「猫の食事は1日何回にするのが良いのか」
「猫の食事回数を多くしても良いのか」
猫を飼い始めたばかりで、食事の回数や与え方などが分からず困っていませんか?
猫の最適な食事回数には、はっきりとした決まりはありません。ただ猫にとっては、食事の量を少なめにして、回数を多くした方が良いです。
ただ食事の回数を多くする場合は、与える量や頻度、与え方などに注意すべき点があります。
猫の食事回数が多い方が良い理由や、食事量や回数、与えるタイミングなどを解説していきましょう。
猫の食事回数の目安は1日2~5回程度
ここでは、猫に与えるおすすめの食事回数をご紹介します。
一般的には、猫に与える食事回数の目安は年齢によって変わり以下のとおりとなります。
【年齢別の猫の食事回数(1日当たり)の目安】
・生後6ヵ月までは4~5回
・生後7ヵ月~7歳頃まで2~3回
・7歳以上は4~5回
生後6ヶ月までの時期は、胃袋が小さく消化管も発達段階のため、食事回数を4〜5回に分け、1回当たりの食事量を減らすことで、消化管に対する負担を減らします。
生後7ヵ月~7歳頃までは、消化機能が充実している時期ですので、食事回数を2~3回に減らし、1回の食事量を多くしても問題ありません。
7歳以上になると高齢期に入りますので、消化機能も徐々に低下していきます。そのため、食事回数を4〜5回に分け、1回当たりの食事量を減らすことで、消化管に対する負担を減らした方が良いでしょう。
猫の食事回数が多い方が良い理由
猫にキャットフードをあげる回数が多い方が良い理由には、以下のようなものがあります。
・食欲を抑え、肥満防止になる
・食事の鮮度を保ちやすい
・嘔吐防止になる
それぞれの理由を詳しくご説明します。
食欲を抑え、肥満防止になる
猫は元々、少しの量を数回に分けて食べながら小腹を満たす生き物です。そのため、1回の量を減らして、食事回数を増やした方が良いです。
1日の食事回数が少ないと、次にご飯を食べるまでの間隔が長くなるので、空腹でいる時間も長くなります。空腹の状態で食事をすると、食欲が増していつも以上に多く食べてしまう可能性が高いです。
1回の食事で大量の食事をするのが続くと、内蔵に負担がかかり、代謝が落ちて太りやすくなります。
食事の回数が増えると、食欲が抑えられるので、肥満防止につながります。
食事の鮮度を保ちやすい
食事は、時間が経てば経つほど、鮮度が落ちていきます。
1回に食べ切れる量を1日に何回も出してあげることで、鮮度を落とさずに食べ切れます。
嘔吐防止になる
猫はお腹をすかせた状態で食事をすると、嘔吐しやすくなります。
猫の嘔吐は珍しいことではありませんが、嘔吐を繰り返すとストレスになったり、栄養不足になったりする可能性が高いです。
食事の回数が増えると、ちょくちょく食べるので空腹になる回数が減り、嘔吐防止につながります。
猫には、どのぐらいの量・頻度で食事をあげれば良い?
上記で「食事回数が多いほうが良い」ということをお伝えしましたが、猫に与える食事回数を増やす場合、1回あたりの量が今までと同じ量では、1日に与える量が多くなりすぎてしまいます。
では、どのぐらいの量と頻度で食事をあげれば良いのでしょうか?
ステップ1:カロリーを計算する
猫に与える食事の量は、1日に必要なカロリーから考える必要があるので、まずはカロリーを計算します。
猫に必要な1日のカロリーの計算方法は、以下のとおりです。
【猫に必要な1日のカロリー目安】
・子猫 (誕生〜生後1年くらいまで)の場合:体重(Kg) × 100〜200kcal
・成猫(生後7ヵ月~7歳頃)の場合:体重(Kg) × 70〜80kcal
・高齢猫(生後7年〜)の場合:体重(Kg) × 60kcal
例えば、生後6か月で体重が3Kgの子猫の場合は、3 × 135 = 405なので、1日あたりの必要カロリーはおよそ400kcalとなります。
上記のカロリーはあくまで目安です。目安を参考にして、猫の状態に合わせてカロリーを調節してください。
ステップ2:適正回数で分ける
猫が1日に必要とするカロリーが計算できたら、次はそのカロリーを適正回数で分けます。
なおカロリーは、キャットフードの種類やメーカーによって異なります。たとえば、肥満気味の猫のために開発されたものはカロリーが控えめだったり、高齢猫のためのものはカロリーが高めだったりします。
キャットフードのカロリーはパッケージに記載されているので、必ず確認するようにしてください。
猫に食事を与える時間
毎日のご飯を与える時間がバラバラになると、猫は空腹を感じたり、上手に消化できなかったりする可能性があります。
そのため、毎日適切な時間にご飯を与えることが大切です。ここでは、猫のご飯を与えるのに適した時間をご紹介します。
均等間隔になるよう食事を与える
猫にご飯をあげる時間を考える際は、食事をする間隔が偏らない方が良いです。
例えば、
・1日2回の場合:8時、20時
