犬が吠えるのは環境や飼い主の行動にあった!?

犬が吠えるのは環境や飼い主の行動にあった!?

犬の「吠え」は問題とされる行動の一つで、飼い主さんだけでなく近所の人にも影響を与えてしまいます。「尻尾を振っているのに吠える」「夜寝ている時に吠えてうるさい」など、愛犬であっても何故吠えているのかがわからないという方向けに、ここで犬が吠える理由としつけ方について紹介します。

  • サムネイル: PECO編集部
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その行動、実は吠えることを教えている!?

その行動、実は吠えることを教えている!?


出典 1139291456/ Shutterstock.com

犬が吠えてしまうのには必ず理由があります。

そして「吠えが増してしまう」というのは吠えることで犬にとって何らかの「メリット」があるからです。

犬にとって「吠える」という行動は遺伝子レベルで組み込まれた自然な行動です。

群れで暮らす習性のある犬にとって「吠える」「唸る」などの行動は仲間とのコミュニケーションツールの一つです。

時には仲間以外にも外敵や獲物となる他のものに対しても吠えたり唸ったりすることがあります。

しかし野生でいた頃と比べ、人と暮らすようになったことで吠える行動は確実に増えます。

「暮らす環境」も理由の一つですがそれだけではありません。

人は吠えている犬に対して、吠えている原因を考え、吠えを止めさせるために何かしらの行動を起こしたりします。

実はこれこそが犬が吠えてしまう原因なのです。

【あなたならどんな対応をしますか?】

シーン:ケージの中にいる犬が吠えています

対応:「ケージから出してあげる」「おもちゃ・おやつをあげる」「そばにいって声をかける」

実は3つどれも犬に吠えることを教えてしまう行動です。

この場合犬が吠えている本当の理由はわかりませんが、どれも犬にとってメリットです。

そのため飼い主さんの何気ない行動が知らず知らずのうちに吠えを教えてしまっているのです。

【なぜ吠えるようになったと思いますか?】

シーン:宅配のお兄さんや新聞配達員が来ると吠える

原因:ピンポンの音に驚いている?

実は驚いているのではなく警戒して吠えているのです。

先程の「ケージの中の犬」と比べると一見犬にとってのメリットは無いように感じますがちゃんとあります。

犬の目線で見てみるとわかりやすいですが、自分の家(テリトリー)に知らない人が来たら多くの犬は警戒します。

そして「ここは僕の家だ!入ってくるな!」と吠えます。

すると宅配のお兄さんや新聞配達の人は帰って行くではありませんか。

犬にとっては「やってやったぜ!僕が吠えたら尻尾を巻いて逃げて行ったぞ」という、達成感につながっているかもしれません。

宅配のお兄さんも新聞配達の人も別に仕事が終わったから帰っただけで、吠えられて逃げたわけではありませんが、犬にしてみればそうなのです。

おやつやおもちゃなどの目に見えたご褒美ではなくても「威嚇して吠えた=いなくなった」ということも犬にとってメリットになります。

犬が吠える理由としつけ対策

犬が吠える理由はその時々で変わりますし、犬の性格によっても違います。

吠えは飼い主が知らないうちに気がつくと勝手に学習している行動でもあるので原因特定が難しいですが、「愛犬の性格」と「どんなときに吠えるのか」をよく観察し照らし合わせることで理由がわかってきます。

そして理由がわかれば対策も可能です。

反対になぜ吠えているのかわからないのに吠えをやめさせることは、余計に吠えを強化(増加)させてしまうことに繋がったり、犬に恐怖心を抱かせてしまいトラウマになることもあるので気をつけましょう。

①要求吠え

①要求吠え


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要求吠えも、飼い主さんが知らずに教えてしまうことが多い吠えの一つです。

・家族の食事中に吠える

・夜中や明け方寝ている時に吠える

・ケージの中で吠える

「少しだけ」と思って食卓の上からおすそ分けしたり、「トイレを我慢してるのかも」と心配になって寝ているのに起きて確認したり、「ケージから出して欲しいのかな」とケージから出してあげたり...。

