【獣医師監修】犬に豆腐を与えても大丈夫! 犬に豆腐を与えるメリットと注意点
日本はもちろん、海外でも健康食として注目を集めている豆腐。人間にとっては低カロリーながら上質な植物性たんぱく質が摂取できる食材ですが、犬に与えても大丈夫なのでしょうか。今回は、犬と豆腐の関係について解説していきます。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
犬に豆腐を与えても大丈夫!
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結論からいうと、犬に豆腐を与えても大丈夫です。豆腐には、犬にとって大切な栄養素であるたんぱく質以外にも、健康に役立つ様々な栄養素が含まれています。
たとえば、アミノ酸、ビタミンK、カルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛、マンガン、セレン、クロム、リン、鉄といった栄養素は、すべて犬の健康維持に必要なものです。さらに、豆腐は消化が良く吸収もしやすいので、犬にとっても非常に優れた健康食といえます。
豆腐の栄養素
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きわめて肉食に近い雑食動物の犬にとって、もっとも重要な栄養素は動物性たんぱく質ですが、この一部を植物性たんぱく質に変えることで、体重が増加傾向にある犬のダイエットにつながります。
犬の食性からすると、植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質の方が消化吸収しやすいと考えられますが、豆腐は植物性たんぱく質を含む食材の中でも比較的消化しやすいので、消化機能が低下する病気の犬や高齢犬にもおすすめです。
また、豆腐の原料である大豆に含まれている脂肪のうち、8割は健康に良いといわれている不飽和脂肪酸です。動物性の脂質はコレステロールが多く、肥満や成人病につながりやすいという特徴がありますが、豆腐の脂肪はコレステロールが少ないため、これらの病気の予防にも効果的です。
そして、豆腐には「サポニン」という成分が豊富に含まれています。このサポニンは、アミノ酸、脂肪酸、ブドウ糖からできていて、強力な抗酸化作用を持ちます。血管に付着してしまったコレステロールや脂肪を洗い流したり、肝機能を保護したりする効果もあるといわれています。
豆腐を犬に与える際の注意点
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このように、犬の健康に役立つ豆腐ですが、与える際には注意が必要です。まず、犬の中には大豆アレルギーを持っている犬もいるので、初めて豆腐を与える時は少しずつ与えていきましょう。そこでもし、嘔吐や下痢などアレルギーの症状がみられた場合は、すぐに与えるのを中止してください。
また、豆腐に限った話ではありませんが、犬と人間とでは同じ食べ方はできません。冷ややっこのように、醤油をかけて与えるのはもってのほかです。犬に豆腐を与える際は、味付けは一切せず、水を切って常温で与えます。冷たすぎても、熱すぎても、犬の胃に負担をかけてしまうので注意しましょう。
豆腐にはマグネシウムとリンが多く含まれているので、それらを主成分とする「ストルバイト結石」を患っている犬に与えると、症状を悪化させてしまう危険があります。また、マグネシウムは過剰に摂取すると下痢や軟便を引き起こします。
大豆を原料とする豆腐は、甘みがあり腹持ちもよいので、ドッグフードの食いつきが悪くなることがあります。いくら豆腐が犬の健康に良いといっても、主食であるドッグフードを食べなくなっては本末転倒なので、与える量やタイミングにはぐれぐれも注意しましょう。
また、植物性たんぱく質は動物性たんぱく質と比較して低カロリーではありますが、過剰に摂取すると肥満気味になる可能性があります。
そのため、豆腐を与える時は、ドッグフードに少量をトッピングするか、ドッグフードと別に与える場合はおやつ程度にとどめましょう。とくに夏場は、犬の食欲が低下したり、飲水量が不足しがちになるので、豆腐で水分補給するという方法も効果的です。
このように、豆腐は犬にとって味が良く、健康にも良い優れた食品です。しかし、注意点を守らなかった場合は、何かしらのトラブルを引き起こす可能性もゼロではありません。犬の健康に良い与え方を理解し、栄養のバランスを充分に考慮しながら、犬の食生活に上手に豆腐を取り入れてあげてください。