ペットとしての蛇。その入手方法や飼育方法について

蛇はペットとして飼いやすい動物と思っていませんか?蛇を飼うときに事前に知っておくべき知識や蛇の生態について解説します。

  • サムネイル: 蛭子花音
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監修:オールペットクリニック 平林雅和院長

蛇という動物について

そもそも蛇はどんな生き物?

蛇は四肢がなく細長い体をしているのが特徴です。非常に多様な種類が存在し毒の有無や体長など種類によって大きく異なります。日本で蛇を飼うためには地方自治体の許可が必要な種類も多く存在し、またその細長い体から逃走、生態系へ悪影響を与える可能性も十分に考えられるため、ペットとして気軽に飼うことは難しい動物です。どうしても蛇を飼いたい人だけが十分な責任と知識を持って飼育することが望ましいと言えます。

蛇を飼うことの魅力と注意点

蛇の飼育はハードルが高いものです。蛇の多くは熱帯の生き物であることから24時間、保温できる経済力と環境を整えることが必須となります。

鳴かない・吠えない
鳴き声をあげないだけでなく、胴体で這う動きも静かなので、騒音で近所迷惑になることがありません。
  
臭わない
多くのヘビはカラダはニオイがほとんどありません。糞の処理さえしっかりすれば、ニオイで困ることはあまりないといえるでしょう。しかし、多くのナミヘビは肛門のう腺が存在し、強いニオイを出すことがあります。

ヘビはペットとして容易に飼うことは難しいと冒頭で説明してきました。
こちらも具体例をいくつか挙げてみましょう。

エサとしてピンクマウスを使用することがある
ピンクマウスを餌としてあげるのは人によっては苦手かもしれません。また、冷凍保存することが多いため、冷蔵庫で保存する際には家族や同居人がいる場合は相談もしておくべきでしょう。しかし、すべての蛇がピンクマウスを食べるわけではありません。必ずその蛇にあった食事を調べた上で適切な量を与えるようにしましょう

温度管理
変温動物である蛇は、本来自分で体温調整する必要がない環境で生活するため、温度管理は非常に大切になります。適切な温度管理を行うための保温器具を用意し、必ずサーモスタッドに接続してください。保温器具には高温帯と低温帯を管理する器具が必要です。温度が低くなる場合はヒーター(パネルヒーター・ダントツ・ヒーティングライト・セラミックヒーターなどが使用されます)が作動し、高くなる場合はクーラー(換気扇・扇風機・冷水・保冷剤などが使用されます)が作動するように設定します。最低最高温度計のほかに、温度差があると思われる個所に温度計を数個設置します。
必要であればバスキングライトなどを設置し、飼育施設の中に一部、高温帯(35-40℃前後)の場所を作りましょう。
また、パネルヒーターを使う場合は側面に設置し、断熱剤を水槽外の底面に設置するなどして、ヘビの接地面での低温暴露や低温火傷を予防します。
住み心地の良い温度を維持してあげましょう。

脱走させない
脱走すれば見つけるのが難しいのはもちろん、近所だけでなく生態系への悪影響があります。とくに小さい個体は、ケージの網目などの隙間から逃げることもあるため極めて注意が必要です。

蛇の種類について

ペットとして国内で飼うことのできるヘビの種類

ペットとして気楽に飼育することが難しいヘビは、どちらかと言えば人が飼うことは望ましくないといえるでしょう。さらに、無責任な人間が飼育・繁殖することで生態系を混乱させている現実があります。
しかし、それでもどうしてもヘビが飼いたい人は最後まで責任を持つことを前提に飼育しましょう。
また、比較的日本で情報を集めやすいヘビの種類は以下のとおりです。

コーンスネーク

日本にいるアオダイショウの仲間で「アカダイショウ」とも言われるコーンスネークは、おとなしい性格でハンドリング(触る・持つなどスキンシップをとること)しやすく、カラーバリエーションも豊富なことから初心者を始め爬虫類好きに人気です。成長すると120cm〜150cmほどになり、中には2mを超える個体もいます。

ボールパイソン

ボールパイソンはニシキヘビの仲間で、コーンスネークと同様に爬虫類の中でもペットとして人気の高い種類です。その名の通り、身を守る時にカラダをボールのように丸くする特徴があります。臆病な性格で、触りすぎたり温度管理が適切でないと拒食症になりやすいため注意が必要です。体長は100cm〜150cm程度です。

カリフォルニアキングスネーク

飼育しやすくカラーバリエーションも豊富なことから、こちらも人気の種類です。大きさは150cmほど。食性が広く、哺乳類や鳥類はもちろん両生類や爬虫類まで食べるため、ほかの蛇と一緒のケージ入れるのは避けましょう。

おわりに

個体差はありますが、ヘビは20-40年という長い寿命を持ちます。ヘビに興味がある人は、まずはペットショップや「爬虫類カフェ」というお店もありますので、直接見て触れてみることをおすすめします。

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