全て愛犬のことを思っての行動ですが、時には「反応しない」ことも大切です。

・今は人が食べる時間。あなた(愛犬)はその後でね。

・今は寝る時間。また明日ね。

・今はおとなしくする時間。後でお散歩行こうね。

このように対策として犬に構わない時間を意識して作るといいでしょう。

ご飯やお散歩はできれば人の用事が終わった後がおすすめです。

犬にとって良いことはご褒美になるので「待ってればちゃんと良いことがある」ということを教えるのにピッタリです。

とはいえ、お留守番の前には運動させて疲れさせておくのも大事なことなので、その日の予定に合わせて優先順位を決めましょう。

②警戒吠え

②警戒吠え


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警戒吠えは、不安や恐怖を感じたときに出る吠えです。

知らない人が家に来る(近づいてくる)ことだけでなく、親しい人以外からじっと目を見つめられることも犬にとっては警戒すべき出来事です。

動物にとって目をじっと見つめる行為は敵意を向けられている(標的となっている)ことになります。

人間同士でも知らない人とはじっと目を合わせませんよね?これは無意識に「敵意はありませんよ」の合図なのです。

散歩中の犬など「かわいい」と思ってつい目で追ってしまいがちですが、警戒心の強い犬の場合には怖いと感じる行為でもあるので要注意です!

愛犬が警戒心の強い子の場合には、できる限り意識をそらしてあげましょう。

自宅で事前に来客があることがわかっているなら、玄関から遠い場所で過ごさせてあげたり、散歩中には吠える前から人が通りすぎるまで、声掛けやおやつで飼い主に注意を向けるなどが有効です。

③興奮吠え

③興奮吠え


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興奮吠えは嬉しい時にも怒っている時にもする吠えです。

中には「尻尾を振っているから喜んでいると思っていたのに触ろうとしたら噛まれた」という経験がある人もいるかもしれません。

犬が尻尾を振るのは嬉しいからではなく「興奮している時」です。

怒って吠えている場合には、速やかに怒りの原因を取り除いてあげることが大切です。

吠えの後にはいつ攻撃行動がでるかわかりません。

犬のサインを見逃さないようにしましょう。

嬉しくて吠えてしまう場合には落ち着かせてあげましょう。

例えば、飼い主さんが帰宅すると嬉しくて吠えてしまうのであれば、犬が落ち着くまでは目も合わせず声もかけず無視します。

大好きな飼い主さんが帰って来てくれたという嬉しい出来事に続いて、「ただいま~」となでたりすることはさらに犬を興奮させる要因です。

犬自身に落ち着くことを覚えてもらうためにも、「むやみに興奮させない」ようにしましょう。

犬が落ち着いたら穏やかな声と、ゆったりとした動きでコミュニケーションをとってあげてください。

まとめ

まとめ


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うるさいから「吠えるな」というのは人の都合です。

犬にとって吠えるという行動は意思表示の一つでもあります。

「吠えたらダメ」なのではなく、「吠えさせない工夫」を考えてあげましょう。

人間社会で暮らすうえでは最低限のしつけと、なにより飼い主さんが愛犬のことを理解し臨機応変に対処してあげられるかが大切で、望ましいことです。

しつけでつまずいたときには愛犬の気持ちになって考えてみるとわかることもあります。

そして、毎日触れ合ったり一緒に遊んだりする時間と落ち着く時間のメリハリをつけてあげることで、しつけもぐっと楽になると思います。

ライタープロフィール

ライタープロフィール


長根あかり Akari Nagane
・学歴:帝京科学大学 (生命環境学部 アニマルサイエンス学科)

・ライター歴:2年

・過去の執筆履歴:ペトこと 『楽しく教える犬のしつけ』『犬と寝るって幸せ』など

・飼っている犬種:雑種

「幼少期から動物が好きで将来は動物に携わる仕事がしたいと夢見ていた。

高校、大学と動植物について学び、大学2年の時に初めての犬に「保護犬」を迎える。

愛犬と共に行動学やアニマルセラピーについて学び、OPDES公認ドッグトレーナー資格、動物介在教育アドバイザー認定資格を取得。

現在は、自身の経験から保護犬についての相談や家庭犬のしつけ・トレーニングについてフリーで行っている。」

コンテンツ提供元:愛犬と行きたい上質なおでかけを紹介するWEBマガジン Pally

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