【獣医師監修】犬のトリミング、しないとどうなる? トリミングの頻度とやり方
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【獣医師監修】犬のトリミング、しないとどうなる? トリミングの頻度とやり方

犬を飼い始めたら考えることのひとつがトリミングです。そもそもなぜトリミングをするのでしょうか? 頻度や自分で行う方法も紹介します。

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

愛犬を散歩に連れて行ったり、自宅に人を招いたりなど、人前に出るようになると犬の毛並みが気になるようになります。そろそろトリミングが必要になってきたかも…と考えている人は、トリミングがどうして必要なのか知っていましたか? 

トリミングと聞くと、ブラッシングやシャンプー、爪切りなどを想像されるかもしれませんが、本来トリミングというのは「毛をカットしてきれいに整える」という意味です。ブラッシング、シャンプー、爪切りは非常に重要ではありますが、今回はトリミングの本来の意味に焦点をあててお伝えします。
じつはトリミングは、犬のおしゃれのためだけではなく、健康に日々を過ごすためにも必要なのです。大切な愛犬のためのトリミングについて、その必要性と行う頻度、自宅で行う場合の方法なども知っておきましょう。

トリミングしないとどうなる?

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犬は人間と違い、全身が毛で覆われています。体毛がある程度の長さ以上に伸びない短毛種にはあまり関係ありませんが、プードルなどの被毛が伸び続ける犬種にとって、トリミングはとても大切なことなのです。とはいっても、毎日きちんとブラッシングをし、清潔に保っていれば、毛が伸びてもさほど悪影響はありません。しかし、伸びすぎると視界を塞いだり、目を傷つけたり、便や尿が付着したり、肉球が覆われて滑りやすくなったり、という弊害が起こります。そのため、顔の毛をカットするか結ぶかしたり、手入れをしやすいようにお尻周りを短くカットしたり、足裏の毛をバリカンで刈ったりする必要があるでしょう。

トリミングの頻度

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犬のトリミングは、どのくらいの頻度で行うといいのでしょうか? 犬種や毛の長さ、季節などによっても異なりますが、基本的には月1回くらいが目安となります。子犬の初めてのトリミングはいつから可能かというと、生後3カ月を過ぎ、ワクチン接種を済ませて1週間ほど経ってからになります。老犬の場合は、トリミングは体に負担がかかるとされているため、頻度はやや少なくした方がいいかもしれません。

プロへお願いする場合

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初めてのトリミングで嫌な思いをしてしまうと、それ以降トリミングが苦痛になってしまいます。ここは是非、慣れているプロのトリマーさんにお任せしましょう。
気になる料金は、犬種によって異なります。小型犬より大型犬の方が料金は高い傾向にありますが、お尻周りだけカットすればよい短毛の大型犬よりも、全身カットが必要な小型犬の方が料金は高くなります。トリミングにかかる時間によって料金は設定されていると考えましょう。毛玉だらけのトイ・プードルでは4時間ほどかかることもあります。通常、サロンではシャンプーなしでカットのみは行いません。シャンプー込みの料金で5,000円~10,000円くらいと考えておきましょう。コース内容もいろいろありますので、あらかじめサロンに確認しておくといいでしょう。

自分で行う場合

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大切な愛犬のトリミングは自分で行いたい、という人も多いことでしょう。プロのように完璧なトリミングはできなくても、伸び気味になった被毛をカットして整えてあげる程度なら、自分でもできるはずです。

用意するものは、犬用のカットハサミと梳きバサミ、ミニハサミ、バリカンです。トリミング台があるといいのですが、なければ机の上などに滑り止めを敷いて準備します。

はじめにブラシで絡まっている毛や抜け毛を取り除いてあげます。こうすることで、カットがしやすくなります。次にシャンプーで毛の汚れを取りましょう。ドライヤーで毛を乾かして、愛犬の体調や機嫌がよさそうならムダ毛のカットに入ります。

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まずは足の裏のムダ毛をカットしましょう。バリカンで肉球からはみ出ている毛をカットしていきます。肉球が見える程度にカットできればOKですが、余裕があれば肉球の間にバリカンを当てて、つるつるに刈ってあげてもよいです。次はお尻のムダ毛です。しっぽを持ち上げ、バリカンを軽く当てるようにして肛門にかかる毛をカットします。バリカンの刃は、肛門に向けてはいけません。常に外側に向けましょう。犬の体を傷つけないように注意してください。

顔周りのカットは、嫌がる犬が多いようです。音がするバリカンは使わず、ハサミで慎重にカットします。ハサミの先は犬の方に向けず、ハサミを寝かせながらカットしていきましょう。胴体にバリカンを当てる際は、強く押し当てずにやや浮かすようにして、毛の流れに沿って刈ると失敗しにくいでしょう。最後にハサミで整えます。

最初は足やお尻周りだけにするなど、短時間でトリミングしてあげるようにしましょう。慣れてくるとスムーズにカットできて、時間を延ばすことも可能になります。おやつを与えながらカットするのもいいでしょう。

必要なトリミングを適度な頻度で行ってあげると、愛犬は健やかでいられてきれいな姿に! 健康のためにも、トリミングを忘れずにしてあげてくださいね。

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