【猫びより】ねこんふぃぬもん〜パリ郊外、ヴィルボン・シュル・イヴェット〜【from France】
【Cat News Network】(猫びより 2021年3月号 Vol.116より)
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ロックダウンのことをフランス語では「コンフィヌモン」と言う。
フランスでフォトグラファーとして活躍する田熊大樹(たぐまひろき)さんが、黒猫のマロ(4歳♀)とパリ郊外の町で暮らすようになって4年目。昨年12月上旬にいただいたメールには「こんふぃぬもんの弊害。家を空けることが減るにつれてマロがますます甘え、遊べと催促するように。無視しているとわざとイタズラをしかけてくる。反抗期ナウ」とあった。昨春に続き2度目のコンフィヌモンは辛いはずなのだけれど、平仮名で書かれるとなんだかフンワリと響く。「頭に『ね』を付けたら、『ねこんふぃぬもん』ですね」と返信してしまった。
光へ、光へ。そこは温かい
あたりまえのように同じ空間にずっと田熊さんがいることは、マロにとって初めて。外に遊びに行く時以外は、田熊さんにベッタリなようだ。
「なのに僕が眠ろうとすると、また『外に出たい』って言い始める。マロ出たがる、僕がドアを開ける、マロ出る、僕閉める、マロ入りたがる……。暖房が温まらない無限ループです。行く、行かない、やっぱり行く! のやり取りは今に始まったことじゃないですが、前より増えましたね。ドリフターズのコントのように、お決まりの芝居をしているのだと思ってやり過ごしています」と苦笑気味。マロの遊び相手にもう1匹を迎えることも、ふと頭をよぎるという。
寒くても、雨でも、とりあえず今日も外に行きたいニャ
「でも光の枠にいるマロを撮りながら、変えられたのは人だけであって、猫は変わっていないのかもね、と思いました。彼らは自おのずから光のある方へ進む。温かいから。人もそういうのを見習ってもいいよな、と」。
猫、揺るぎなし!
いつも寝ているフリース地の上で爆食中。
冬だし、太ってもイイでしょ?
Tagma Hiroki
1980年生まれ。フォトグラファー。都内の広告制作会社を経て、2009年よりフランス在住。マロが隣家の屋根に登り隣家の猫を威嚇するので、できればお隣さんに会いたくない日々。
https://hirokitagma.com
Hori Akiyo
日仏を往復するワイン・ライター。著書に『リアルワインガイド ブルゴーニュ』(集英社インターナショナル)。大阪の自宅には拾ったメインクーンとアメショーが2匹。
(写真・田熊大樹/文・堀 晶代)