう。

捻挫の予防方法

可愛い猫に痛い思いをさせてしまわないためにも、予防策を立てることが重要です。キャットタワーは組み立てや設置を適切に行い、猫が上りたがる棚の上などは整理整頓します。そうすることで猫が落下しやすい、すなわち捻挫をするリスクが高い状況をなるべく排除してください。

また、捻挫を防ぐためには完全室内飼育をおすすめします。外の世界には、危険な場所がたくさんあります。飼い主が少し目を離した隙に、猫が家のベランダから落下してしまうような事故も報告されているので、極力家の中で過ごさせましょう。室内の床がフローリングの場合、猫が滑りやすく、関節に負担がかかってしまうので、じゅうたんなどを敷いて滑りにくくしてあげることも重要です。

猫の歩行異常は、カラダに何らかの異変が起きている証拠です。原因が捻挫であろうとなかろうと、すぐに動物病院へ連れていってください。早期発見・早期治療のために、日頃から愛猫の様子を観察し、どんな小さな異変も見逃さないようにしましょう。

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