【獣医師監修】ペルシャの特徴や性格、飼い方について
純血種の猫の中ではもっとも古い品種のひとつ、ペルシャ(ペルシャンとも呼ばれます)。象形文字で書かれた古代文書の時代にも、ペルシャと思われる猫の記述があるくらい長い歴史を持つ猫は、西ヨーロッパで誕生した、アジアで誕生したなど様々なルーツの説を持っています。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
ペルシャの歴史
「猫界の王様」という異名を持つペルシャは、多くの猫種の交配に使用されています。つまり、多くの猫がこのペルシャを祖先に持っているということです。
しかしながら、歴史が古すぎるがゆえ、そのルーツははっきりしていません。ある説では、ターキッシュアンゴラとペルシャ土着の猫を交配させてできたともいわれていますし、アジアではなく西ヨーロッパで誕生した可能性を指摘する学者もいます。
そんなペルシャは、1871年にイギリス・ロンドンで開催された世界初のキャットショーに出場し、豪華で麗しい被毛が話題になったという記録が残っています。
ペルシャの特徴
ペルシャの特徴といえば、まずは全身を覆うふさふさとした豊かなロングヘアーです。体格的には、短い足、大きく丸い金銅色の目、低い鼻、離れた耳が特徴です。カラダは短いですが、しっかり筋肉がついています。標準的な体重は、3~5.5kg程度です。
ペルシャは、毛色の種類が非常に多いのも特徴的です。チンチラやヒマラヤンといった猫を品種の名前だと思っている人もいるかもしれませんが、じつはどちらもペルシャの毛色の呼び名です(ヒマラヤンは独立した品種として扱われていたこともありました)。
ティッピングといって、毛の先端部と根元の色が異なる毛色があり、毛先だけに色がついているタイプのものを「チンチラ」といいます。全体は白く、耳、口元、脚、尾に濃い毛色があるポイントカラーの毛色を「ヒマラヤン」といいます。
ペルシャの性格と上手な付き合い
ペルシャは穏やかな性格で落ち着いています。飼い主との距離の取り方も絶妙で、上品という言葉がピッタリの猫です。大きな声で鳴くことはまれで、部屋を走り回ることも少ないことから、まさに「猫界の王様」というニックネームがピッタリの振る舞いをする猫です。
甘えすぎることもなく、神経質でもありません。また、わがままも少ない方ですが、子どもに撫でられるまではOKでも、一緒に遊ぶことを拒否することはあります。
足が短いので、あまり高い場所には行きたがりません。大きな声で鳴くことも少ないので、どこにいるのかわからなくなるくらい静かに生活しています。ゆったりするのが好きなので、興奮はあまりしません。
ひとりでいることを苦にしないので、留守番を任せられる猫です。しかも、飼い主のことはしっかり認識している賢さも持ち合わせています。
ペルシャと長く快適に暮らすためのヒント
ペルシャはロングヘアを持つ猫の中でも、とくに多くの毛を持っています。ダブルコートの被毛は、トップコートもアンダーコートもたくさん生えていますので、毎日ブラッシングまたはコーミングをしてあげるのが理想的です。このたくさんの被毛を放置してしまうと、毛玉ができて皮膚炎になったり、毛づくろい中に毛玉を飲み込んで毛球症を起こしたりすることがあります。
ペルシャは大変落ち着いているので、運動量が少なくなりがちです。そのため、体型の維持には、食事の管理が重要になります。また、尿石ができやすいので、日頃から水をたくさん飲ませるようにしましょう。
また、ペルシャがかかりやすい病気としては、眼瞼内反症・流涙症といった目の病気や、皮膚糸状菌症・脂漏性皮膚炎などの皮膚の病気、肥大型心筋症のような心臓病などがあります。
純血種にはどうしてもその品種にかかりやすい病気というものが存在しますが、早期発見を心がけ、健康で長く一緒にいられるようにしたいですね。
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