【Shi-Ba】日本犬は他の生き物とうまくやっていけるほうなのか?同居動物との相性とは(その2)
人間同士だって、相性の良し悪しってあるからね。犬の場合はどうなんだろう? とゆーわけで、読者宅での同居動物の関係を取材してみた。案外、仲良くやっているみたいだぞ。(Shi-Ba 2019年3月号 Vol.105より)
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散歩に行く前は必ず牛小屋に立ち寄って挨拶するよ
岩手県 杉澤ふうすけ(オス・5歳)
昼間は外、夜は家の中で暮らす、モフモフ男子。家に来る人ほぼ全てに「撫でれ!」とお腹を見せてしまうので、番犬になっているかは微妙。
飼い主の奈穂子さんいわく「基本的に顔と態度で、やってほしいことを飼い主に訴えてきます。ぶすかわいい、と思っています」とのこと。いやいや、相当ラブリーざんす♥
お客さんだね いらっしゃい♪
「東京から来たの? まぁ、触っていきなよ♪」
初めて会うのに、懐かしいのは、素敵な日本家屋と冬毛がみっちり生えた柴犬のせいかな?
母屋の前で「オレの家、かっこいいだろ?」とでも言いたげ。
それ、早くよこしなさい
この馴れ馴れしさを見よっ! スタッフが持参したオモチャに目が釘付け。奈穂子さんが持っているのがわかると、お行儀よくしつつも、しっかり催促。
よその犬には厳しいけれど、牛を見守る目は優しいんだぜ
「小型犬を飼おうと思っていましたが、ペットショップでふうすけに会ったら一目惚れでした」と奈穂子さん。飼う前は家族に大反対されていたそうだが、今では、「みんな溺愛しています」とのこと。めでたし!
さて、昔から牛を大切に育て、一緒に暮らしてきた杉澤家。今いる牛は6頭。最初に牛とふうすけが対面した時の様子を奈穂子さんはこう話す。
「慎重に近づいてにおいを確認していましたね。牛が鳴いても全然ビビりませんでした」
けっこう、強気なのかな。ちなみに、散歩中に出会うよその犬には厳しい態度で接し、庭に来るキツネ、タヌキ、猫、カラスには吠えるそう。
このくらいの牛がいいんだ
ふうすけ「変わりはないかい?」
牛「今日も元気っす!」
「大きなオス牛は怖いらしく、自分から挨拶しに行こうとはしません」お好みの牛のサイズは中くらい(それでも結構大きいけど)とのこと。とりあえず舐めて味を確認中!?
子牛が生まれたり、育った牛がよそに行ったり、多少、牛の入れ替わりがあるものの、ふうすけの好みのタイプは、中くらいの大きさの牛。
「友達というわけではなく、顔見知りとして接してい感じですね。でも、牛と犬の間合いってあるような気がして、たまに牛にツノで威嚇されていることもありますよ」
まぁ、牛にも機嫌が悪い時はあるだろうしね。牛番としては、そこらへんの空気を上手に読むのが課題になるのかな〜。頑張れ! 牛番ふうすけ。
家の宝はオレが守るぞ!
散歩の前のひと仕事だ
「さっ!牛、見に行こうぜ!」
「はい、はい」
敷地内には母屋とは別に牛たちが暮らす建物がある。
「毎朝、散歩に行く前に必ず『牛を見に行こう』と連れて行かれます」と奈穂子さん。
この姿勢なら安心だな
「やっぱ、牛、でかいよな……」
牛が絶対に寄って来られない距離、そして奈穂子さんの抱っこ。これなら安心していつまでも牛を見守っていられるぜ! って、それじゃぁ牛番にならないよ~。
ワラがついても気にせず
小さなことは気にしないよ
お茶目なふうすけ氏。牛小屋に敷かれたワラがたまたま鼻についても全く気にせず。大物感が漂う大人の男。
牛の番犬さんは超甘ったれ♥
あっ! おねーちゃん♥️
奈穂子さんの姿を確認すると、姿勢はシャンと。目がきらりん♥ 何かを期待しながら待っている感じ、わっかるっかな~。
寄りかかる気満々なのさっ♪
よっこらせっと
肩や首回りを奈穂子さんが撫で始めると、うっとり。オスワリの状態でグイグイ奈穂子さんに寄りかかっていき、やがて……。
だめだ、座っていられない~
わぁ〜もう限界だぁ〜
ふうすけの恍惚の姿を見て、ライターとカメラマンは頬が緩みっぱなしでございました。気持ちよすぎて座ってなんかいられないね。
この時よ 永遠に続け
フフフ……
もはや倒れ込んで、頬肉を撫でてもらっておられます。しかも「オレのこと、うらやましいだろ~?」的なカメラ目線。脱帽。
もう、好きにしてちょーだい♥️
あられもないお姿
男子の沽券とかね、そーゆーの、ふうすけさんにはどーでもいいわけ。無防備に広げた後ろ足、奈穂子さんの膝に添えたツッパリ前足がポイントだよ。
「中くらいの牛が好き」ということなので、同じ牛が成長して大きくなった時の反応がどうなるかわからないが、「俺んちの牛たち」というふうすけの中でのスタンスは変わらないような気がする。
牛たちもふうすけが自分たちを見にきた時は、なんかテンションアップ。
まとめ
実はみなさんからのアンケート回答で最も多かったのが、カメとの同居だった。次がモルモットやハムスター、ウサギ。その次がインコなどの小鳥、そして猫と続く。これまでも取材でいろいろな同居の様子は拝見したが、どこのお宅もモメることもなく、淡々と暮らしていたのが印象的だ。
それに比べ、案外犬同士の方がオモチャやオヤツをめぐってとか、散歩の時にどっちが先に外に出るかなど、ちょっとしたことでガウっとなることが多かったかも。やっぱり、同じ種で相手の考えもある程度わかるだけに、イラっとすることもあるんだろう。
そこらへんの気持ちを飼い主が汲み取って、それぞれの生き物にかかるストレスを減らすことができれば、同居動物がいる暮らしって、楽しくて魅力的だと思うのです、はい。
Text:Mari Kusumoto
Photos:Minako Okuyama、Miharu Saitoh