【獣医師監修】猫の出産が多いのはいつの時期? 発情期についても解説
猫が出産する時期というのは、大体ですが決まっています。目安として知っておくだけで、猫の体調の変化や、仔猫を譲り受けたい時などに、参考にすることができるでしょう。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
猫の発情期は季節に左右される
猫は季節発情動物といわれる動物であり、日照時間が発情期に関係します。一日の日照時間が長い1~9月を繁殖期とし、この期間に何度か発情を繰り返します。
メス猫は、早ければ生後6ヶ月くらいから、通常は1歳を過ぎたあたりから発情が始まります。遅い場合には、2歳を過ぎるまで発情しない場合もあります。また、オス猫は生後8ヶ月~12ヶ月頃に性成熟(メス猫を妊娠させることができるようになる状態)を迎えたのちは、基本的にはいつでも性的活性を持っていますが、ピークは春頃と考えられています。
季節発情動物である猫ですが、人工的な照明の中で長く光を浴びて暮らす猫の中には、冬場に発情が起こることもあります。
仔猫は春先~梅雨入り前頃に生まれることが多い
猫が妊娠してから出産するまでに要する時間は、おおよそ2ヶ月程度です。1~9月の間に発情期を迎えますが、オス猫のピークは春頃なので、やはり立春から春先あたりに妊娠し、春から梅雨入り前に生まれる仔猫が多くなります。
発情している時の猫の様子は?
発情を迎えている猫は、オス・メスそれぞれの行動に特徴が現れます。
オス猫の場合
●尿スプレーをする
●外に出たがる、または脱走する
●攻撃的になる
●オス同士のケンカが増える
●食欲不振
尿スプレーは、自分の存在をアピールするために行います。家の中で飼育していても、ソワソワしていたり、外に出たがったりしている場合は、屋外に発情期を迎えたメス猫の存在を感じているのが原因かもしれません。また、メス猫との交尾の順番を巡ってほかのオス猫と争うので、攻撃的になりケンカが増えます。
メス猫の場合
●人間の子どもの声のような大きな鳴き声を出す
●カラダを仰向けにしてごろごろと地面に擦りつける
●外に出たがる、または脱走する
●いつも以上に甘えてくる
●下半身を高く持ち上げ、腰のあたりに触れたり撫でたりすると反応する
●食欲がなくなる
メス猫は、排卵するまで発情を続けます。排卵するには交尾するしかないので、オス猫と交尾をするか、発情後期を迎えるまで発情し続けることになります。大きな声で鳴くようになるのは、自分が発情していることをオス猫に伝えるための行為です。また、普段は縄張り意識が強いのですが、この時期はほかのオス猫に興味を示すようになります。
猫にとって発情サインは、自分の子孫を残すための行動で自然なことですが、これが飼い猫となると話は別です。メス猫の鳴き声はびっくりするほど大きいですし、脱走は交通事故などの不幸を招くこともあります。また、発情しても交尾に至ることがないのは心身ともにストレスになります。
もし、飼い主に子どもを繁殖させる意思がないのであれば、時期を見て去勢・避妊手術をすることをおすすめします。そうすることで、オス・メスともに発情を迎えることがなくなり、飼い主と猫、両方のストレスを軽減することができます。
猫の出産時期と発情について正しい知識があれば、飼い主として行動・対応しやすくなります。愛する猫と長く健康に暮らすためにも、情報を集めて活かすことを心がけましょう。
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