猫びより
【猫びより】街中にたたずむ、猫の彫像【英国】(辰巳出版)

【猫びより】街中にたたずむ、猫の彫像【英国】(辰巳出版)

(猫びより 2018年7月号 Vol.100より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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ロンドンにはトラファルガー広場のライオン像、ネルソン提督、チャーチル首相、ピーターパンと実にさまざまな像があります。観光客にはあまり知られていませんが、猫の像もあります。

ひとつは観光スポット、セントポール大聖堂に近い路地の奥にあるホッジ(Hodge)の像。ホッジは、英語辞典を編纂したことや「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ」などの名言で知られる18世紀の文学者サミュエル・ジョンソン博士の愛猫でした。

辞典の上に座るホッジの前には、貝殻が置かれています

辞典の上に座るホッジの前には、貝殻が置かれています

この像にはホッジとともに貝殻も彫り込まれています。像のすぐそばにある博士の元住居は現在博物館になっています。

ホッジの像のご近所、HOOPS&GRAPESの看板猫ギネス

ホッジの像のご近所、HOOPS&GRAPESの看板猫ギネス

もうひとつの像は、ローカルエリアで地下鉄のアーチウェイという駅から3分ほどの通り沿いにあります。「ウィッティントンの猫」と呼ばれています。この猫が幸運をもたらしたという物語があります。

ウィッティントンを出世に導いたネズミ捕り名猫

ウィッティントンを出世に導いたネズミ捕り名猫

それは14世紀にさかのぼり、立身出世を夢見た孤児ディック・ウィッティントンが田舎からロンドンに出てきた時、唯一の相棒だったのがネズミ捕りの上手い猫。共に暮らしていた猫を後に貿易船に託すことになりますが、そこから運が開け、ウィッティントンはロンドン市長にまで上り詰めるという話で、英国人なら誰でも知っている昔ばなしなのだそうです。

ウィッティントンの話にまつわる看板も

ウィッティントンの話にまつわる看板も

ウィッティントンの名と、市長の在任期間が刻まれています

ウィッティントンの名と、市長の在任期間が刻まれています

話には諸説あるようですが、市長は実在の人物です。猫の像からさらに2分ほど歩くと、看板猫レッグズのいるパブ、シャーロット・デスパードがあります。観光ルートからちょっと外れて、猫の像を見ながら道草してみるのも楽しいかもしれません。

3本足のレッグズが暮らすCHARLOTTE DESPARDもあります

3本足のレッグズが暮らすCHARLOTTE DESPARDもあります

ホッジの像
Number 17 Goug h Square London, England, EC4A 3DE

ウィッティントンの猫の像
Highgate Hill, Islington, London N19,UK

取材・石井理恵子

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