猫びより
【猫びより】第10回 本屋さんが選ぶ猫の本【私のイチオシ!】(辰巳出版)

【猫びより】第10回 本屋さんが選ぶ猫の本【私のイチオシ!】(辰巳出版)

好文堂書店 DogCatista 高橋英子さん(猫びより 2021年01月号より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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書店発の保護猫活動

一歩外に出るとあちらこちらに外猫、地域猫がいる町、長崎。猫好きな方は猫に出会うと写真を撮影したり撫でたりしていて、猫たちも人々に馴染んでいます。観光地であり猫に出会えるマップもあるくらい町を挙げて猫を売り込んでいますが、全国の中核都市の中でも殺処分数がトップクラスという不名誉な一面もあります。

そんな長崎で114年の歴史を持つ老舗書店である好文堂書店は、2017年に新しい取り組みを始めました。それが命を販売しないペットショップ型の本屋「DogCatista(ドッキャイスタ)」です。

書店発の保護猫活動

マミコ(左・推定3歳♀)とミヤケ(1歳♀)の親子はお店の看板猫。
マミコは娘だけでなく他の猫にも面倒見がいい

ドッキャイスタでは、猫や犬の本に特化し、約2000点の書籍と雑誌を揃えています。猫好きさんが楽しめるお店でありたいと願い、猫用品、フード、オヤツ、オモチャ、猫のロゴ入り雑貨も取り揃え、子猫の保護、TNR、地域猫活動、保護した猫の譲渡にも携わっています。オープン以来、保護・譲渡した猫は100匹を超えました。

愛護団体とも協力しながら、譲渡会も定期的に開催しています。書店でありながら全く違う業界に関わることになって苦労も多いですが、それ以上に喜びも大きく、生き物を扱う仕事としての責任や、やりがいも感じます。地域の方々の応援もあり、本当の意味で地域密着型書店として地域に貢献でき、皆さんからも慕われるようになったと感じています。

書店発の保護猫活動

高橋さん宅の猫たち

猫を知ることが大事

猫の相談や依頼は毎日のようにあります。しかし、猫好きでも猫の生態を知らない方が意外に多く、口で説明するだけでは、なかなか上手に伝わりません。そんな時に出逢った本が、『野良猫の拾い方』と『猫脳がわかる!』でした。

「猫は買わずに拾う時代」

この帯のキャッチを見た時には、「その通り!!」と声が出ました。子猫を拾うべきか拾わぬべきか……。悩んだ経験のある方は多いと思います。しかし、ペットショップで動物を買っている10人に1人が動物管理センターや外で暮らす動物を引き取れば、日本全国の猫や犬の殺処分頭数はなくなる計算です。親がいて拾う必要のない子猫もいますが、この本ではその見分け方を事細かに説明しています。

『野良猫の拾い方』

『野良猫の拾い方』

監修:東京キャットガーディアン大泉書店
定価:本体1,400円+税

また、育て方も丁寧にわかりやすく説明しているので、小さな赤ちゃん猫を拾い、どう育てたらよいかわからない方には必読です。野良猫問題は何が問題なのかについてもわかりやすく解説していて、猫にとっての幸せが何なのかという疑問にも答えを示してくれます。当店でも譲渡する猫の里親さん、猫の相談をされる方には読んでもらっています。この本を熟読し猫ライフを楽しんでもらえたら嬉しい限りです。

もう1冊の『猫脳がわかる!』は、更に深堀りしている内容で、猫の考えてることを知りたい方にはもってこいの内容です。

『猫脳がわかる!』

『猫脳がわかる!』

著:今泉忠明文春新書
定価:本体800円+税

「猫は1年に何回子供を産むことができるのか知ってますか?」とお店で尋ねたところ、90%以上の方が間違って答えていました。「え、何回産むの?」と思った皆さんは、ぜひ本書を読んでください。謎の多い猫の生態が猫脳を通じて解明されています。猫の行動学、解剖学とあれば難しくて読みづらそうと思われるかもしれませんが、とてもわかりやすく書かれているのでぜひご一読ください。

当店のスタッフは主に猫と犬です。スタメンの看板猫はさくら耳の三毛2匹。犬3匹も看板犬として勤務しており、里親募集中の猫も入れると現在計13匹いて、うち10匹が当店のスタッフとして日替わりで働いています。お客様の癒しの存在として、人より大活躍しているスタッフたちです。長崎にお越しの際は、ぜひ会いに来てください。

好文堂書店 DogCatista

好文堂書店 DogCatista

猫や犬の書籍・雑誌とともに、選りすぐりのグッズとフードを取り揃える

長崎県長崎市浜町8-29 3F
TEL 095-801-1012
Instagram : dogcatista

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