【獣医師監修】猫が箱好きなのはどうして? 箱に入りたがる理由とおすすめの箱
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【獣医師監修】猫が箱好きなのはどうして? 箱に入りたがる理由とおすすめの箱

「猫の香箱座り」ということばもありますが、猫は箱と見れば入りたがる無類の箱好きです。箱の中を見れば、猫の箱詰めといった光景も!

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

猫が箱を好きな理由

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商品の空き箱をそのままにしておいて、いざ片付けようと思ったらすでに愛猫に占領され、しまうにしまえなくなったという経験は、猫を飼ったことのある人ならだれしも持っているはず。自分よりひと回りも小さい箱に無理矢理収まってドヤ顔を見せる姿に、箱に対する深い愛着を感じずにはいられません。なぜ、猫はそんなに箱が好きなのでしょうか? その理由を紹介します。

野生時代の本能

そもそも猫は犬のように群れをつくらず、単独で行動するため、警戒心が強い動物です。野生だったころ、敵から身を隠すために茂みや潜り込める狭い場所を見つけ、そこを寝床や棲家にしていました。そうした場所は、狩りの際に獲物を待ち伏せするのにも適していたため、猫がカラダがすっぽり収まる箱に入るのは本能の名残といえるでしょう。

猫を新しい環境に置いた時、ストレス数値が平常に戻るのに約2週間もかかったという事例がありますが、箱を与えられた猫は3日ほどで数値が下がったそうです。

警戒心が強く、生活環境の変化が苦手な猫にとって敵から身を守るのに最適な狭い空間は、安心してくつろげるパーソナルスペースなのです。箱に入ってくつろいでいる時は、なるべく邪魔をしないようにしましょう。

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温度管理の一環として

私たち人間は30度を超えると不快指数もぐんと上がりますが、猫の場合、人間が快適とされる温度よりいくらか高い方が快適と感じる場合があります。猫が箱に入って丸くなっているのは、体温を上げるためでもあるのです。

獲物がいるか確かめる

野生時代、猫はネズミや鳥などの小動物を獲物としていました。たとえば、ティッシュの空き箱などは、小動物の巣を思わせるため、本能がうずいて、のぞいたり、入ったりしたくなるようです。

手軽に用意できるおすすめの箱

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箱好きの猫のために、どんな箱を用意したらいいのでしょうか? 以前、猫が鍋に入った写真集が話題になったことがありますが、猫はカラダがぴったり収まるものならどんなものでも大好きです。ただ、猫に鍋を占領されては都合が悪いですよね。

手軽に用意できるのは、ダンボールやティッシュなどの空き箱です。通販を利用した時に商品が入ってくるダンボールなら苦労することなく手に入ります。大手スーパーに買い物に行く機会が多い人は、不要な箱をもらってくるのもいいでしょう。猫はだいたいどんな箱でも喜んで入ってくれますが、大きな箱よりぴったりフィットする箱の方が好みのようです。

最近は爪とぎがついた猫用のダンボールハウスも1000~3000円程度で売られています。中にはキャットタワーを兼ねたタイプのものや鍋タイプのものもあるので、調べてみるのも楽しいでしょう。

そのほか、猫はビニールの袋、紙袋、カゴ、カバンなど閉鎖的な空間に入るのも好きです。脱ぎっぱなしのトレーナーのそでに入り込んでいたり、なぜかスリッパに入ろうとしたり、より狭いところを求める傾向にあるのも猫の特性といえるかもしれません。

猫は箱や袋だけでなく、ちょっとした隙間があれば入ろうとします。押し入れやタンス、引き出しも大好きな場所なので、猫が入ったことに気づかないで閉めてしまわないよう注意しましょう。猫は閉められてもすぐには鳴かないため、いなくなってしまったとあわてることになります。また、袋状のものの中に長時間いると窒息の原因にもなりますので注意が必要です。

猫にとって、カラダがすっぽり収まる狭い空間は、生きていく上でなくてはならない場所です。そうした猫の習性を理解して、ストレスなく安全に暮らせる環境を整えてあげましょう。

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