北海道の日本海側に浮かぶ天売島(てうりとう)のフェリーターミナルには三毛猫のニーニちゃん(推定8歳♀)がいる。職員の皆で世話をし、事務所のソファがお気に入りの寝場所。でもお客さんが来ると、ちゃんと猫ハウスの中に移動して場所を譲る。やや臆病なところがあるが、ターミナルの建物内を自由に闊歩している。
シマ三毛猫ニーニちゃんの野性味ある目力
初代ニーニちゃんもいたそうで、初代も2代目もいつの間にか事務所に住むようになったという。病気になると船で1時間以上かけて羽幌(はぼろ)町の動物病院へ連れていく。冬期は1日1便しか運行されないフェリーだが、事務所にはいつも人がいるので、寒さ厳しい冬の日でも暖かく、常に見守られている。
窓口で乗船券の販売をする職員の女性は「元は犬派だったけど、ニーニちゃんを見てると可愛くて癒されますね」と語る。
ニーニちゃんは職員さんに撫でられるのが大好き
島を散歩していると首輪をした猫と飼い主の漁師さんに出会った。網や浮き具の間で昼寝するニケ蔵くんは撫でられるのが大好きだという。
漁師さんの飼い猫ニケ蔵くん
次に出会ったのは、民家の庭先で遊んでいた子猫のルルちゃん。ピンク色のハーネスとリードを着けていて、大切にされているのが分かる。飼い主さん曰く「島も猫が少なくなってね。富良野から貰ってきたんだよ」。
ピンク色のハーネスを着けた子猫ルルちゃん
以前は島民の数より猫が多かったそうだが、海鳥を守るため2012年に条例が制定され、飼い猫の登録や避妊去勢が行われた。人と海鳥と猫が共生する島は、行政と住民、動物愛護団体が協力して環境を守っている。
天売島のネコ問題について
http://teuri-neko.net
天売フェリーターミナル
TEL 0164-83-5211
取材・原田佐登美