【猫びより】本屋さんが選ぶ猫の本【私のイチオシ!】(辰巳出版)
第4回 BOOKSあんとく あらお店 店長 彌永(いよなが)康弘さん(猫びより 2019年11月号 Vol.108より)
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熊本地震
2016年に発生した熊本地震。我が家族(妻と猫3匹)は、その地震の強い揺れを経験しました。幸いにも家族に大きな被害が及ぶことは無く、インフラ復旧も比較的早くになされた地域だったのは本当に幸運でした。ただ、その時の苦労話を今でも妻から聞かされますし、多分これからも聞かされ続けると思います。
食いしん坊で甘えん坊のシロ(10歳♂)は、「鳴き声がかわいい」
地震発生時の避難行動では、それぞれに興奮して逃げ惑う猫たちを一時的にテーブル下に避難させるのが大変だったとか、猫をキャリーバッグに入れて家から避難しようにもキャリーが足りなかったから困ったとか、避難先は? 猫たちの食べ物は? トイレどうしよう? といった猫のライフラインへの不安に駆られたこと等々。
ハナ(推定14歳♀)と彌永さん。寒い夜は彌永さんのお腹の上で寝るので辛い寝起きもしばしばだとか
自分たちが災害に見舞われるなんて考えてもいなかったというのが正直なところで、「いざ」という時への備えは何もしていなかったよねっていう会話の締めまでが夫婦のパターンとなっています。
困難を乗り越えるために
熊本地震後に発売された『どんな災害でもネコといっしょ』は、同じ猫の飼い主の方々が災害で体験したことが色々と紹介されており、自分たちの被災経験を重ね合わせて当時を振り返るとともに、「『その時』足りなかったことは? 『あの時』知っていれば良かったことは?」など、「今度は」後悔を繰り返さないという意識を持たせてくれます。
警戒心が強くて来客には馴れないが、家族と兄貴分のシロには甘えるムギ(右・5歳♂)
他の人たちからすれば飼っている生き物は「ただの動物」という認識かもしれません。でも、私を含めて多くの飼い主さんは「大切な家族」として一緒に生活をしているのではないでしょうか。
店内風景。店長が大の猫好きとあって、猫本の棚にも力が入っている
私たち夫婦には子どもがいないので、飼い猫がある意味では子どもであり兄弟のような存在です。災害時、大切な家族と一緒に困難を乗り越えるために、ご一読はいかがでしょう。
『どんな災害でもネコといっしょ』
監修:徳田竜之介 小学館
定価:本体1,300円+税
BOOKSあんとく あらお店
熊本県荒尾市荒尾4160-256
TEL 0968-66-2668
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