高い聴力に加え、広域な周波数を感知する力、そして感情をも表現する機能が備わってる猫の耳。
猫が生きていくうえで様々な役割を果たす非常に大切な体の一部です。
ここでは、そんな猫の耳の掃除のやり方についてご紹介します。
猫の耳掃除は必要?
猫は体質的に耳の脂分が多く、耳垢が溜まりやすい性質を持っています。
そのため、耳垢や汚れを放置すると、外耳炎や耳ダニの原因になることもありますので、定期的なケアをしてあげた方が良いでしょう。
特に「折れ耳」は、ピンと立っている「立ち耳」に比べると通気性が悪く、耳の中の雑菌が繁殖しやすいもの。また「反り耳」も、外耳道が狭く汚れやすくなります。
ですので、スコティッシュフォールドのような「折れ耳」や、アメリカンカールのような「反り耳」の猫は、特にチェックが必要です。
耳掃除はした方が良いですが、毎日など頻繁な耳掃除が必要というわけではありません。
時々汚れを確認しながら、ひどく汚れているときにケアをしてあげる程度で十分です。
猫の耳掃除の方法
猫の耳掃除には様々な方法がありますが、主に以下のやり方があります。
・基本的にはコットンやガーゼで汚れを優しく拭き取る
・ひどい汚れにはイヤークリーナーを使用するのもOK
それぞれ見ていきましょう。
基本的にはコットンやガーゼで汚れを優しく拭き取る
自宅でできる猫の耳のケアで、一番簡単にできるものが、コットンやガーゼで拭き取る方法です。
コットンやガーゼを水で濡らし、耳をやさしく拭いてあげましょう。耳の奥まで拭く必要はなく、見えている所だけで十分です。
猫の耳は皮膚がとても薄いので、ゴシゴシとこするのはNGです。耳垢がこびりついてしまっていても無理に取ろうとはせず、少しずつ水分でふやかしながら、やさしく拭き取ってあげましょう。
ひどい汚れにはイヤークリーナーを使用するのもOK
耳垢がたまっていたり、汚れがひどい場合には、イヤークリーナー(耳の洗浄液)も役立ちます。
コットンやガーゼにイヤークリーナーを含ませ拭き取ることによって、水だけでは落としづらい汚れまで綺麗にすることができます。
ただし、万一耳の中に傷がある場合などは使用を控えた方が良いケースもあるので、まずはかかりつけの獣医師に相談し、安全を確認したうえで使用しましょう。
猫の耳掃除の頻度
必ずこの頻度で耳掃除しなければならないというルールはありません。
例えば、週に1回程度汚れがひどくないかチェックし、汚れが目立つときにだけ掃除をしてあげれば十分でしょう。
「折れ耳」や「反り耳」の猫にはよりまめな確認が必要ですが、汚れていないのに必要以上に掃除をするのは、耳を傷つけてしまうため良くありません。
猫が耳掃除を嫌がる場合の対処法
突然耳に触れられたり、掃除をされたりすると、猫が不安や恐怖を感じ、嫌がる場合もあります。
できるだけストレスなく、安全な耳掃除ができるような工夫も心がけましょう。
具体的には、以下3点を心がけると良いでしょう。
・耳掃除は猫がリラックスしているときに
・嫌がる場合は無理せずストップ
・自宅でできないときは動物病院へ
一つずつ見ていきましょう。
耳掃除は猫がリラックスしているときに
猫が緊張していたり興奮状態にあるときは、耳を触られることにも抵抗します。
耳掃除のタイミングは、おうちのなかで、のんびりとリラックスしているときがベストです。
嫌がる場合は無理せずストップ
嫌がっているのに力づくで掃除を続けるのは、ケガなどのトラブルにつながるため、とても危険です。
また、無理な耳掃除をされたことが猫のトラウマにもなり、その後の耳のケアや必要な治療の妨げにもなりかねません。
嫌がっているときには無理に続けることなく、耳掃除をストップしましょう。
自宅でできないときは動物病院へ
どうしても嫌がってしまって飼い主さんの手では耳掃除ができない場合や、耳の奥の汚れも気になるときには、動物病院に相談しましょう。
また、外耳炎などの病気にかかっている場合、耳を触られることに対して強く抵抗する様子が見られることがあります。
いつも以上にひどく嫌がるようなときは、耳のトラブルがないかも、一緒に診てもらうのが良いでしょう。
もしかしたら病気かも?こんな耳垢には要注意
猫の耳垢には、健康(正常)なものと、異常なものがあります。
それぞれ、どのような特徴を持つのか見ていきましょう。
健康な耳垢
健康な猫の耳垢は、少しベタっとした茶色いものです。
その量が大量でなく、嫌な臭いなどしなければ問題ないでしょう。
異常な耳垢
黒くベタベタしたり、臭いの強い耳垢が大量に出るようなことがあったら要注意です。耳ヒゼンダニを主とした「耳ダニ」に寄生されている可能性があります。
その他にも、
・しきりに頭を振る
・耳を後ろ足で掻く
などのサインが見られたら、何かしらの異常が出ている可能性が高いため、できるだけ早く動物病院へ連れて行きましょう。
耳ダニだけじゃない。ノミ・マダニにも気を付けて
猫が気をつけなければいけない寄生虫は「耳ダニ」だけではなく、「ノミ・マダニ」にも注意が必要です。
ノミやマダニの寄生は、かゆみと皮膚症状を引き起こすだけでなく、二次的に様々な感染症を引き起こす可能性もあり決して侮れないものです。
ノミやマダニのトラブルが見つかったら、専用の駆除薬で対策するとよいでしょう。専用の駆除薬の中には、すでに寄生してしまったノミ・マダニの駆除はもちろん、ノミについては再繁殖・再寄生の防止にも効果的なものもあります。
猫のノミ・マダニ対策について、以下の記事でより詳しく解説していますので、こちらも是非ご覧ください。
▼猫のノミ・マダニ対策について、もっと知りたい!
愛する猫ちゃんをノミ・マダニ寄生のリスクから守る!室内飼いの猫ちゃんも注意
まとめ
猫の耳には自浄能力がありますが、耳の汚れがひどくないかのチェックは定期的にし、あまりにも汚れている場合には適切にケアしてあげると良いでしょう。
特に「折れ耳」「反り耳」の猫は耳が汚れやすいため、よりこまめな確認を心がけましょう。
耳垢の量が多かったり、色が黒い場合は「耳ダニ」の感染が疑われます。
寄生虫は耳ダニだけでなく、ノミ・マダニにも注意が必要です。日頃のケアと専門の駆除薬で、繁殖を防ぐようにしましょう。
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