Shi-Ba
キミがいてボクがいる My Dog! My Style!

キミがいてボクがいる My Dog! My Style!

(Shi-Ba 2018年1月号 Vol.98より)

  • サムネイル: Shi-Ba編集部
  • 更新日:

Style 1 散歩好きな愛犬が ご主人のリハビリにひと役【実重智さん、恵子さん&幸一郎】

島根県の郊外にある実重さん宅。古い土蔵や和風の母屋が、田園の背景にはよく似合う。敷地の中へ入ってゆくと、裏庭に繋がれていた幸一郎(オス・2歳)が、我々に気づいて吠えだした。近寄るとさらに騒々しく吠えたてる。が、怒ってるわけではないようで……。さらに近寄ると、手足をバタつかせて大歓迎の意を示してくる。人懐こい。
「コーちゃんは、誰にでもすぐ懐いちゃって。でも、吠えることは吠えるから、一応番犬にゃなるかな」

実重智さん、恵子さん&幸一郎

冬は犬にとって快適なので、散歩に出かけるのが楽しくなる季節だ。飼い主さんもコタツばかり入ってないで、愛犬と Let's walking!! その元気を少し分けてもらおう。

ご主人の智さんがそう言って笑う。血統書名をとって「幸一郎」と名付けたのだが、それでは呼びづらいから“コーちゃん”と呼ばれている。まだ2歳のヤンチャ盛り、時々いたずらして飼い主の手を焼かせたりもするのだが、それでもかわいい。
「4年前まで飼っていた犬が17歳で逝ってしまったんです。犬がいないと寂しいなとは思いましたが、また飼うという気にはなれませんでした」

家の近くにある公園。コーちゃんがお気に入りの場所で、朝夕には犬友達も集まってくる。

家の近くにある公園。コーちゃんがお気に入りの場所で、朝夕には犬友達も集まってくる。

犬の寿命は人より短い。飼えば必ず悲しい別れはやってくる。犬がいれば楽しいだろうとは思いつつ、それを考えると飼うことを躊躇してしまう。また、犬が死んだ翌年には、実重さんが河原に転落して頚椎骨折の大怪我を追ってしまう。1年ほど車椅子の生活だったというから、犬を飼おうなんて気にもなれなかった。また、同時期には実重さんの母が他界し、さらに同居していた息子夫婦が近所に家を建てて独立して、数年は家の中もいろいろと慌ただしかった。
「やっと落ち着いた感じになると、今まで母さんや息子たちがいて賑やかだった家の中が、なんだか寂しいんですよ」

公園にある滑り台も大好き。気分が乗れば滑って遊ぶというが、この日は駆け下るだけ。でも、急斜面にはビビらない度胸は、やっぱ男のコだねぇって感じ。

公園にある滑り台も大好き。気分が乗れば滑って遊ぶというが、この日は駆け下るだけ。でも、急斜面にはビビらない度胸は、やっぱ男のコだねぇって感じ。

広い家の中に夫妻2人だけ。その寂しさから、犬を飼おうかという気になってきたのだ。奥さんの恵子さんも大の犬好きだけに異論はない。そして縁あってコーちゃんが実重家に迎えられたわけだ。
「また犬を飼って良かった。家の中は明るくなったし、思わぬ恩恵もありました。怪我をしてから足腰が不調であまり外出しなくなっていたのですが、犬を飼ったら散歩しないわけにはいかない。コーちゃんが来てからは、毎朝一緒に散歩するようになって、それからは体のほうもみるみる回復していったんですよ」

散歩中のオヤツも楽しみっす。

散歩中のオヤツも楽しみっす。

コーちゃんは散歩が大好き。30分以上歩いても物足りず、もっと歩くことを要求してくる。最初は実重さんもしょうがなく付き合っていたが、いつしかそれが楽しい日課となってゆく。最近はコーちゃんを車に乗せて遠出することも。
「うちから車で30~40分も走れば、大山山麓の大きなドッグランがあるんです。コーちゃんを一度連れて行ったら、すごく気に入ったようで大はしゃぎ。また、行きたいですねぇ」

