保健所から猫を迎えるには? 注意点を解説します
出典 : Dwight Smith / Shutterstock.com

保健所から猫を迎えるには? 注意点を解説します

猫と一緒に暮らしたいと思ったら、保健所や動物愛護センターから迎えるという方法もあります。その際の方法や注意点を紹介しましょう。

  • サムネイル: PECO編集部
  • 更新日:

保健所とは

保健所とは、地域の公衆衛生活動の中心となる保健衛生行政機関のこと。要するに感染症予防をしたり、医療にまつわる指導をしたり、公衆衛生にまつわる仕事(飲食店、旅館、公衆浴場、理美容、クリーニングなど)の営業許可を出したりするところです。

そんな保健所の業務の中には「動物愛護」というものがあり、飼い主のいない動物の保護や去勢・避妊手術を行ったりもしています。保護された動物たちは一定期間経過しても引き取り手が見つからないと、殺処分をされてしまいます。それゆえ、愛猫家の中には保護された猫(保護猫)を積極的に引き取る活動をしている人もいます。

現在は保健所の統廃合などにより、動物愛護センター(地域によって名称は異なります)が保健所の動物愛護関連業務を引き継いで行っている自治体が多くなっています。

保健所(動物愛護センター)から猫を迎えるには

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康


出典  Lunatta/Shutterstock.com

保健所や動物愛護センターから猫を迎えるには、いくつかの条件をクリアする必要があります。細かな条件は自治体によって異なりますが、およそ以下のようなものです。

1.保健所や動物愛護センターの管轄する自治体に住んでいる
2.成人である(年齢の上限を設けている自治体もあります)
3.家族の同意がある
4.動物を終生にわたり、責任を持って飼育できる
5.動物を飼うことのできる住宅に住んでいる(証明書が必要な場合もあります)
6.動物を飼うための時間的、経済的余裕がある

上記のほか、すでに飼っている動物がいるかどうか(飼っている人には譲渡できないこともある)、引っ越しや転勤の予定がないかどうかを条件にしている自治体もあります。保健所や動物愛護センターから猫を譲渡してもらいたいと考えている人は、まず、お住まいの自治体が設定している条件を確認しておく必要があるでしょう。

さて、条件を確認し、自分がそれらを全て満たしていることがわかった場合、次にどうすればよいのでしょうか。保健所や動物愛護センターでは、「譲渡会」という保護犬や保護猫の引き取り手を探す催しを定期的に行っています。その譲渡会に参加すれば、保護犬や保護猫を迎えることができるというわけです。譲渡会の日程は、自治体のWebサイトに記載されています。

ただし、多くの自治体では、譲渡会に参加する前にもう一つステップを設けています。面接を行う、もしくは事前講習会なるものに参加してもらうなどして、「この人が本当に動物を飼うのにふさわしいかどうか」を間接的に審査しているのです。そのステップを経ることで初めて、譲渡会に参加できるようになります。

したがって、保健所や動物愛護センターなどの自治体による組織から猫を迎え入れる場合、

●自治体の定める条件をクリアする
●面接や事前講習会に参加する
●譲渡会で猫を譲渡してもらう

これらの過程を経る必要があります。

保護猫を迎える際の注意点

譲渡会に参加して無事に保護猫を迎え入れたとしても、それで終わりではありません。さらにいくつか行うことがあります。

1.動物病院で診察を受ける

保護猫は、保護される以前にどのような状態で飼われていたのか、ワクチンやウイルス検査がされているのか、わからないことが多々あります。保護猫を迎えたら、まずは動物病院で検査をしてもらいましょう。

2.去勢・避妊手術を行う

猫は犬よりも繁殖力が高く、保健所や動物愛護センターに保護される数も、猫の方が犬よりはるかに多くなっています。そのため、自治体側で「猫の去勢・避妊手術を行うことに同意できる人にのみ動物を譲渡する」という条件をつけていることも少なくありません。去勢や避妊手術を受けていない保護猫を迎えた場合は、健康診断と合わせて手術を行う必要があります。

3.猫に対し、敵意がなく安全だということを示す

保護猫は多かれ少なかれ、一度は飼い主のいない生活を送ったことがある猫です。中には心無い人間からいたずらや嫌がらせを受けたことがある猫もいるかもしれません。そのような理由から、人に慣れていなかったり、人に対して敵意を持っていたりすることもあります。保護猫を引き取る場合は、こうしたことを頭に入れておき、猫に対し「私は敵意がないよ」「ここは安全だよ」ということを積極的に示してあげましょう。そうすることで、猫も少しずつ心を開いてくれるはずです。

保健所や動物愛護センターに保護されている猫の中には、仔猫もたくさんいます。殺処分という悲しい事態を少しでもなくすためにも、猫を飼い始める際には保護猫も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

内容について報告する