【ドッグトレーナー監修】子犬がトイレを覚えない…しつけ方は理屈がわかると簡単!?

【ドッグトレーナー監修】子犬がトイレを覚えない…しつけ方は理屈がわかると簡単!?

子犬を迎えてすぐ直面するのがトイレのしつけです。 「今までできていたのにできなくなった」「トイレの場所を覚えない」というのには、必ず理由があります。 理由を理解し、段階を踏んだしつけをすることで子犬はトイレの仕方を覚えます。 ここでは、子犬のトイレのしつけ方について解説します。

  • サムネイル: PECO編集部
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子犬のトイレのしつけ【環境作り】

子犬のトイレのしつけ【環境作り】


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子犬のトイレのしつけで大切なのが、失敗をさせないようにする「環境作り」です。
子犬の場合1日の排泄回数が10回前後と多く、我慢できる時間も「月齢+1時間程度」ととても短いです。

そのため、飼い主さんが見ていない時でも自由に排泄ができるようにケージの中にもトイレを作る必要があります。
また、犬はきれい好きで寝床とトイレを分けてしたがりますので、ケージの中にはトイレと寝床を離して用意してあげましょう。

寝床もただベットを置くよりもクレートを用意してその中にタオルや毛布などを敷いてあげるほうが、よりトイレと寝床を区別しやすくなります。

また、子犬のトイレで失敗が多くなるのはケージから子犬を出している際に、飼い主さんが目を離しているときです。
子犬から目を離すときは、少しの時間でも必ずケージに戻すようにして、排泄の失敗を防ぐように心がけましょう。

子犬のトイレのしつけ【失敗の原因・対策】

子犬のトイレのしつけ【失敗の原因・対策】


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子犬のトイレのしつけで最近よく耳にするのは、「ケージの中のトイレでは成功するけどケージから出すとトイレを失敗してしまう」という悩みです。

このような失敗が起こる原因の一つとして、ケージの外の部屋の環境が影響しています。
犬はオシッコなどの排泄物のニオイだけでなく、土や草のように柔らかい場所でも排泄しやすくなります。
そのため、カーペットや畳、足ふきマットなどは勘違いしやすく失敗しやすい場所になります。
これらの素材のものは、失敗してしまうとオシッコなどがしみ込んでしまいニオイが残りやすいため、同じ場所で繰り返し失敗しやすくなってしまいます。

まだトイレを覚える前の子犬を部屋で遊ばせるときには、カーペットや布製の素材のものは足元には敷かず、クッションマットやフロアマットなど、クッション性があり滑りにくく、表面が撥水加工されていて洗浄しやすいものを敷いてあげましょう。

子犬のトイレのしつけ【トイレ時間の予測】

子犬のトイレのしつけで重要になるのが、どれだけトイレの時間を予測して対策ができるかということです。
成犬と比べて我慢できる時間が短く排泄頻度も高い子犬の場合は「行動を制限する」「環境を整える」以外にもできることがあります。

排泄するタイミングを知る

排泄するタイミングを知る


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子犬の場合ある程度決まったタイミングで排泄します。
  1. ご飯や水を飲んだ後
  2. 運動(興奮)後
  3. 寝て起きた後
  4. おおよその決まった時間

1〜4のようにある程度、子犬の排泄しやすいタイミングというのは決まっていますので、食事の後はトイレに連れて行き排泄させるようにします。
ケージから出して犬と遊ぶ時も、子犬が排泄を済ませた後に遊ぶようにしましょう。
特に遊んでいる最中は興奮することで排泄しやすくなるので、遊びっぱなしにするのではなく、遊びの最中も何度かトイレに連れていくことで失敗を防ぐことができます。

また、犬は排泄する時に「地面のニオイを頻繁に嗅ぐ」「ソワソワと落ち着きがなくなる」といった行動を示します。
これも排泄のタイミングを知るポイントになるので、決まった時間ではなくても行動が見られたらトイレに連れて行ってあげましょう。

トイレの数を増やして練習する

「ケージの中のトイレでは成功するが、ケージの外では失敗してしまう」もう一つの理由として、トイレを場所で覚えてしまっていることも関係します。
犬に「トイレ=トイレシートのあるところ」と教えるには、普段とは違う場所でもトイレシートで排泄をする経験を増やすことが大切です。

子犬は初段階でトイレの場所で覚えるので、ケージから出たときに普段のトイレの場所を見失ってしまい、我慢できずに排泄を失敗してしまいます。
そのため、ケージから出して部屋の中で成功させるために、前述したような部屋の環境設定や飼い主の対応を心がけながら、ケージに近い場所、ケージから離れた場所など複数の場所にトイレを設置して成功率を高めてみましょう。
新しい場所で排泄をさせるときは、自分のニオイがある方が排泄しやすいので使用済みのシートを置いてみるのも一つの方法です。