コーちゃんは山陰地方の地犬の血を受け継ぐ山陰柴犬。昔ながらの素朴な雰囲気が、実重さんの好みにもピッタリだったという。

コーちゃんは山陰地方の地犬の血を受け継ぐ山陰柴犬。昔ながらの素朴な雰囲気が、実重さんの好みにもピッタリだったという。

コーちゃんと暮らすようになってから、行動範囲も広がり生活にも楽しい変化が出てきたという。

コーちゃんが考える実重家の序列

コーちゃんが考える実重家の序列


大好きな散歩を主に担当するのが智さんなだけに、好きなことしてくれる人が1番好きだしエライって犬判断?
冬の雪降る寒い朝も早朝からの散歩は欠かさない。そこから強い絆と信頼関係ができあがったようで。ゴハンをくれる奥さんの恵子さんにも、ちょっと調子に乗った態度をとる時はあるけど、基本的には指示には素直に従うという。

How to keep【コーちゃんの場合】

大好きな野菜を食べて快食快便の健康優良児

智さんの趣味は家庭菜園。丹精込めて育てた野菜はコーちゃんの好物でもある。特にトマトが大好きで豪快に丸かじり。いろいろな野菜を作っているので、季節ごとに旬の味も楽しめる!?

甘噛み癖を矯正するため訓練士から技を伝授され

甘噛み癖があり、それを直すため警察犬訓練士の指導を仰いだという。甘噛みを始めたら即座にアゴをポンと押す技を伝授されたが、強くやり過ぎてはダメなので力加減が難しいのだとか。

柴犬なのに……お風呂も大好き

最初はお風呂を嫌がっていたけど、何度か洗ってもらううち大好きになった。キレイになると自分でも気持ち良いよう。また、暑い夏場などは、自ら率先してシャワーを浴びるという。

1日2度の歯磨きは紳士な犬のエチケット?

朝の散歩に出掛ける前は、必ず歯ブラシで丹念に歯を磨いてもらう。また、夕食後にも歯磨きしてるので、歯はいつもピカピカに輝いている。やっぱり、芸能人と犬は歯が命?

Text:Makoto Aoyama
Photos:Michio Izumita

Style 2 家族みんな、幸せにな〜れ! それが、ボクの願い!! 【近藤 文さん&空雅】

笑顔全開でシッポをブンブンに振って、本誌取材スタッフを大歓迎してくれた空雅(オス・6歳)は、人を思わず笑顔にしてしまう魅力を湛えている。
「人懐っこくて、誰に対してもわけ隔てなく愛想がいいんです。世の中の人たちはみんな友達だと思っているのかも……」と、飼い主の近藤文さんはニッコリ。

人懐っこくて、誰にでも愛嬌を振りまき、時には駄々っ子に変身する甘えん坊の空雅は家族みんなを笑顔にしてくれる太陽みたいな存在なのだ。

人懐っこくて、誰にでも愛嬌を振りまき、時には駄々っ子に変身する甘えん坊の空雅は家族みんなを笑顔にしてくれる太陽みたいな存在なのだ。

生後4ヶ月で愛知県にお住いの近藤さんご一家に迎えられた空雅は、優しく、穏やかで、いたずらや無駄吠えもなく手がかからない優等生だったとか。
「おとなしくて、ちょっと臆病ですが、嫌なことはイヤとはっきり主張する一面もあり、わかりやすくて、育てやすかったですね」と、文さん。

実は、近藤さんご一家には先代犬のオスのゴールデン・リトリーバーがいたが13歳で亡くなってしまった。その後しばらくの間、犬を飼う気分にはなれなかったそう。しかし、黙って寄り添ってくれる犬の温もりが恋しくて、何気なくペットショップを覗いた文さん。
「抱っこした途端、家族にしてください! と子犬の目が訴えていて、それで即決してしまいました」

甘えん坊の空雅はお母さんと家の中でまったり過ごすのが一番好き!

甘えん坊の空雅はお母さんと家の中でまったり過ごすのが一番好き!

