犬のケージ飼いの「メリット・デメリット」&ストレスを溜めないポイントとは?
犬を家族の一員として迎えるとき、まずはケージの中で飼うことがおすすめです。特に子犬は、はじめての空間において、自分だけのスペースがあることで安心感を抱くものです。「愛犬をケージに閉じ込めるのはかわいそう」だと感じるかもしれませんね。
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しかし、飼い主さんにとっても犬にとっても、最初が肝心!
一緒に生活していく上で、ケージに慣れることは不可欠と言えるのです。
そこで今回は、ケージの使い方とそのメリット、そして愛犬がストレスなくケージに慣れる方法をお伝えします。
まずは確認!「ケージ」「サークル」どっちがいいの?
「ケージ」とは、天井から床までが全て柵で覆われているタイプの囲いをいいます。
「サークル」とは、四方を柵で囲われているタイプのことです。
子犬の場合はトイレシーツを交換する回数が多いので、お手入れがラクな「サークル」の方が便利と言えるでしょう。
ただ、柵を飛び越えて外に出たがる元気な犬の場合は、ケージを使用したほうがよいかもしれません。
ケージのサイズ選びは「犬にとって安心できる大きさかどうか」が重要。
余裕でUターンでき、中心部分でゆったりと伏せができる広さ、そして立っても天井に頭がつかないくらいのサイズが理想と言えるでしょう。
ケージ飼いのメリット・デメリット
お互いに快適な暮らしができるよう、ケージで犬を飼うことのメリット・デメリットを理解しておきましょう。
大切なのは、犬にとっての快適な場所を作ってあげること、ストレスをためないことです。
ケージ飼いの「3つのメリット」
メリット①くつろぐ場所を作ることができる
犬は「穴倉動物」にあたります。穴倉動物とは、穴を掘って巣を作り、その巣で休む特性を持っている動物です。
その巣の代わりとなるのが、ケージやサークル。
いつでもくつろげる自分だけの場所が確保できるのは、犬にとってとても大切です。
メリット②危険から守る
家事で手が離せないときなど、ケージに入れることで部屋の中の危険なモノに近づかせない・また誤飲などを防ぐことができます。
小さい子供がいる場合は、むやみに犬を叩いたりイタズラをしないよう防ぐこともできるので、犬にストレスを与えずに済むでしょう。
メリット③慣れることで日常生活のストレスを軽減
犬を連れて自動車で旅行に出かける際、動物病院への移動、突然の来客があったときなど、ケージに慣れていればストレスなく過ごしてくれます。
また、災害時など小さなハウスに入れる必要がある場合は、吠えずにおとなしくしてくれると助かりますね。
また、ケージを使うことで飼い主と犬が常に一緒ではなく、時にはそれぞれの時間を過ごすという習慣がつくので、犬自身の自立精神を養い、分離不安などを防ぐこともできるでしょう。
デメリットはある?
ケージ(サークル)が犬にとって苦痛となる要素には「暇」を感じてしまうことが挙げられます。
また、犬は自分の縄張りを歩き回りパトロールする習性があるため、自由に歩きまわれないのはストレスとなるでしょう。
このことからも、ケージは犬の大きさに合わせた適度な広さを持たせることが重要といえます。
動き回るスペースを十分に取れない場合は、ケージ(サークル)を適切に使えていないということになります。
また、トイレトレーニングができていない場合、ケージ内が頻繁に汚れてしまうことがあります。
排泄物をそのままにしておくと衛生的にも良くないばかりか、食糞してしまうおそれも出てくるので、素早くお掃除する必要が出てきます。
ケージ飼いでストレスを溜めない、3つの気配り
ケージの中で愛犬に快適に過ごしてもらうため、飼い主さんに心がけてもらいたい3つのポイントをお伝えします。
「家族の温かみ」を感じる場所にケージを設置
犬は群れをなして暮らす動物なので、人気を感じないと不安になります。
さみしいと吠え続けたり、落ち着きのない行動をとり始めることも出てくるでしょう。
ケージを置く場所は、リビングなど、できるだけ家族が集まる場所を選んであげましょう。
また、犬の様子がよく見えるところに設置するのも大切です。
