猫の去勢・避妊手術後の食事はどうする?選び方や注意点、おすすめフードを紹介

猫の去勢・避妊手術後の食事はどうする?選び方や注意点、おすすめフードを紹介

  • サムネイル: PECO編集部
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子どもを残したいという希望がなければ、猫の去勢・避妊手術を行う人も多いと思います。

しかし、全身麻酔をかけて行う大きな手術でホルモンバランスも変わるため、手術後の食事には気を遣ってあげてください。

避妊手術後の猫の食事のポイントについて、詳しく見て行きましょう。

去勢・避妊手術後の食事における注意点

去勢・避妊手術後の食事における注意点


猫の去勢・避妊手術後は、体重や食事の管理に注意が必要です。
去勢・避妊手術前にはなかった食の好みの変化が見られる場合もありますので、慎重にチェックしていきましょう。

エネルギーの消費量が減り、肥満になりやすくなる

去勢・避妊手術後の猫は太りやすい傾向にあります。

これは、去勢・避妊手術によってホルモンバランスが変わり、体質や行動にも変化が訪れるためです。
オス猫の場合、筋肉の維持に必要な男性ホルモンが抑えられることで脂肪に変わりやすくなります。
一方メス猫の場合、食欲抑制の働きもある女性ホルモンがなくなり、食欲旺盛になります。

また、手術前に発情行動に伴って発散されていたカロリーも、手術後は消費されなくなります。去勢・避妊手術後は、手術時の体重を把握した上で、カロリー調整や体重管理を心がけましょう。

食欲や食の好みの変化が見られることも

猫の去勢・避妊手術後では、ホルモンバランスの変化によって、食欲が減退したり増幅したりすることも起こります。
食欲がどのように変化するかは、性別のほかにも個体差があり、一概に言うことはできません。
去勢・避妊手術後は、猫の食べる量を確認しておくことが大切です。

また体の変化によって、食の好みにも変化が起こる可能性がある点にも注意しましょう。
以前好んで食べていたフードを食べなくなったり、今まで食べなかったフードを好んだりするケースもあります。
去勢・避妊手術後は猫の反応を見ながら、嗜好を確かめていくようにしましょう。

去勢・避妊手術後のフード選びのポイント

去勢・避妊手術後のフード選びのポイント


猫の去勢・避妊手術後は、なるべく体に負担のかからないフードを与えていきましょう。
猫の体に必要な栄養素が入っていて健康にも配慮されていることが、去勢・避妊手術後のフードを選ぶポイントです。

低カロリーのものを選ぶ

去勢・避妊手術後は、男性または女性ホルモンの働きが抑えられ、以前よりも行動が大人しくなる傾向にあります。
消費カロリーも減少するため、今までと同じ食事内容にすると太ってしまう点に注意が必要です。
手術後のフード選びでは、低カロリーなものを選ぶことを心がけましょう。

去勢・避妊手術後の食事を選ぶのであれば、「去勢・避妊後」と表示されたフードがおすすめです。その他にも「減量向け」「体重の管理」という表示のあるフードもあります。
猫の好みや年齢を踏まえた上で、最適なフードを選びましょう。

因みに、術前の体重を維持するためにはカロリーを30%減らす必要があるといわれています。

ただし、術後に体重が増える猫ばかりではありませんので、定期的な体重チェックを行うことが大切です。そして、もし体重が増加していくようならばしっかり対策をとりましょう。

高タンパク・低脂質を意識する

去勢・避妊手術後のフード選びのポイント


肉食動物の猫は「動物性タンパク質」をしっかりと摂らなければなりません。去勢・避妊手術後は、カロリーや脂質は抑えつつも、魚や肉を主原料としたフードを与えるのがおすすめです。

ただ、当たり前ですが、タンパク質の摂取しすぎは禁物です。猫にとって1日に必要なタンパク質は体重×6〜7gと言われており、その目安量を大きく超えてタンパク質ばかり食べていると「リン」の過剰摂取になり、腎臓に負担がかかってしまい、腎不全の原因に繋がります。

