【獣医師監修】フレンチ・ブルドッグと長く暮らすために。知っておきたい病気やヘルスケア
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【獣医師監修】フレンチ・ブルドッグと長く暮らすために。知っておきたい病気やヘルスケア

ユニークな顔立ちや体型で愛犬家に人気のフレンチ・ブルドッグ。じつは、呼吸困難や熱中症、皮膚炎などの病気にかかりやすいということを知っていましたか? フレンチ・ブルドッグにいつまでも健康で長生きしてもらうため、どのような病気に気をつけたらよいのかを紹介します。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

フレンチ・ブルドッグがかかりやすい病気

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フレンチ・ブルドッグは、ぺちゃっとつぶれた鼻、笑ったように垂れ下がった口元、ぽっちゃり体型など、個性的な容姿がチャームポイントの犬種です。この個性的な容姿は、チャームポイントであると同時に病気の原因にもなりやすいため、飼育にあたっては飼い主が十分に注意してあげることが大切です。フレンチ・ブルドッグがかかりやすい病気には、次のようなものがあります。

短頭種気道症候群

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フレンチ・ブルドッグやパグのように、短い鼻、丸い頭部、短い首などの特徴がある犬種を「短頭種(たんとうしゅ)」といいます。短頭種の犬種は、これらの特徴から呼吸器症状を起こすことが多く、鼻の穴がつぶれている鼻腔狭窄、いびきなどの原因になる軟口蓋過長症、気管が平たくつぶれてしまう気管虚脱などが同時に起こっていることがあります。これらが原因となる呼吸や気道障害を総称して、短頭種気道症候群といいます。
症状としては、ハァハァという激しい開口呼吸、呼吸困難、体温の上昇などがあります。また、誤嚥性肺炎を起こすこともあります。

熱中症

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短頭種気道症候群の症状として体温の上昇がありますが、これにより熱中症にもなりやすいため注意が必要です。犬は肉球からしか汗をかけないため、人間のように汗をかいてカラダを冷やすことができません。そのため、通常は呼吸によって体温を調整しますが、フレンチ・ブルドッグは呼吸に障害が起こりやすいため、うまく体温調節ができない傾向にあるのです。
冷房をつけていない部屋に放置したり、夏の昼間に散歩へ出かけたりするのは避けましょう。初夏や秋口など、人間は暑くないと思う時期でも、フレンチ・ブルドッグにとっては危険な温度となっていることがあるので、油断は禁物です。

皮膚炎、口唇炎

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フレンチ・ブルドッグは、顔周りの皮膚がひだ状に垂れ下がった犬種です。ひだの内部に目ヤニやよだれなどの汚れがたまると、皮膚炎や口唇炎(口周りの炎症)の原因となることがあるので注意しましょう。痛みやかゆみが出ると、犬自身が気になって舐めたり掻いたりしてしまうため、余計に症状がひどくなります。日頃から、皮膚が汚れていたらやわらかい濡れタオルなどでやさしく拭いてお手入れし、予防を心がけましょう。

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また、ひだの多い顔周りに限らず、皮膚トラブルが多くみられます。シャンプーなどで落ち着けばいいのですが、アレルギーやアトピーなどのおそれもあるため、早めに受診をしておくとよいでしょう。

フレンチ・ブルドッグと長く暮らすために

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フレンチ・ブルドッグはその身体的特徴から、呼吸困難や熱中症のリスクが高いため、飼い主の日頃の注意が必要とされます。
というわけで、フレンチ・ブルドッグがいつまでも元気に過ごせるように、飼い主がケアできるポイントを紹介します。

●温度管理
暑さに弱いフレンチ・ブルドッグのために、室温を24℃前後に保つようにしましょう。また、夏場の散歩は早朝や日が落ちてから行い、普段の散歩より呼吸が荒い様子がみられたらすぐに切り上げましょう。

●興奮させすぎない
興奮するとどうしても呼吸は荒くなります。興奮しすぎて呼吸困難になることもあるので、リラックスして過ごす時間も大切にしましょう。

●皮膚の手入れ
低刺激の犬用シャンプーを使い、皮膚のお手入れをしましょう。湿疹などが出てしまったときは、病院で専用の薬用シャンプーを処方してもらいましょう。

●床材の見直し
フレンチ・ブルドッグはダックスフンドと同じく、軟骨異栄養犬種という椎間板ヘルニアを起こしやすい犬種でもあります。ダックスフンドほどの発生率ではありませんが、足腰に負担がかからないように床を滑りにくくするなどの工夫をしましょう。

●肥満
フレンチ・ブルドッグはもともとの体型がずんぐりとした印象のため、太ってしまっていても飼い主が気づかないことがあります。フードの給餌量を守り、太らせないように注意しましょう。

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