ただ、テレビの音など騒がしい場所ではストレスとなるので気をつけましょう。
室温管理ができる場所に
暑さや寒さ対策にも気配りが必要です。
犬は暑さが苦手なので、夏は風通しのよい場所を選んであげてください。
冬は温かな場所を選ぶのが大切ですが、直射日光が差すと暑すぎることもあるので要注意。
ケージ内では逃げ場がないので、熱中症や脱水を起こしかねません。
エアコンを使用する場合は、28度くらいの設定を心がけましょう。
綺麗好きな犬のために、清潔な環境を
「いつでも飲めるように」と、水を入れた器をケージの中に入れっぱなしにしないようにしましょう。
うっかりひっくり返して、トイレシーツが水浸しになるおそれも考えられるからです。
そうすると当然犬も濡れてしまうこととなり、飼い主さんが不在の場合は不衛生な状態が続くことになります。
ウォーターボトルなどをケージにセットしてあげるのがベストです。
難しくない!ケージ飼いの際の「トイレトレーニング」
トイレトレーニングは、子犬を迎えたその日から始めましょう。
ケージ飼いのほうが、トイレトレーニングはしやすいので便利です。
では、ケージでのトイレトレーニングのポイントについてふれてみましょう。
排泄の場所は自分で決めさせるのが◎
犬は本来、一箇所で排泄する習性がないため、まずは犬に自由に排泄させるところから始めます。
最初は、ケージ全体にペットシーツを敷きましょう。
そして中央にダンボールで仕切り立て、左右のスペースを作ります。
仕切りはダンボールや板などを使い、飛び越えられる高さにするのがコツ。
1週間ほど様子を見て、排泄頻度の高い方にペットシーツ、反対の方に餌やおもちゃを置いて区別をつけてあげましょう。
こうすることで、排泄場所を犬自身に決めさせることになります。
ペットシーツのほうに排泄ができたら、その場ですぐに「グッド!」などと声をかけて褒めましょう。
成功体験をさせ、褒めることを繰り返すのが重要です。
ケージ飼いでトイレトレーニングする際のポイント
1.一週間ずつ様子を見ながら。
排泄場所を決めたら、1週間ほど観察し自由にさせてみましょう。
犬が排泄しやすいタイミングは、食事や水を飲んだ後、寝起き、運動のあとなどです。
そのタイミングを見逃さないようにし、じっと見つめたりせずさりげなく見守るのがポイント。
失敗をしても、騒いだり怒ったりしないよう心がけましょう。
2.もよおしている感じがしたら、トイレスペースに移動させる
トイレに行きたいとき、犬はくるくる回ったり、床の匂いを嗅ぐなど、何らかのサインを出していることがあります。
そのサインを感じ取ったら、排泄場所で排泄するかどうかを見守りましょう。
違う場所で粗相しそうになったら「ケージの扉を開けて」トイレスペースへ誘導しましょう。
ケージの左右を仕切る板をまたがせるのではなく、扉を開けて移動させるのがポイント。
いずれケージから出して生活させるようになったとき、トイレスペースを認識しやすくなります。
3.排泄物はすぐに片付けましょう
犬は綺麗好きなので、排泄物はすぐに片付けるよう心がけましょう。
片付けていない場合、トイレスペースではない場所で排泄してしまうようになります。
これは、排泄場所を覚えてくれないことにもつながるので要注意です。
また、そのままにしておくと食糞してしまうおそれもあります。
排泄の度にシートを新しくしましょう。
4.ケージのなかに慣れてきたら、少しずつ出してあげましょう
ケージの外に出しても、はじめは数十センチほどの場所までにしましょう。
愛情を持って体を優しく撫でつつ、勝手なところへ行かないよう注意します。
そのうちトイレに行きたいサインが出たら、ケージの扉を開けて自分から入るように誘導することが大切。
上手にトイレが出来たらしっかり褒めることを繰り返し、徐々に行動範囲を広げてあげましょう。
まとめ
ケージという新しい環境に慣れるまで、犬が「外に出たい」とアピールすることもありますが、ぐっと我慢しましょう。
もしそこで出してしまうと、狭い場所に閉じ込められた際必ず鳴くようになってしまいます。
ケージに慣れることで「愛犬のためになるのだ」と考え、しっかりトレーニングしてあげましょう。
コンテンツ提供元:愛犬と行きたい上質なおでかけを紹介するWEBマガジン Pally