【獣医師監修】大切な歯を守ろう。犬の歯医者について
犬の健康を守る上で重要な要素の一つに、歯の健康管理があります。愛犬が歯や口腔のトラブルに見舞われた時は、歯科診療対応の動物病院で診察してもらいましょう。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
犬の歯医者とは
人間と同様に、犬も歯の病気にかかります。人間の場合は歯医者で治療してもらうことになりますが、犬の場合はどうすればよいのでしょうか。
歯科診療対応の動物病院で診てもらう
犬の場合は、歯科診療に対応している動物病院へ連れていくことで、診察を受けることができます。ペットの歯科診療には、以下のようなものが挙げられます。
●歯石除去
●歯垢除去
●虫歯治療
●破損歯の修復
●歯周病、歯肉炎、歯周病慢性口内炎の治療
●歯肉形成
●レーザー治療
人間の歯医者とさほど変わらない印象ですね。そのほかにも、歯のブラッシング方法や、毎日のケアの方法などを教えてもらうことができます。また、一般の動物病院と同様に、定期的に診察を受けることで、口腔内のトラブルを予防できるというメリットもあります。
ペット専門の動物歯科で診てもらう
歯科診療を行っている動物病院のほかには、ペットの歯科を専門的に診る「動物歯科」というものがあります。いうなれば、ペット専門の歯医者といえるでしょう。
動物医療において、獣医師というのは総合医であることが多いといわれています。つまり、内科や外科、産婦人科、皮膚科、すべてをひとりの獣医師が診察する場合が多いのです。しかし、歯科治療には専門的な知識や機材が必要とされるため、総合医としての知識と技術だけで対応するには限界があるともいわれています。
また、昔は犬の寿命が今よりも短く、平均8年ほどといわれていました。これは、口腔内トラブルが起こる前に、寿命を迎えることが多かったということです。そのため、犬の歯科は軽視される傾向にありました。しかし、近年では犬を室内で飼育したり、質の良い総合栄養食を与えたり、病気の予防に対する意識が高い飼い主が増えたことから、十年以上生きる犬も珍しくなくなりました。
同じ室内で生活している犬の口臭、または口腔内の異常を気にする飼い主も多いので、専門的な犬の歯医者の必要性が高まっているといわれています。犬やペット専門の歯科医はまだまだ少ないのが現状ですが、もしお住いの近くにペット専門の動物歯科を見つけたら、一度診察を受けてみてはいかがでしょうか。
犬の歯のケア方法
犬の歯医者や歯科診療を行う動物病院は、いざという時に心強い存在ですが、できればお世話にならないように気をつけてあげるのがベストです。日頃のケアをしっかり行うことで、犬の歯や口腔内の健康を保ちましょう。
犬の口の中を見る
まず、犬の口の中を見るところから始めましょう。愛犬の口を開けさせることができない飼い主は、意外に多いといわれています。できれば仔犬の頃から、しつけや遊びの一環として、口周りを触られることに慣れさせておきましょう。
犬の歯磨きは簡単で効果大
毎食後は難しいとしても、1日に1度は歯を磨いてあげましょう。市販されている犬用歯ブラシや歯磨きを用いるほか、タオルやガーゼを使用する方法もあります。指にガーゼを巻きつけ、できるだけやさしく歯を撫でてください。犬の歯茎は血が出やすいので、決して力を入れすぎないように。また、人間用歯磨きに含まれているキシリトールは、犬にとっては有害な物質なので、絶対に使ってはいけません。
人間と同じように、犬の歯や口腔内のトラブルは毎日のケアで防ぐことができます。それでも異変が起こってしまった時は、歯科診療対応の動物病院か専門の歯科医に診てもらいましょう。
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