【獣医師監修】犬の年齢、人間でいうと何歳? 老いのサインについても解説

犬は人間よりもずっと早く歳をとり、老いを迎えます。ここでは、犬の年齢の計算方法や、老化のサインなどについて紹介します。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

犬の年齢と老い

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大切な愛犬には、いつまでも元気に過ごしてほしいものです。しかし、人間と同様に、犬にも必ず老いが訪れます。しかも、犬は小型犬や中型犬の場合で人間の約4倍、大型犬になると約7倍のスピードで年齢を重ねていくといわれています。

犬の年齢の計算方法

まずは犬の年齢を人間の年齢に換算する計算方法を紹介します。様々な算出方法があり、どれが絶対に正しいというものではありませんが、一般的に知られている計算式は以下の通りです。

小型・中型犬の計算式 = 24+(犬の年齢-2年)×4

※計算例①:3歳の犬 24+(3-2)×4=28歳
※計算例②:6歳の犬 24+(6-2)×4=40歳

小型犬や中型犬は生後1年で、人間でいうところの17歳、1年半で20歳、生後2年で24歳になります。3年目からは1年に4歳ずつ年齢を重ねていくといわれています。

大型犬の計算式 = 12+(犬の年齢-1年)×7

※計算例③:3歳の犬 12+(3-1)×7=26歳
※計算例④:6歳の犬 12+(6-1)×7=47歳

大型犬は生後1年で12歳になり、その後1年ごとに7歳ずつ年齢を重ねていくという計算です。

犬が老齢期を迎える年齢の目安

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犬が何歳から老犬といえるのかについては、はっきりと断言することはできませんが、一般的に小型犬なら9~13歳、中型犬なら9~11歳、大型犬なら7~10歳、超大型犬なら6~9歳を目安に老化現象が始まると考えられています。

ただし、犬が老化するスピードには個体差があり、飼育環境や生まれつきの体質など様々な要素が影響するため、あくまでも目安として考えてください。

老化のサイン

犬が年齢を重ねていくと、カラダの状態や行動に老化のサインが現れます。

まずカラダに出るサインとしては、次のようなものがあります。いずれも老化が原因で、カラダに衰えが出始めていることを表しています。

●口臭がきつくなってきた
●顔に白髪が生えてきた
●皮膚にシミ・できものができてきた
●目の奥が白くなってきた
●おしりが小さくなってきた

次に、行動に出るサインです。

●飼い主の声に反応しなくなる(耳が遠くなる)
●階段を嫌がるようになる
●行動がスローになってきた
●おもちゃで遊ばなくなってきた
●後ろ足の歩幅が狭くなってきた

いずれも、老化による筋力の低下や関節の痛みなどが関係しています。ほかにも、散歩に行きたがらない、トイレの失敗が増える、食欲が落ちる、硬いものを食べられなくなるなど、様々なサインが出てきます。愛犬のカラダや行動に老化のサインを感じたら、日常的に無理をさせないように心がけ、様子をみながらサポートしてあげましょう。

犬の老化と介護

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犬が高齢になると、人間と同様に体力が低下し、寝たきりになることもあります。この場合は飼い主が、食事、トイレ、カラダを清潔に保つなど、犬の生活行動のほとんどを介護することになります。

また、老化が原因で脳の機能が衰え、認知機能が低下してしまう「認知症」を発症する場合もあります。

●ぼんやりすることが増える
●飼い主の呼びかけに反応しなくなる
●トイレを失敗する
●徘徊するようになる
●夜中に鳴き続ける(昼夜の逆転)
●同じ場所をクルクル回る

これらの症状がみられた場合には、認知症を疑うことができ、動物病院での診察や治療と共にはもちろんのこと、飼い主による日常的な介護が必要になります。

犬を飼うと決めた以上は、最期まで責任をもって見届けるのが飼い主の責任ですが、犬の介護は想像以上に大変なものです。老化のサインが出始めたら、介護について家族で話し合っておくことも大切です。

犬の人生は、思いのほか速いスピードで進んでいきます。老化のサインを見つけたら、犬の体調に今まで以上に気を配り、ゆっくりしたペースにこちらが合わせてあげましょう。

最初に家に迎え入れた時から、愛犬は大切な家族の一員です。愛犬が最期の時を迎えるまで、できるだけ快適に過ごせるように手を尽くしてあげてください。

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