ハンドラーとしてアメリカのドッグショーに挑戦!
初めてドッグショーを見たのは、トリマーの養成スクールに通っていた頃。ハンドリングしている女性ハンドラーを見て、なんてすてきなんだろうと、感動したことを覚えています。当時はハンドリングどころか、まだトリミングもままならない感じで、ドッグショーって何? 何を審査しているの? でもやってみたいなぁ……と漠然と思い、そしてそのまま卒業し、就職しました。
その後トリマーとして働きつつ、縁があってハンドラーとしてデビューすることに! しかしながら、緊張しやすいタイプの私は、家でできることがショーではなかなかできず、笑われたり、厳しくもすてきな助言をいただきながら、現在進行形で知識と技術を学んでいます。
ドッグショーは生き物が相手。犬たちにも人のように喜怒哀楽や、体調が悪いとき、気分が乗らないときがあり、思うようにリードができずに悩んだときもありました。そんなとき、私と一緒に頑張って山を乗り越えてくれたのが、愛犬のモーガン(スコティッシュ・テリア)です。
モーガンくんのブリーダーであるLori&Jeffrey Waite夫妻と記念撮影
実はテリア好きにはおなじみの「モントゴメリーテリアウィーク」というアメリカのドッグショーに、私はモーガンのハンドラーとして2018年と2019年に参加。そして2019年、モーガンは見事、オープンドッグというクラスで、アメリカチャンピオンのタイトルを獲得しました!!
感動のあまりブリーダーのJeffreyさんとハグして号泣。
努力が報われた瞬間
日本では少ないですが、海外ではオーナーハンドラーといって、自分の愛犬とショーに出ている方がとても多いんです。参加されるハンドラーさんは、小さなお子さんからお年寄りまでと幅広く、同じ犬種のファンの人たちと一緒に、ドッグショーをとことん楽しみます。リング(ハンドリングを披露するステージ)の雰囲気もすごくよく、誰かが勝ったら、「おめでとう!」(ハグ)が当たり前。とても清々(すがすが)しく、感動的なんです。
ドッグショーでは、入賞するとメダルの代わりにロゼットと呼ばれるリボンが与えられます。
青は1席、赤は2席、黄は3席というように、順位はリボンの色で表されます
ハンドリングもトリミングも同様ですが、犬を理解するためには犬種の成り立ちや歴史を知ることも重要。それぞれの犬種は理由があって基準のサイズや形が決まっています。もちろん、その基準から外れていたとしても悪いわけではありません。歴史や成り立ちを学ぶことで、そのコたちの特徴や習性を理解することにつながります。
櫻井さんが出陳したのは、最終日に開催されたScottish Terrier Club Of AmericaのSpecialty。
優勝を争ったのはトップランカーの70頭。モーガンくん、ばっちり決まっています
ハンドラーやトリマーはそれを理解して、トリミングやハンドリングに生かしていくのが仕事。これからもショーやトリミングのお客さまに、高いレベルの技術を提供できるよう学び、挑戦し続けていきたいです。
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What is Handler?
ハンドラーとは犬に指示を出してリードする人、犬と競技に参加する人の総称。ドッグショーの場合は、出陳する犬の長所を最大限に引き出し、審査員にアピールするのが仕事です。高度な技術・知識・経験が必要とされるため、日本では訓練学校に通って学び、JKC公認のハンドラー資格を取得する人も。ただし、資格がなくてもドッグショーに出場することは可能です。
トリミングサロン La・Embellir トリマー
櫻井悠香さん
ご主人が経営するトリミングサロンでトリミングを担当。ショードッグのグルーミングもこなし、かねてから夢だったハンドリングにも挑戦。
文=櫻井悠香
構成/ SOULWORK
取材/土屋みき子