【獣医師監修】トイ・プードルの理想的な体重と、肥満が原因で引き起こされる病気について
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【獣医師監修】トイ・プードルの理想的な体重と、肥満が原因で引き起こされる病気について

飼い主にとって、犬の健康状態というのは常に気がかりなものです。人間同様、犬も肥満になると健康が害されることがあるので、しっかりチェックしておきたいもの。今日は、ふわふわの被毛に覆われているためになかなか気づきにくい、トイ・プードルの肥満について解説していきます。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

トイ・プードルの体重の推移

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トイ・プードルは100g前後という非常に小さいカラダで生まれ、10日程で2倍になり、生後2~3ヶ月後には生まれた時の10倍以上の体重になります。

トイ・プードルを飼い始めるタイミングというのは、多くの場合、その生後2~3ヶ月の成長期にあたる時期です。トイ・プードルの成長期は生後6ヶ月ほどで、それ以降は緩やかに成長し、生後10ヶ月ほどで止まります。ですので、この生後10ヶ月頃の体格が成犬時の体格となります。

ちなみに、トイ・プードルの平均体重は2~4kgです。

トイ・プードルの肥満とは?

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それでは、この平均体重を超えているトイ・プードルは肥満と判断されてしまうのかというと、そうではありません。体格が異なれば当然理想体重も異なります。非常に小柄であれば2kgでも肥満体型のこともありますし、カラダが大きければ4kgでも痩せすぎということもあります。
大切なのは、単純な体重ではなく、自分の愛犬の理想体型時の体重を知ることです。

そこで使われるのが、BCS(ボディ・コンディション・スコア)という指標です。BCSにはいくつかチェック項目がありますが、わかりやすいものは以下です。

●ウエストにくびれがあり、肋骨のあたりを触ると手のひらに骨を感じることができる

つまり、ウエストがくびれていなかったり、厚い脂肪に覆われて肋骨が触れないようであれば肥満だといえます。

では、肥満になるとどのような症状が起こるのでしょうか。

●膝や腰などの関節への負担
●呼吸器や循環器疾患のリスクが高くなる
●全身麻酔の際のリスクが高くなる
●熱中症などのリスクが高くなる
●糖尿病などの内分泌疾患のリスクが高くなる など

犬にとって、肥満がどんなによくないことが、よくわかると思います。

トイ・プードルのダイエット方法

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このような症状が出ないためにも、以下のような方法でトイ・プードルの体重をコントロールしていきます。

1日の食事量を決める

ダイエットで大切なことは、無理な食事制限をしないことです。ドッグフードのパッケージに記載されている給餌量などを参考にして、1日に与える食事量を決め、それ以上は与えないようにしましょう。

食事の回数を増やす

1日に食べる食事量が減っても、少しずつ何度も食べることで満足できることがあります。

ダイエットフードへの切り替え

いつも使用しているドッグフードから、ダイエット用のドッグフードに切り替えます。この時重要なのは、同時におやつを減らす、もしくはカットすることです。おやつを与え続けると、せっかくドッグフードを切り替えても意味がなくなってしまいます。

運動量を増やす

これまでの散歩量を少し増やしたり、おもちゃを使ってコミュニケーションをとる時間を増やしたりして、カロリーの消費を促します。

トイ・プードルの肥満は、様々な病気になるリスクを高めてしまいます。とはいえ、素人判断では肥満かどうかわからないので、「ちょっと太ったな」と思った時は獣医師に診てもらうようにしましょう。

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