炭水化物もしっかり摂取する

猫は肉食動物で、高タンパク・低脂質を意識した方が良いのは上述の通りですが、炭水化物はあげなくてよいわけではありません。

また、猫も植物成分の栄養素を上手く消化することができます。炭水化物によって十分なカロリーが供給されることで、エネルギーを得るために筋肉などの体内のたんぱく質を分解せずに済みます。

バランスよく栄養素を摂取することで避妊・去勢手術後も健康に過ごすことができます。

合成添加物が使われていないものを選ぶ

猫の健康を考える上では、合成添加物不使用のフードを選ぶことも大切です。着色されたキャットフードは見栄えが良くても、猫の嗜好性や食欲には直結していません。

また着色料として使われる「赤色102号」「食用青色1号」などは、石油を原料としたタール色素になります。ペットフード安全法で使用してよい添加物の種類や量は規定されていますが、使用する量によっては発がん性も確認されており、アレルギーや皮膚病といったトラブルを引き起こす要因となる可能性があります。

尿路疾患に配慮されているものを選ぶ

去勢・避妊手術後のフード選びのポイント


去勢・避妊手術後の食事では体重管理はもちろん、下部尿路疾患に配慮されたフードを選ぶことも大切です。

特に、メス猫に比較してオス猫は尿道が細く尿路疾患のリスクが高くなります。
膀胱内でできた結晶が尿道に詰まると、尿が出なくなり。急性腎不全を起こし、命にかかわることがあります。肥満になるとこのリスクはさらに高くなるといわれています。

去勢・避妊手術後は、猫の体重管理と合わせて、尿路疾患の発生リスクにも備えましょう。

食物繊維が豊富に含まれている

猫の場合、食物繊維は整腸作用のほか便秘予防や毛玉ケア、体重管理としても有効です。

食物繊維は「水に溶けるかどうか」で
・水溶性(可溶性)食物繊維
・不溶性食物繊維
の2つに分けられ、両方をバランスよく摂ることが大切です。

水溶性食物繊維は、水分保持能力が特徴で、腸内の輸送速度を適度に保つことが特徴です。
一方、不溶性食物繊維は、腸内の蠕動運動を促す働きを持ち、腸内環境を整えます。

水溶性食物繊と不溶性食物繊維のどちらか一方に偏ってしまうと、消化不良や便秘などのトラブルにつながります。

フード選びでは、どちらもバランス良く含まれていることを重視していきましょう。

避妊・去勢手術後、食事をあげる際の3つのポイント

避妊・去勢手術後、食事をあげる際の3つのポイント


去勢・避妊手術後の猫は、痛みやストレスで食欲が増減したり、思うように食べられなかったりすることもあります。術後の食事では、猫の様子を確認しながら、臨機応変に対応していくことが大切です。

与え始めのタイミングは「絶食期間」の終了後から

去勢・避妊手術後は全身麻酔の影響がなくなるまで、半日程度絶食する(=絶食期間)必要があります。術後すぐにフードを与えてしまうと消化管が上手く機能せず、嘔吐してしまう可能性もあるため、担当獣医師の指示に従いましょう。

指定された絶食期間を終えれば、通常の食事に戻して問題ありません。

ただし手術の痛みやストレスによっては、しばらく食べられない猫もいます。そのような時は無理に与えようとせず、猫のペースに合わせて見守っていきましょう。

食欲が減るので数回に分ける

去勢・避妊手術は猫にとって負担の大きい行為のため、手術後は食欲が大きく減る猫も多いです。

そのため、去勢・避妊手術後の食事は数回に分けて、少量ずつ与えていきましょう。
少量で一日6回程度に分けたり、いつでも食べられるよう置いたままにする方法も有効です。
また、ウェットフードを活用したり。食事を40度程度に温めて香りが出るようにすると、猫の食欲も刺激しやすくなります。

様子を確認しながら、その子に合った食事方法を探っていきましょう。

去勢・避妊手術後用のフードはいつまで継続?切り替えタイミングは?

