【獣医師監修】猫がこたつに集まるのはどうして? 安全な使い方と注意点

猫は、狭いうえに温かいこたつの中が大好き。ふかふかのこたつ布団も気持ちよくて、ついついおもらしをしてしまう猫もいるようです。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

猫がこたつに集まるのはなぜ?

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野生時代、単独で行動していた猫は、敵や獲物に気づかれないよう木のうろやくぼみなど、狭いところや囲まれたところに身を隠して生活していました。昼間はそこにいて、鳥やネズミが動き出す明け方と夕方の薄暗い時間帯に狩りに出るのが猫の生活習慣だったのです。

「狭い」「暗い」「囲まれている」という3つの要素を備え、暖も取れるこたつを猫が見逃すはずはありません。だれが教えたわけでもないのに、気がつけば猫はこたつに集まってきます。四方を囲まれたこたつの中は、敵に襲われる心配も、寒さに震えることもないため、猫にとっては天国のような場所なのです。

こたつを安全に使うための注意点

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猫は冬になると一日中こたつの中にいるイメージですが、暑くなったり、酸欠になりそうになると出たり入ったりしながら自分で調節しています。ただ、まれにこたつの中で体調を崩してしまう場合もあるので、どんなところに注意すればいいか覚えておきましょう。

酸欠状態に注意

こたつは密閉された空間のため、長時間中に入っていると酸欠を起こすことがあります。こたつの中は猫にとって無警戒でいられる場所だけに、ぐっすり寝入ってしまうと危険です。こたつ布団を少しだけ開けて、空気の通り道をつくってあげましょう。

低温やけどに注意

長時間こたつの中に入り続けていると、知らないうちに低温やけどを負ってしまうことがあります。毛がこげたり、皮膚病を発症することもあるので、こたつの季節になったら、猫の身体をチェックする習慣をつけましょう。

脱水症状に注意

これも長時間こたつの中にいると陥りやすい症状で、猫自身も気づかないうちに脱水症状になっていることが多いようです。こたつからなかなか出てこないときは、水を飲むよううながしてあげましょう。いつもに比べて排尿回数や排尿量が少ない、毛並みが悪い、口の中が乾いている、などがみられると脱水を起こしているサインです。

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感電に注意

コードを噛む癖のある猫は、感電に注意しましょう。感電すると、口の中をやけどしたり、肺水腫を起こしたり、場合によっては死に至ることもあります。また、コードの断線により火災が発生する危険性があることも忘れてはいけません。たとえば、ごちゃごちゃしたコードをひとつに束ねるケーブルスパイラルチューブのようなカバーをつけるなど、対策を考えましょう。感電したと思われる場合は、症状がなくてもすぐに病院へ連れて行ってください。

おもらしに注意

飼い主さんへの注意として、冬になるとこたつ布団におもらしをする猫が増えることを覚えておいてください。ふかふかの感触が気持ちよくておしっこをするのではないかと言われており、そうなると防ぎようがありません。一度粗相をしてしまうと、なかなか匂いが落ちないため繰り返しするようになってしまいます。布団を洗ったり、一時的にビニールシートをかけるなどの対策をとりつつ、こたつ布団よりトイレを気持ちの良い場にするために、トイレの形やトイレ砂を見直してみましょう。

私たち人間もこたつでぬくぬくしていたら離れるのが嫌になってしまいます。寝るのが大好きな猫にとって、こたつほど最適な場所はありません。最近ではめずらしくなってしまいましたが、「猫」「こたつ」「みかん」は、日本の冬の風物詩。そんな幸せな光景を壊さないためにも、猫が安全にこたつを利用できるように見守りたいものです。

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