もちろん、家族みんなも大賛成。近藤さんご一家の日常は小さな空雅を中心に賑やかな毎日に変化していった。天真爛漫でのびのび育った空雅は、家族みんなのそれぞれの状況や気持ちをよく把握し、受け止めてくれるように成長していったそう。
「私がちょっと落ち込んでいたり、疲れていると、空雅は敏感に察知して、ジッと見つめてくれたり、そばに寄り添ってくれたりして慰められました。空雅に話しかけるだけで元気になれるんです」と、文さん。

床の間が設えられた純和風の広い玄関ホールは空雅の遊び場でもある。

床の間が設えられた純和風の広い玄関ホールは空雅の遊び場でもある。

現在、ご主人の政弘さんは病気療養中で入院しているのだが、空雅はお父さんが家にいないことを心配して、普段は上がらない2階に上がって行き、政弘さんの所在を確認することが度々あるとか。空雅、心配しないで。あと少しで大好きなお父さんが帰って来るよ! それにしても家族のちょっとした変化を受け止めるなんて、空雅は立派な家族の一員だ。

ただ、家族にとって救世主のような空雅にも怖いものがある。それは打ち上げ花火。大きな音に驚き震え上がってしまうのだ。「お母さん、どこにも行かないで!!」とばかりに抱っこの催促。

今日は朝から苦手な花火が打ち上げられ、ちょっと凹んで抱っこをねだる空雅なのです。「仕方ないなぁ」と言いながら文さんも何だかうれしそう。

今日は朝から苦手な花火が打ち上げられ、ちょっと凹んで抱っこをねだる空雅なのです。「仕方ないなぁ」と言いながら文さんも何だかうれしそう。

「ピタッとくっついて来て離れなくなります」と、文さんは苦笑いしつつもちょっとうれしそう。
「愛情をかけたら、空雅はその分、忠実に、誠実に返してくれるんですよね。犬ってすごいなとつくづく思います。本当に感謝しています」と、文さん。

花火が怖い~、雨は嫌い~。とイヤイヤ犬に変身した空雅。地面にも下りず、歩かず……。その駄々っ子ぶりがかわいすぎます。

花火が怖い~、雨は嫌い~。とイヤイヤ犬に変身した空雅。地面にも下りず、歩かず……。その駄々っ子ぶりがかわいすぎます。

家族の小さなすれ違いを埋め、心配事の種をそっと摘み取ってくれる空雅はいて当たり前。なくてはならないかけがえのない存在なのである。
「家族みんなで空雅と一緒に旅行に行きたい!」というのが今の夢。空雅はきっとその日を心待ちにしているに違いない。

空雅が考える近藤家の序列

空雅が考える近藤家の序列


いつも一緒にいてくれて超甘い文さんが1番。2番はお世話をしてくれる優しいおばあちゃんの伊鈴さん。3番は休日に長い散歩に連れて行ってくれる政弘さん。4番は長女の由紀乃さん。大学の勉強やアルバイトで忙しく、あんまり遊べない。空雅はたまには一緒に遊びたいと思っているらしい。家族みんなの愛情を一身に受けている空雅は末っ子的存在だから一番下!?

How to keep【空雅の場合】

シーチキンのトッピング、忘れないでね!

1日2回、フードにツナ缶を混ぜて与えているがトッピングがない時は食が進まない。オヤツは基本的には与えていないが、たまにクッキーをあげると、ヨダレが半端ないらしい。

散歩は1日3回 雨の日は渋々出発……

朝は30分、夕方は30分~ 1時間、夜は15分の散歩が日課。苦手な雨の日は合羽も着せられて気分は一気にブルーに。帰宅すると家の中を一心不乱に猛ダッシュして気分転換を図るとか。

オモチャ選びは得意なんだよ!

ボール遊びが大好きな空雅だが、その日の気分で赤いボールや黄色のぬいぐるみなど遊ぶオモチャをいろいろセレクトするとか。その日に選んだオモチャ以外は見向きもしないこだわり派!?

シャンプーはプロにお任せしてます!

子犬の頃、家でシャンプーすると空雅は大暴れ。以来、1ヶ月に1回、トリミングサロンでお手入れしている。空雅は「お利口さん、柴ちゃん」と言われるほどサロンでも優等生なんだって。

Text:Masako Komuro
Photos:Minako Okuyama

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