去勢・避妊手術後用のフードはいつまで継続?切り替えタイミングは?


去勢・避妊手術を受けた後は、体重測定を定期的に行いましょう。

手術後はホルモンバランスが変化し、太りやすい体質に変化しますので、去勢・避妊手術後用のフードで体重管理ができるならば継続したほうがよいでしょう。

しかし、手術後用のフードを食べていても体重が増加していく場合は獣医師に相談し、一旦フード量を10%程度減らすか、減量用のフードに変更するのも良いでしょう。

生後6ヶ月~12ヶ月の猫が気をつけるべき3つの健康のこと

ほとんどの猫は、生後6ヶ月~12ヶ月の間に性的に成熟します。そのため、避妊(去勢)手術は生後6ヶ月程度で行うのが最適です。

また、避妊・去勢手術以外にも生後6ヶ月~12ヶ月の子猫の健康のために気をつけるべきことがあり、ここでは3つほど紹介していきます。

歯垢・歯石ケア

生後6ヶ月~12ヶ月の猫が気をつけるべき3つの健康のこと


食事をすると、食べ物の残りカスが歯と歯肉の間に付着します。これに口腔内の細菌が繁殖しやがて歯垢に変わります。

歯垢が溜まり時間が経つと歯石になり、その結果歯肉炎や歯周炎を引き起こす可能性があります。このような口腔トラブルを防ぐためには、子猫の頃から歯みがきを習慣化しておくことが大切です。

いきなり歯磨きを行うのはハードルが高いので、まだ抵抗の少ない子猫のうちから、口周りを触られるのに慣れさせることで、歯みがきをしやすくなります。

耳のケア

猫にとって耳は、生活する上で情報をキャッチするための重要な器官です。
猫の耳は通気性が良く蒸れない作りになっていますが、耳垢や汚れが溜まりやすく、放っておくと外耳炎のリスクもありますので、時折耳掃除することも大切です。

耳の中の皮膚はデリケートですので、強くこすらず優しく拭くことが大切です。

被毛のケア

生後6ヶ月~12ヶ月の猫が気をつけるべき3つの健康のこと


定期的なブラッシングは、被毛の毛玉防止になり、さらに、猫とのコミュニケーションにもつながるのでおすすめです。

また、寄生が心配なノミやマダニの早期発見にもつながります。

猫が健康に暮らしていく上では、ノミ・マダニへの対策も忘れてはいけません。
ノミやマダニの寄生は、かゆみと皮膚症状を引き起こすだけでなく、二次的に様々な感染症を引き起こす可能性もあり決して侮れないものです。

ノミやマダニのトラブルが見つかったら、専用の駆除薬で対策するとよいでしょう。専用の駆除薬の中には、すでに寄生してしまったノミ・マダニの駆除はもちろん、ノミについては再繁殖・再寄生の防止にも効果的なものもあります。

猫のノミ・マダニ対策について、以下の記事でより詳しく解説していますので、こちらも是非ご覧ください。

▼猫のノミ・マダニ対策について、もっと知りたい!
愛する猫ちゃんをノミ・マダニ寄生のリスクから守る!室内飼いの猫ちゃんも注意

まとめ

まとめ


去勢・避妊手術後は、
・活動量が減る
・ホルモンバランスが変わる
・食事量や好みが変わる
などの理由から、脂肪を蓄積しやすくなるため、適切な食事管理が必要です。

肥満体型になってしまうと糖尿病や関節炎、呼吸器不全などのリスクを引き起こす恐れもあります。

食事量やカロリーを見直し、猫の健康が維持できるラインを把握し、適切に食事を与えてあげるようにしましょう。

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