【猫びより】【君に金メダル! 我が家のご長寿猫】おチビ(21歳)3本足も何のその。夜遊び大好き!
生命力あふれる瞳に、堂々たる佇まい。21歳、しかも3本足とは思えない力強い足取り。そんなパワフルおばあニャン・おチビさんと暮らすTomokoさんに、驚くべき逸話の数々をお聞きしました。(猫びより 2018年3月号 Vol.98より)
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足の切断手術
最近アゴが伸びてきました
おチビは、もともと飼っていた三毛猫のミイちゃんが産んだ子。5匹兄弟の末っ子で、兄弟猫と比べたらあまりにも小さかったので「チビ」と名づけましたが、大人になってからは尊敬の意を込めて「おチビ」と呼んでいます。
春から秋にかけて夕日を見る時に登る塀
まだおチビが子どもの頃、いつものように近所へお散歩に出かけたところ、なかなか帰ってきませんでした。やっと翌日帰ってきた時には後ろ足をひきずっていて、様子がおかしかったのですぐに動物病院へ。ドクター曰く、人間の力によって針金できつく縛られた様子とのこと。その時すでに足は壊死していたので、やむなく切断手術をすることになりました。怒りにふるえた私は、護身用に剣道の竹刀を持って犯人を探して回りましたが見つからず……。
いつも堂々とした立ち姿です。ナイスバランス
切断直後は上手く歩けませんでしたが、若かったので感覚が良く、すぐに走れるようになりました。人間のせいで嫌なこと、痛い思いを経験したので人間不信になるかと心配したものの、幸いにも家族への接し方は変わりませんでした。特に私の父親が大好きでべったりです。今でもよく父の布団にもぐりこみ、飽きると私の部屋にあるおチビ専用ハウスに来ます。以前、庭で父がお客様と立ち話をしていた時にわざと大きな声でシャウトして会話の邪魔をしていました。ジェラシーですね(笑)。
母が育てたお花をたまーに踏みつけながら走ってくることも
ただ、足を切断してから性格がとってもキツくなりました。老猫になっても気に入らない野良ちゃんには平手打ちをしています。気に入らないと追いかけていくことも。ケンカをするのも見るのも好きなので、別の猫たちのシャーシャーが聞こえるとすっ飛んで見に行きます。参戦していないことを祈っています……。好奇心旺盛なのは昔から変わりません。
お出かけ大好き!
決してモフらせてはくれませんが、お腹を見せてくれます
昼間は庭でごろごろしたり、離れにプレハブがあるのでそこで寝たり、大好きな古新聞の上で昼寝しています。真夏は草むらの中に身を潜めて涼をとることが多く、その姿は、まるでジャングルの中の野生動物のようです。
ここが夏限定の昼寝の定位置。朝から夕方までいます
夜遊びも大好きで、いそいそ外へ出るのですが、一体何をしているのやら……。雨の中、22時に一度戻り、0時にまた出かけ、3時半にやっと帰宅した、なんてこともありました。行くなと言っても聞かず、びしょぬれになっていたのでタオルで拭こうとしたら逃げる! しかも帰宅するたびにオヤツを完食! 2.5kgの体のどこにそんなパワーがあるのでしょうか。
自由こそが健康のもと
秋の空を感じながらの夕日ウォッチング
そんな毎日を過ごす、至って健康なおチビ。病院へ行った記憶は、2009年の真夏に熱射病の疑いがあった時(結果、健康)。次は2016年にワクチンを打ちに病院。2017年に咳をしはじめたので病院(結果、健康)。特別なケアはしておらず、ご長寿の秘訣は自由にさせていることでしょうか。
足が届くので掻き放題。かなりのチカラを入れています
この21年間、離れて暮らしていた時期もありましたが、一日も忘れたことはありません。時には自分の子どものようであり、時にはボスのような存在でもあります。おチビのたくましさにはいつも勇気と元気もらっています。これからも仲良くしてくださいね(最近は敬語で話しかけています)。
青空レストラン。室内に食事場所があるのに、天気がいい日は外で食べたがります。好物はささみ、ホタテせんべい、煮干です
文・写真 Tomoko