【獣医師監修】犬がベッドを噛む! 噛み癖がつく理由と、その対策について
犬を飼い始めた時に、多くの飼い主が頭を悩ませる問題。それは、犬が何でも噛みちぎってしまうことです。せっかく寝心地の良いふかふかのベッドを買ってあげても、すぐにボロボロに…今回は、犬の噛み癖について解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬はなぜベッドを噛むの?
犬は好奇心旺盛な動物なので、何でも噛んだり食べようとしたりします。飼い主の中にも、手や足を噛まれたり、服をボロボロにされたり、犬用のベッドやタオルを噛みちぎられたりした経験を持つ人は少なくないでしょう。
とくに、人を噛む癖のある犬はすぐに対処が必要ですが、物を噛む癖のある犬も問題です。ふと目を離した隙に、そして留守番中に、ベッドやソファをボロボロにしたり、家具を傷だらけにしたり…飼い主としては頭の痛いところですが、犬は飼い主を困らせたくて噛んでいるわけではありません。人が手を使っていろいろなものを確かめたりする行動を、犬は口を使って行う、ただそれだけのことなのです。
ただし、飼い主の留守中に決まって物を壊すような場合は、「分離不安症(ぶんりふあんしょう)」という病気の可能性があるので、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
犬にベッドを噛むのをやめさせる方法は?
では、犬がベッドなどを噛み始めた時は、どのように対応すればよいのでしょうか。
噛んでもいいおもちゃを与える
ベッドを噛む犬は、噛むという行動によりストレスを発散している可能性があるので、ベッドの代わりに噛んでもいいおもちゃを与えましょう。とくに、中におやつを入れられるタイプのおもちゃは、犬の興味を惹きやすいのでおすすめです。
噛んでもつまらないベッドにする
噛むと気持ちがいい、形が変わる、裂ける、中から何か出てくる…こういったものは犬にとって非常に魅力的です。そこで、犬の噛みたい気持ちを抑制するために、プラスチック製の固いベッドにしたり、カバーをデニム素材の強固なものにして、噛んでもおもしろくない状態にするのも効果的です。
たくさん運動をする
犬のストレスは、運動不足によるところが大きいといわれています。運動をたくさんすることで犬のストレスが解消され、物を噛むことでストレスを発散しようとしなくなる可能性があります。犬のストレス対策として、定期的な散歩を欠かさないようにしましょう。
なお、ベッド以外の物を噛む場合は、以下のような対策が有効です。
専用のスプレーを吹きかける
噛んではいけない物に、犬が嫌いな成分を含んだいたずら防止用のスプレーを吹きかけておくと、あまり近寄らなくなるなど、一定の効果が期待できます。
噛んではいけない物を犬が届かない場所に置く
噛み癖を持つ犬や、しつけが済んでいない仔犬の場合は、ベッドに限らずいろいろな物に噛みついてしまいます。飼い主が移動できる小物や雑貨、電気製品などは、犬が届かない場所に置くようにしましょう。とくに注意したいのは、犬が噛むことで火災・感電の危険がある電気コードです。
犬から見ると、ベッドもおもちゃも区別がつかず、「噛んでもいいもの」と判断してしまうことが多々あります。こうした噛み癖は飼い主の負担になるだけでなく、異物誤飲のリスクも高めます。
犬は何かに興味を持つと俄然噛みたくなってしまう動物なので、そもそも噛んではいけない物には興味を持たせないようにする(たとえば新しいベッドを購入したら、犬の目の前で取り出すのではなく、犬が見ていない時にセッティングする)ことがとても重要です。また、噛んでもいいおもちゃを魅力的に思ってもらうためには、飼い主が一緒に遊んだり、遊び方を教えてあげたりする必要もあります。
犬の噛み癖を矯正するためには、飼い主が正しい知識を持つことが重要です。まずは物を噛みたがる犬の習性をしっかりと理解し、犬がむやみに物を噛まないで済む環境を作ってあげましょう。
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