粗相をする愛犬を正しくしつけるコツとは?粗相の「原因」を見極めよう
家に迎えてからなかなかトイレを覚えてくれなかったり、覚えたと思っても粗相を繰り返してしまう......。そんな困った経験をしていませんか?今回は、しつけの基本である「トイレトレーニング」の方法や、粗相をする「原因」そして正しい接し方についてご紹介します。
- 更新日:
しつけの基本!トイレトレーニング
トイレトレーニングを始める際には「適切なトイレの場所」を決めることが大切です。
犬が落ち着いて排泄できる場所を選ぶのがポイントとなります。
子犬か成犬かによってもことなるため、ここからはケースごとに説明していきましょう。
ケージ・サークル飼いの子犬のトイレトレーニング
子犬を迎えたら、最初のうちはケージの中で生活させましょう。
窮屈そうに感じるかもしれませんが、本来、犬は穴で暮らす動物。
いつでもくつろげる自分だけの場所があることで、安心感を覚えます。
トイレトレーニングも、ケージのなかで始めていきましょう。
1.ケージの中央をダンボールや板で仕切り、左右両方にペットシーツを敷きます。
仕切りは、犬が飛び越えられるくらいの高さにしましょう。
左右の部屋の行き来を自由にさせることで、愛犬自身にトイレスペースを決めさせることがポイントです。
2.しばらく観察していると、左右の部屋のうち、愛犬がよく排泄するほうの割合がわかってきます。
排泄に使う頻度が高い方をトイレ、低い方には餌や遊び道具を置いて区別してあげましょう。
3.トイレと決めた場所に排泄した場合は、しっかりとほめてあげましょう。
「決められた場所で排泄する=いいこと」と犬に覚えさせることが大切です。
失敗した場合でも怒ったりせず、気長に見守りましょう。
4.トイレの場所を覚えたら、トイレスペースにのみペットシーツを置きます。
排泄したら、その都度取り替えてあげましょう。
トイレの場所を意識させるために、排泄物をあえてしばらく放置するのはNG。
犬はきれい好きなので、排泄物が放置されているとトイレを我慢してしまうことがあります。
せっかく覚えたのにトイレスペースでないほうに排泄してしまっては、愛犬の混乱を招きます。
見つけたら素早く片付けてあげましょう。
成犬のトイレトレーニング
大きくなってから引き取った犬など、成犬にトイレトレーニングをする機会もあるかもしれません。
子犬にトイレを身につけさせるのは「育てる」という感覚、成犬の場合は「教える」という感覚で、根気よく教えるのがポイントです。
そもそも犬は「決まった場所でトイレをする」という習性がない動物。
飼い犬として、飼い主さんが気長に教えることが肝心です。
1.トイレは静かな場所を選んで囲い、トイレシーツを置きましょう。
はじめは広めにトイレシーツを敷き詰め、そのなかでもおおよそ場所が決まれば枚数を減らし、スペースを狭くしていきます。
2.犬がもよおした際の「くるくる回る」「床のにおいを嗅ぐ」などといったサインを見逃さないようにしましょう。
また、いつもトイレするタイミングをチェックしておくのもミソ。
食事の後、目覚め後、お散歩の後などにトイレタイミングとなるケースが多いようです。
そのようなタイミングやサインが見られたら、最初は、飼い主さんが愛犬をトイレシーツの場所まで連れていき排泄させましょう。
3.トイレシーツ以外の場所で排泄した場合は、臭いがなくなるまでしっかりと処理します。
粗相をしても叱らないようにしましょう。
叱ることで、ほかの場所に隠れて排泄するようになりかねません。
困った表情をつくって、場所を間違えていることを教えてあげるのがポイントです。
4.トイレシーツの上で排泄できたときは、その場ですぐにしっかりと褒めてあげましょう。
成犬の場合も「決められた場所で排泄=褒めてもらえる」と覚えさせることが大切です。
なかなかトイレでしてくれない「原因」は?