・1日3回の場合:7時、15時、23時
・1日4回の場合:6時、12時、18時、24時
上記のように、ご飯を食べる間隔が同じになると、猫の生活リズムができるので、体調を崩しにくくなります。
また食事の間隔が長くなると、体に脂肪が溜まりやすくなり、太る原因になるので注意が必要です。
毎日同じ時間帯に与える
猫に食事を与える場合は、時間帯を決めておいた方が良いです。
毎日同じ時間帯に同じ量の食事を与えると、健康管理が楽になるメリットもあります。
毎回同じ食事量を用意していると、どのくらいの量を食べているのか把握しやすく、食欲の変化に気づきやすくなります。
食事をあげる時間は極端に神経質になる必要はありませんが、「だいたい〇時になったら食事をあげよう」ぐらいは決めておくようにしましょう。
猫の食事の与え方における注意点
家の中で飼っている猫は、飼い主が食べる量やタイミングなどを管理する必要があります。ここでは、猫にご飯をあげるときに注意すべきポイントをご紹介します。
1回あたりのフード量は明確に決め、毎回必ず測る
1回あたりに与える食事量は、はっきりと決めておく必要があります。
食事の量を決める場合は、まずは猫の体重を把握し、年齢と体重に応じてキャットフード量を決めます。
前述の通り、以下が猫の体重と目安摂取カロリーになります。
・子猫の場合(誕生〜生後1年くらいまで):体重(Kg) × 100〜200kcal
・成猫の場合(生後7ヵ月~7歳頃):体重(Kg) ×70〜80kcal
・高齢猫の場合(生後7年〜):体重(Kg) × 60kcal
猫の体重が大きい場合、適正体重からキャットフード量を決めましょう(猫の適正体重は1歳頃の体重です)。
1日あたりの食事量がわかったら、その量を食事回数で割ると、1回あたりに食べるべき摂取量が計算できます。
また、1回の食事量を守るために、必ず毎回キャットフード量を測るようにしましょう。
本来の適正量からズレ続け、それが何十食、何百食と重なると猫の体重や健康に影響する可能性もありますので、毎回測り適正量を与えることが大切です。
玄関の近くにフードを置かない
聴覚が優れている猫は、音に非常に敏感です。外から様々な音が聞こえてくる玄関は、猫が食事をするのには向いていません。
ご飯を食べているときに玄関の外から、声や音が聞こえると気になって、食事に集中できなくなります。そのため、ご飯をあげる場所は、玄関から遠い方が良いでしょう。
猫が食事を食べないのはなぜ?
普段きちんと食事をする猫が、食欲減退し食べなくなってしまった場合、何かしらの異変が起きている可能性があります。
理由として考えられるのは、以下のとおりです。
・お腹を壊している
・ストレスが重なっている
・何かしらの病気や感染症になっている
嘔吐や下痢が続き、下痢止めなどを投与してもなかなか改善しない場合はフードがあっていない可能性があります。フードを変更して改善する場合は、成分をよく確認してみましょう。
猫がご飯を食べないときに、特に注意したいのは、「病気や感染症」です。
ウイルスや細菌などの感染、腎不全などの内臓のトラブルが起きた場合は食欲や元気がなくなる場合があります。
できるだけ早く受診し、必要な検査を行い原因を見つけてあげましょう。
特に外に出る猫の場合は様々な感染症にかかりやすくなります。猫免疫不全感染症やウイルス感染症などの命にかかわる感染症をはじめとし、ノミやマダニなどの寄生虫感染のリスクもあります。家の中で飼っている場合でも、人間が外から持って入ってきたノミやマダニが、飼い猫の体に寄生することがあります。
猫が体調不良を引き起こしご飯を食べなくなる原因は様々ありますが、自宅でできるチェックとしては、まずノミやマダニが寄生していないか確認してみましょう。
ノミやマダニの寄生は、かゆみと皮膚症状を引き起こすだけでなく、二次的に様々な感染症を引き起こす可能性もあり決して侮れないものです。
ノミやマダニのトラブルが見つかったら、専用の駆除薬で対策するとよいでしょう。専用の駆除薬の中には、すでに寄生してしまったノミ・マダニの駆除はもちろん、ノミについては再繁殖・再寄生の防止にも効果的なものもあります。
猫のノミ・マダニ対策について、以下の記事でより詳しく解説していますので、こちらも是非ご覧ください。
▼猫のノミ・マダニ対策について、もっと知りたい!
愛する猫ちゃんをノミ・マダニ寄生のリスクから守る!室内飼いの猫ちゃんも注意
まとめ
猫は食べる回数を増やして、少量ずつ食べることで、
・食欲を抑え、肥満防止になる
・食事の鮮度を保ちやすい
・嘔吐防止
など、様々なメリットがあります。
飼っている猫の食事管理は、飼い主の大きな務めです。
そのため、食事の与え方や1日のカロリー、食事回数、タイミングなどに注意して、猫の健康を維持してください。
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