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【猫びより】潮の香りが芳しい大王崎の干物屋さん【志摩】(辰巳出版)

【猫びより】潮の香りが芳しい大王崎の干物屋さん【志摩】(辰巳出版)

(猫びより 2020年11月号 Vol.114より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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潮の香りが芳しい大王崎の干物屋さん【志摩】

三重県志摩半島の南東にある大王町は、太平洋の荒波が寄せる断崖や青空に映える白亜の灯台、石畳の街並みなど、映画の舞台になったり絵になる風景が多く、絵描きの街と呼ばれている。漁港周辺には鮮魚や干物のお店が建ち並び、港町の風情が漂う。

美しい白亜の大王崎灯台

美しい白亜の大王崎灯台

大王崎灯台までの狭い道沿いにアジやサバ、イカなど絶品の干物がお手頃価格で並ぶ商店街の一角に、「浜政丸商店」はある。3匹の猫を飼う店主の浜口義行さんが中学生の頃から40年続く、老舗の干物屋だ。

三毛のミーちゃん、茶トラのアイ君、白猫のシーちゃんは共に3歳の兄妹。同じく伊勢志摩の名産品・真珠のお店で隣接する「ヨコタ真珠」には、母猫のタヌキちゃんがいる。

浜口さん自慢のミーちゃん

浜口さん自慢のミーちゃん「このコは賢いんだよ」

アイ君が珍しくお店番。

アイ君が珍しくお店番。「干物おいしいニャア」

シーちゃんは甘えん坊な性格で、家にいることが多い。ミーちゃんは賢くて浜口さんのお出迎えをしてくれる。アイ君は朝晩のゴハン以外は、広々とした海岸沿いの道を散歩することが多いそうだ。

潮の香りが芳しい大王崎の干物屋さん【志摩】

店の奥で眠るのが好きなシーちゃん(前)

お客さんの中には遠方からドライブがてら猫用フードを持参して3兄妹に会いに来てくれる人もいる。3匹も猫好きな人は分かるらしく、すり寄っていくとか。

潮の香りが芳しい大王崎の干物屋さん【志摩】

浜口さんの妹が経営するヨコタ真珠にも猫

波切(なきり)地区には昔、ダンダラボッチという巨人が住んでいたとされ、それを追い払うためのわらじ祭りが豊漁と安全祈願祭として今も行われている。信仰深い町にはゆっくりとした時が流れ、猫がのんびりと歩いている。

潮の香りが芳しい大王崎の干物屋さん【志摩】

付近には祠が多くあり、信仰心の深さが感じられる

潮の香りが芳しい大王崎の干物屋さん【志摩】

宝門の浜では海女さんに出会えるかも

浜政丸商店

三重県志摩市大王町波切122
TEL 0599-72-3469
営業時間/9:00~16:00頃
定休日/年中無休

取材・原田佐登美

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