現役会社員の安村正也さんが、念願の猫本専門書店「キャッツ ミャウ ブックス」をオープンしたのは2017年の夏。店主の自宅兼店舗のこちらのお店では、キジトラの読太(よんた)ちゃん(2歳♀)と鈴ちゃん(2歳♀)、キジ白のチョボ六ちゃん(3歳♀)、黒猫のさつきちゃん(3歳♀)が、猫店員として接客にあたっています。
店主の正也さん、さつきちゃん(左)に鈴ちゃん
現在は正也さんの長年の相棒の三郎君(16歳♂)はお店には出ていないものの、上の自宅から店長として若い猫店員たちに目を光らせているとか。こちらでは新刊と古本の両方を扱っており、正也さんがセレクトした猫本がずらりと並び、タイトルや表紙、あるいは本の中に猫が登場するなど、お客様に〝猫探し〟を楽しんでもらえるようになっているとのこと。
賢くてしっかり者のチョボ六ちゃん
お店を始めたきっかけは「もともと本と猫とビールが大好きだったから」とさらりと答える正也さん。じつは彼には「いまだ殺処分がなくならず、弱い立場にある猫たちを少しでも救いたい」という思いと、出版不況と言われて久しい現在、次々と閉店していく〝街の本屋さん〟の現状にも心を痛めており、猫同様「本屋さんを救いたい」という深い思いがあった様子。
ずらりと並ぶ猫本は圧巻!
猫店員4匹は保護猫で、猫エイズキャリアの〝りんご猫〟だといいます。エイズキャリアとはいうものの、実際に感染力は弱く人への感染もなく、キャリアであっても生涯発症しない猫も多いにもかかわらず、なかなか譲渡される機会が少ないという現実。
さつきちゃんはねこハウスをつぶして使用中
保護猫や猫エイズに対する人々の理解を深める場も提供したいと考える正也さんは、「保護猫の里親になることで猫を助け、逆に4匹には猫店員として本屋に協力してもらうことで、お互い助け合えたらいいなと思うんです」と語ります。
読太ちゃんは売り物ではありません
そしてついに『夢の猫本屋ができるまで』という本まで出してしまった正也さんの、猫&本への愛はますます深まるばかりです。
夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books
キャッツ ミャウ ブックス
東京都世田谷区若林1-6-15
TEL 03-6326-3633
営業時間/14:00~22:00
定休日/ 火曜
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Twitter:@CatsMeowBooks
取材・平野敦子