根気よく教えても、なかなかトイレを覚えてくれないこともあります。
また、トイレスペースをしっかりと覚えたはずなのに、なぜか粗相してしまう場合も。
それには、次のような「理由」があるのかもしれません。
「さみしいな」「不安だよ」......愛犬からのサインかも
言葉を話せない犬は、行動で感情を表します。
「トイレ以外の場所での排泄」といった行動にも、飼い主さんに伝えたい感情が隠れている場合があります。
粗相の原因である愛犬の「感情」を汲み取り、受け止めてあげることで、粗相を解決することができるかもしれません。
1.「落ち着かない環境」による粗相
引っ越しで家の様子が変わったり、赤ちゃんがうまれて家族が増えたりなど、これまでと生活環境が変わったことによる不安が原因となる場合があります。
また、エアコンの風が気になったり、犬にとって苦手な音がするモノ(カーテンなど)がトイレの近くにあるだけでも、定位置で排泄しなくなることがあります。
2.「分離不安症」の可能性
信頼している人と会えない状態が続くと、異常に不安を感じ粗相することがあります。
飼い主さんとの信頼関係が強ければ強いほど、不在に耐えられないのです。
飼い主さんの長い外出や、ほかの部屋にいるときなど、見ていないときに粗相をすることが多いなら、分離不安症である可能性が考えられます。
粗相は、身体の変化や不調のサインであることも
犬が高齢になることにより、トイレの失敗の回数が増えることもあります。
人間も同じですが、老化とともに犬の膀胱は小さくなり、たくさんのおしっこをためることが難しくなります。
加齢による認知症などで、脳から体への伝達がうまくいかず粗相してしまうことも。
また、意識せずにおしっこをしてしまう「尿失禁」という症状もあります。
ホルモンや神経系の要因により、膀胱機能が低下することが原因になるようです。
さらに、避妊手術後のオス犬にも粗相の習慣が見られる場合も。
手術後数年で発症することもあると言われています。
以下をチェックし、愛犬のトイレ習慣に乱れがないかどうか確認しましょう。
●犬が居た場所や歩いたあとの床が濡れている
●排泄体制になっていないのにおしっこをしてしまう
●陰部がいつも濡れている
このような症状を頻繁に確認したら、動物病院で相談してみましょう。
トイレのしつけの際のタブー4選!信頼関係を保ったしつけを
愛犬の粗相が続く原因として、しつけの際の「タブーな行動」が関係しているかもしれません。
人間の何気ない言動が、犬にとってはストレスとなる場合もあります。
次のような対応をしてしまっていないかどうか、チェックしてみましょう。
粗相した場所の臭いを嗅がせる
トイレ以外で排泄したとき、その場所に連れていき臭いを嗅がせて叱っても意味がありません。
「排泄そのものを叱られた」と勘違いし、飼い主さんの目の届かないところでトイレをするようになります。
叱られることを怖がって、排泄を我慢するようになることもあるので要注意です。
トイレに連れていく
「ここでトイレしなさい」と無理矢理連れていっても、怖がるばかりで「排泄する場所」と理解できません。
それどころか、トイレがある場所を「怒られる場所」と覚えるように。
トイレがとても嫌な場所になるので逆効果です。
叩いてしつける
「叩く」という行為は、痛みによる身体的苦痛を与えてしまうだけであり、人間に対しての不信感や恐怖心を植え付けることになります。
言葉を理解できない犬にとってフェアではない行為なので、絶対にやめましょう。
顔を直視して叱る
顔を近づけて睨みながら強い口調で叱るのは、犬にとっては恐怖でしかありません。
大好きだった飼い主さんが怖い存在となり、人間不信となります。
言葉もわからないので、何について怒っているかもわかりません。
どうしたらよいのかパニックになり、結局粗相が治ることには繋がらないでしょう。
飼い主さんが話している(叱っている)最中に犬が目をそらすのは、飼い主さんとの主従関係を理解している行為であり、決して反抗的な態度ではありません。
顔を向き直させて叱り続けるのは、信頼関係を壊すことになるのでやめましょう。
まとめ
犬が粗相をしてしまう原因は、環境の問題や落ち着かない・かまってほしいといった精神的な理由、また老化や病気などの身体的理由までさまざまです。
粗相を防ぐには、原因に合った対処法を選ぶのがポイント。
そうすることで、効率的なトイレトレーニングをおこなうことができます。
叱ることよりも褒めることを心がけながら、根気よくトイレトレーニングをしてみましょう。
コンテンツ提供元:愛犬と行きたい上質なおでかけを紹介するWEBマガジン Pally