【獣医師監修】ウサギが突然ケージの中を走り回る その理由と対策
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【獣医師監修】ウサギが突然ケージの中を走り回る その理由と対策

ふだんはおとなしいウサギが、突然ケージの中を走り回ったり、物をひっくり返したり、といった行動を起こすことがあります。活発に動き回るのは元気な証拠ですが、もしかして病気では と健康状態も気にかかります。その理由を知って適切な対処法を覚えましょう。

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監修:オールペットクリニック 平林雅和院長

ウサギが突然ケージ内で暴れる理由

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ウサギは夜行性に近い性質を持つため、夕方以降に行動が活発になります。ですので、人間はびっくりしてしまいますが、夜中や朝方に行動すること自体は、とくに問題視しなくてもよいでしょう。

ただし、ウサギは犬や猫に比べると、表情や仕草よりも行動で気持ちを伝えることが多い動物です。ですから、夜中に突然ケージ内を猛スピードで走り回る、エサ箱や水飲みをひっくり返して暴れる、後ろ足で地面を強く叩く(スタンピング)、といった行動は、ウサギから飼い主に伝えたいことがあるのかもしれません。

○エサに不満がある
○運動不足によるストレス
○発情期で興奮状態にある
このような感情的・生理的な理由などが考えられます。

また、病気や疾患の可能性も否定できません。ウサギ特有のエンセファリトゾーン感染症は、寄生虫原虫が原因の神経疾患です。健康なウサギは感染しても無症状ですが、ストレスや免疫力の低下により、首をかしげたまま元に戻らない、体が左右に回転する、眼球が左右に揺れる、排尿障害などの症状が現れます。もし、これらの異変が疑われる場合には、すぐ獣医師に相談しましょう。

ウサギを落ち着かせる方法

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夜のエサ配分を増やす

ウサギが踏みつけながら食べられる牧草が、いつでも十分にあるか確認しましょう。牧草を1日中食べているのが、健康なウサギの証拠です。
また、夜型のウサギは、昼間よりも夜により多くのエネルギーを消費します。ですから、朝夕回のエサを与えている場合には、日の総量は変えず朝は少なめにし、夜の配分を増やしてみましょう。同様に1日3回に分けて、朝夕と飼い主が寝る前の3度与えてみてもいいでしょう。ウサギの行動が改善されない場合は、エサの総量が不足している、エサの味やエサ箱の使い勝手などに不満がある、などの原因も考えられます。ウサギの様子を観察して見極めましょう。

運動量を増やす

飼い主が忙しくて何日もケージの中に入れっぱなしという状態では、ウサギもストレスがたまります。できるだけケージの外に出して自由に遊ばせてあげましょう。

ストレスや不安を解消する

周囲への警戒心や多大なストレスを抱えて精神的に不安定な状態になり、頻繁にスタンピングする様子などもみられます。そんなときは話しかけてかまってあげるだけで、ウサギも安心します。

落ち着く空間を作ってあげる

興奮してケージ内を跳ねたり、走り回ったりが続く場合は、ケージの上に段ボールなどを使ったカバーをかぶせるのが効果的です。周囲が薄暗くなり、ウサギの気持ちも落ち着いてきます。寒い時期はケージの保温にも効果的です。

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ただし、いずれの場合も、かまいすぎや甘やかしすぎはよくありません。いつも名前を呼んで叱ったりしていると、ウサギがかまってほしいときにわざと飼い主が困る行動をとることがあるからです。いたずらによって叱り方を変えたり、ときにはウサギにかまわず無視することがあってもいいでしょう。

また、元気に跳ね飛び回るのは健康的な証拠ともいえますが、水入れにぶつかったり、足をひっかけたりして骨折するケースなどがウサギには多くみられます。暴れて爪が折れることもあるので、爪の伸びすぎにも注意しましょう。

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