【獣医師監修】これって食べすぎ? 仔猫に与えるご飯の量について
仔猫には、ご飯を適量よりも多く食べてしまう食いしん坊が少なくありません。可愛らしい仔猫におねだりされたら、いくらでも食べさせてあげたくなってしまうものですが、食べすぎによるカラダへの影響はないのでしょうか。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
仔猫は食べすぎになりがち
まず、基本的に仔猫は食欲旺盛なものです。ですから、もっともっととご飯を欲しがっても、あまり心配することはありません。逆に、食欲がなく、体重が減ってしまうような場合は、何かしらの病気を患っている可能性があるので、動物病院に連れていきましょう。
個体差はありますが、仔猫は生後1年程で成猫になります。それまでの期間は、いわゆる成長期にあたります。仔猫のカラダは小さいですが、じつは成猫に比べておよそ3倍のエネルギーを必要としています。ですから、仔猫がたくさんご飯を食べようとするのは、極めて健全なことなのです。
また、成猫になると、自分が満腹になったと感じればご飯を食べるのをやめることができますが、仔猫はまだ加減を知りません。そのために、ご飯を与えれば与えるだけ食べてしまいます。さらに、保護されて間もない仔猫の場合、野良猫時代に飢えを経験している場合があるので、食べるのを止められないことがあるようです。
食欲旺盛なうえに、加減を知らないのであれば、ついつい食べすぎてしまうのも納得ですよね。フードのパッケージや飼育本などに記載されている、仔猫の月齢に合わせた食事量を守りたいところですが、大抵の場合、それよりも多く食べてしまうようです。
食べすぎが原因で起きる症状
ただ、欲しがるからといって、いくらでも与えていいかというと、決してそうではありません。食べすぎは、仔猫のカラダに悪影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。
下痢になる
仔猫の時期は、消化器官がまだ充分に発達していないので、ご飯をたくさん食べすぎると下痢になってしまうことがあります。また、食事量が多いと飲水量も多くなる傾向があり、これによって下痢を引き起こしてしまうこともあります。猫の場合、下痢が続くと脱水症状を起こし、生死に関わることもあるので気をつけましょう。下痢をしてしまったら、ご飯の量を少し減らし、腸を休ませてあげましょう。
嘔吐する
仔猫は胃袋が小さいうえに、ドライフードなどは噛み砕かず丸ごと飲み込んでしまうことも多いため、食べすぎると消化不良を起こしやすくなります。食べたエサを消化しきれなかったり、胃の許容量を超えたりすると、嘔吐してしまうことがあるので注意してください。一日に与える食事の量は変えず、食事の回数を増やすことで一度に食べる量を調整してあげましょう。
栄養バランスが偏る
仔猫は、ご飯を食べることでカラダの成長と維持に必要な栄養を摂取します。エネルギー源、たんぱく質、ミネラルの3つのうち、どれかが不足した時、仔猫は「お腹がすいた! もっとご飯が欲しい」と訴えます。
仔猫自身、どの栄養が足りていないかはわからないけれど、とにかく足りていない! と感じている状態です。つまり、充分エサを与えているはずなのに、仔猫がもっともっとと欲しがる場合は、何らかの栄養が不足しているのかもしれません。飼い主自身でどの栄養が不足しているのかを判断するのは難しいため、かかりつけの獣医師に相談の上、必要に応じて食生活の見直しを行いましょう。
仔猫時代の食生活は、その後の猫の健康に大きな影響を与えます。しっかり食べて、しっかり遊んで、立派で丈夫な猫に育ってもらいましょう。
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