【獣医師監修】犬の鼻水と病気の関係。考えられる原因や治療法、予防法について
犬が鼻水を垂らしていると、「あれ、何かの病気かな?」と思う飼い主は多いかもしれません。しかし、犬が鼻水を垂らすのは生理現象のひとつでもあるので、どのような鼻水の垂らし方をしているかがポイントになります。今回は、犬の鼻水がどのような意味を持っているのかを解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬が鼻水を出す原因
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犬が鼻水を出す原因はいろいろありますが、まずは鼻水の色をチェックしましょう。鼻水の色が透明の場合は、以下のような原因が考えられます。
生理的なもの
犬は寝ているとき以外は口や鼻の周りを舐める習性があるので、鼻水が出ていても舐めてしまっていることが多くあります。基本的に透明の鼻水は犬も水のように舐めてしまうので、いわゆる生理現象のひとつとして捉えていいでしょう。
アレルギー
じつは、人間と同じように花粉症になってしまう犬もいます。このようなアレルギー反応で鼻水が出るときも、透明でさらさらしています。花粉のほか、ほこりや食べ物によるアレルギーもあるので、鼻水がよく出る犬は、動物病院でアレルギー検査をしてもらうと良いでしょう。
風邪(ウイルス感染)
仔犬でみられることがあり、くしゃみや咳などの症状も現れます。病院でウイルス活性を抑えるインターフェロンの注射を打ったり、細菌の二次感染を防ぐために抗生剤が必要になることもあります。
細菌感染
人間でいう“青っ鼻”が出ているときは、細菌感染による鼻炎の疑いがあります。この時は、抗生物質の投与などの治療が必要になります。
異物
植物の種を吸い込んだ、毛が入った、など異物の刺激により鼻水が出てくることもあります。
鼻腔に出来物ができることにより、鼻水が増えることもあります。場合によっては鼻水だけではなく鼻血が出たり、鼻のあたりが腫れてくることもあります。犬では通常、鼻血が出ることはほとんどないため、鼻血が見られたらまずは受診するようにしましょう。
治療法は腫瘍の種類によって異なります。
歯周病
人で、なかなか治らない副鼻腔炎の原因が歯周病だった、ということがあるように、犬でも鼻水の原因が歯周病だったということがあります。この場合、膿のような鼻水がみられることがあります。どの犬でも歯周病のリスクはありますので、定期的な歯磨きを心がけましょう。
犬の鼻水の治療方法
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犬の鼻水には様々な原因があるので、治療法もそれぞれですが、基本的には獣医師に処置してもらうことになります。
透明な鼻水で量も多くなく、日常生活に支障をきたしていない場合は生理現象の鼻水ですので、病院に行く必要はありません。しかし、ネバネバしていたり、色がついていたりする場合は、何かしらの異常がある疑いがあるので、病院で診てもらいましょう。
犬の鼻水を予防する方法
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予防できる鼻水は、アレルギーや歯周病によるものでしょう。
アレルギーの疑いがある犬を飼育する場合は、散歩後は入室前にブラッシングで花粉などを落としたり、アレルゲンが付かないように服を着て出かけるようにしましょう。また、ハウスダストなどが原因になることもあるため、室内を清潔に保ち、空気清浄機などを利用してもいいでしょう。
歯周病予防に関しては、やはり歯磨きが一番ですね。
たかが鼻水、と見過ごさず、気になる場合は早めに対策をとったり、受診をしたりして、予防できるといいですね。