子犬のトイレのしつけ【失敗した時の対処方法】

子犬のトイレのしつけ【失敗した時の対処方法】


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環境を整えて予防をしていても失敗してしまう時もあると思います。しかし、失敗しても犬を叱ってはいけません。
1歳ごろまでは体が未発達なため、犬の排泄のしつけは1歳ごろまではどうしても失敗をしてしまうことがあります。
個体によってもその進み具合は異なるので、失敗したからとあまり感情的にはならず、失敗ばかりに目を向けるのではなく、どれくらい成功する割合が増えてきたかに着目してあげてください。

たとえ「またこんなところでして!」「どうしてトイレじゃないところでするの」と思っても、犬からすると、「そこにニオイが残っていた」のかもしれませんし、「フカフカした踏み心地でトイレだと思った」のかもしれません。

犬は過ぎ去ってしまった出来事と今を関連付けて理解することは難しいので、失敗してしまった場所へ連れて行って叱ってもなぜ叱られているのかわかりません。
すると、排泄自体を我慢するようになったり、飼い主から見つかりにくい場所でしたりと、余計に失敗しやすくなってしまいます。

もしも、失敗してしまったときは叱らないだけでなく、「あー!またやってー」などの独り言で大きな声を出しただけでも、犬はびっくりしてしまい影響を受けてしまいます。
失敗している瞬間を見ても、一呼吸置いて慌てず騒がず冷静に片付けるようにしましょう。

子犬のトイレのしつけ【片付けのポイント】

子犬のトイレのしつけ【片付けのポイント】


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一度失敗してしまうと消臭スプレーをかけるだけでは完全にニオイを落とすことは難しくなってしまいます。
犬の嗅覚はその物質によって異なりますが、酢酸(お酢や人の汗のにおい)であれば人の1億倍、酪酸(腐敗したバターの匂い)であれば人の80万倍嗅ぎ分けることができます。
これは、人よりも1億倍や80万倍強く匂いを感じられるというわけではなく、人が嗅ぎ分けられる最小の量をさらに1億倍や80万倍に薄めても匂いをかぎ分けられるという能力です。

これだけの嗅覚をもっているため、失敗した場所の匂いを取り去るにはしっかり洗浄した後で消臭スプレーをするようにしましょう。
洗浄の仕方としては、食器用洗剤など界面活性剤という成分が含まれている洗浄効果があるものを使用し、磨いたりこすったりして洗浄した後よくふき取ります。
最近は、洗浄効果のある消臭スプレーも売っているのでそのような商品を選ぶのが良いでしょう。

カーペットや畳などは完全に洗浄することは難しいためニオイも残りやすく、トイレのしつけの面ではあまり望ましい床材とは言えません。
カーペットをはがすことができなければその上からフロアマットなどを敷く、畳の部屋にはトイレのしつけができるまでは入れないといった対処も重要になります。

子犬のトイレのしつけ【まとめ】

子犬のトイレのしつけができないのは、犬がトイレの場所を認識できていなかったり、失敗を繰り返してしまう環境設定や飼い主さんの対応が大きな要因です。

きちんと、子犬が排泄できる環境を整えるだけでなく、排泄のタイミングを記録して知ることで、トイレの失敗を予防し、しつけをスムーズにおこなえるようにしましょう。

監修者情報

監修者情報


鹿野 正顕(学術博士)
・学歴(大学・院、学部、専門分野)
麻布大学大学院 獣医学研究科 博士後期課程修了 
専攻:人と動物の関係学、犬の行動学

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ライタープロフィール

ライタープロフィール


長根あかり Akari Nagane
・学歴:帝京科学大学 (生命環境学部 アニマルサイエンス学科)

・ライター歴:2年

・過去の執筆履歴:ペトこと 『楽しく教える犬のしつけ』『犬と寝るって幸せ』など

・飼っている犬種:雑種

「幼少期から動物が好きで将来は動物に携わる仕事がしたいと夢見ていた。

高校、大学と動植物について学び、大学2年の時に初めての犬に「保護犬」を迎える。

愛犬と共に行動学やアニマルセラピーについて学び、OPDES公認ドッグトレーナー資格、動物介在教育アドバイザー認定資格を取得。

現在は、自身の経験から保護犬についての相談や家庭犬のしつけ・トレーニングについてフリーで行っている。」

コンテンツ提供元:愛犬と行きたい上質なおでかけを紹介するWEBマガジン Pally

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