【獣医師監修】猫の去勢手術 時期や方法、費用、術後のケアについて
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【獣医師監修】猫の去勢手術 時期や方法、費用、術後のケアについて

飼い主として猫の去勢は必要なこと。でも、術後に性格が変わったり、体重が増えたりするってホント? そんな疑問や不安を解消します。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

去勢はした方がいいの? 時期はいつ頃がベスト?

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猫を飼う人が増える一方で、増えすぎた猫の面倒が見きれなくなったり、捨てられる仔猫がいることも事実です。猫とのハッピーライフを夢見て飼い始めたのならなおのこと、無駄な繁殖は防ぎたいもの。そのためにも、去勢は飼い主の義務として心がけておきましょう。

「去勢手術」とは主にオスの精巣を摘出することをいいます。メスは「避妊手術」によって、卵巣と子宮を摘出します。正式には、両方を合わせて不妊手術と呼ばれています。

どちらも、特別難しい手術ということはありませんが、全身麻酔をかけるので、健康状態が良好な時に行うのがベストです。不妊手術のタイミングについてはいろいろな考え方がありますが、現在日本ではオスもメスも性成熟を迎える少し前である生後6ヶ月頃に行うことが多いようです。とくにメスは、初回発情前に避妊手術を行うことが勧められています。かかりつけの獣医師と相談し、愛猫にとってベストな時期を決めましょう。

ちなみに、発情を迎えたメスは大声で鳴く、カラダを人や物に擦り付ける、フセをしてややおしりを持ち上げるような体勢をとるなどの行動をみせるようになります。

去勢・避妊手術について

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手術内容

オスの去勢手術は、肛門付近にある睾丸を取り除けば終わりです。通常、皮膚に小さな切込みを入れ、そこから睾丸を取り出します。縫合の必要がないことがほとんどのため、オスの場合は抜糸のための再診は必要ないでしょう。メスは開腹手術を行うため、オスよりも身体の負担は大きくなります。オス、メスともに術後はエリザベスカラー(ネッカー)を首の周りに装着し、傷口を舐められないようにします。日帰り手術を行える病院もありますが、全身麻酔をかけるため、点滴をしながら入院で様子をみる病院も多いようです。

手術費用

去勢・避妊手術の費用は、病院や内容によって差がありますが、オスは1~2万円、メスは2~4万円程度が相場です。これに加えて、術前検査(血液検査、胸部レントゲン検査など)、薬剤料なども必要になります。自治体によっては助成金制度を設けているところもあるので、一度問い合わせてみるといいでしょう。なお、去勢・避妊手術は、予防のための医療行為のため、通常ペット保険は適用外です。詳しくは加入しているペット保険会社に問い合わせてください。

手術のメリット

最大のメリットは、去勢、避妊によって生殖器系の病気が防げることです。オスなら精巣腫瘍、メスは卵巣・子宮疾患(卵巣腫瘍、子宮蓄膿症、子宮水腫、内膜症など)などを防ぐことができますが、じつはこれらはもともと猫での発症例はさほど多くありません。むしろ、猫の場合は、9割が悪性といわれている乳腺腫瘍を抑えられることが大きなメリットといえるでしょう。また、子孫を残すという生き物にとって最大のミッションが叶えられないまま、発情だけを経験するのは猫にとってストレスとなります。また、オスの本能が関係する攻撃性やスプレー行為などを抑える効果も期待できます。
ちなみに、耳の先端がV字に切られている野良猫を目にしたことがある人もいるかもしれませんが、それはボランティア団体によって去勢・避妊手術が施された印。「地域猫」と呼ばれ、繁殖するおそれがないことを意味しています。

手術のデメリット

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ホルモンの影響から、手術後はオス、メスともに少し太りやすくなります。また、性格もずっと子どもっぽいままになるとも言われていますが、個体差もあるため定かではありません。

術後は心のケアも大切

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手術直後のケア

術後に痛みが残ることや、傷口が開いてしまうことは基本的にはありませんが、エリザベスカラー(ネッカー)等が取れてしまい、猫が傷口を舐めてしまうと話は別です。もし何かの拍子に傷口が開いてしまったら、ただちに動物病院に連れて行ってください。また、病院から抗生剤や消炎剤を処方されることがほとんどですが、抗生剤により下痢をすることがあるため、便の状態にも気をつけてください。

傷口の保護にはエリザベスカラー(ネッカー)が必要ではありますが、猫にとってはとても邪魔なもので、非常にストレスを感じることも多いです。そのため、装着したままでは食事を食べなかったり、トイレに行かなかったりするケースもあります。そのような場合は、食事の際だけエリザベスカラー(ネッカー)を外してあげてもいいでしょう。ただし、確実にまた装着することが重要です。

メンタルケア

手術後に下痢になることがあるのは先に紹介しましたが、抗生剤の内服が終わってからもしばらく長引くことがあります。それはいったいなぜでしょうか。じつは、その症状はストレスからくるものだといわれています。知らないところへ行くこと自体が苦手な猫にとって、手術がストレスにならないわけがありません。また、エリザベスカラー(ネッカー)の存在がストレスになっていることも多々あります。傷口の様子などが気になるとは思いますが、あまりしつこく触れたりせず、なるべくストレスのない環境づくりを心がけましょう。

体重管理

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不妊手術後は太るケースが多いことから、カロリーを通常の3割ほど減らしたほうがいいといわれています。現在は、不妊手術をした猫用の低カロリーフードもあるので、獣医師に相談してみるといいでしょう。

メスは発情すると外に出たがります。また、オスは発情期のメスがいるところへ行きたがります。その結果、室内から逃走して事故にあったり、望まない妊娠をしてしまうこともあります。適正な時期に去勢・避妊手術を施して、猫との安心で幸せな毎日を手に入れたいものです。

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