【奇跡の救出劇】道路の地下3メートルに迷い込んだ子ネコ。救出され、幸せになった姿に胸が熱くなる。

お出かけしようとしたら、道のどこかから子猫の鳴き声が。家族みんなで声の出どころを探していると……子猫の声は地下深くから聞こえていることが発覚しました。そして始まった救出は、9日間にも及ぶ奇跡の大救出劇となったのでした!

  • サムネイル: 勝田 琢磨
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世界で一番かわいい我が子

Twitterユーザー@ryokichi77さんのご実家に住む猫「ココ」さん。

お父さんとお母さんのことが大好きで、いつもベッタリ。抜群の愛らしさで、毎日みんなを笑顔にしています。

そんなココさんと家族が初めて出会ったのは、5年前の秋のこと。
実は壮絶な救出劇の末、ココさんはお父さん、お母さんの元へ迎えられたのでした。

とある日曜日

日曜の昼過ぎ。
閑静な住宅街を通る細道に、子猫のか細い鳴き声が響いてきました。
そのことに気づいた一家は、耳を澄まし鳴き声の元を辿ることに

しばしの捜索を経て、明らかになった事実……

なんと、子猫の鳴き声は道路の下から聞こえてくることがわかったのです。

その時の位置関係を記したものがこちら↓

 

おそらく、子猫は道路脇の雨水溝に誤って落ち、這い上がろうとするうちに横に伸びる管に入ってしまい、そのまま中ほどにある排水管へ転げ落ちてしまったのでしょう。

最初は消防に救助を求めたのですが、なかなか取り合ってもらえず。その間も聞こえ続ける、子猫の悲痛な鳴き声……。そしてまもなく、ご両親による必死の救出が始まったのです。

試行錯誤するも……

救出1日目。

お父さんは破ったシーツでロープを作り、その先にソーセージを括りつけ排水管の最深部へ押し込みました。

「もしかしたら、子猫が登ってきてくれるかもしれない」

そんな淡い希望を抱きながら、翌日まで様子を見ることに。

結局、子猫はロープをよじ登ってくることはありませんでした。
しかし、ロープの先につけたソーセージがなくなっており、子猫が今もそこにいて、生きようとしていることがわかりました。

ひとまず、ご両親は子猫の命をつなぐべく、ロープを利用して食べ物を地下へ送り続けます。

けれども一向に救出の目処は立ちません。そしてそのうち、聞こえていたはずの子猫の鳴き声が消えてしまいます。さらに不運なことに雨が2~3日降り、冷たい雨水が続々と排水管に流れ込んでしまったのです。

流石のお母さんも、このときばかりは「ごめんな、あかるい天国に行きや」と手を合わせて謝ることしかできませんでした。

それでも、再び

その翌日のことでした。
自転車で出かけようとしたお父さんが、家のなかに飛び込んできました。

「鳴き声がする」

そう言ったお父さんは、お母さんに「エサをやれ!」と指示。
お母さんは早速猫缶とソーセージを買い、お父さんはそれらをロープの先につけて再び地下深くへと押し込みました。

その後、ロープを引き上げてみると、猫缶もソーセージもすっかり平らげられていました。

まだ子猫は生きようとしている。

希望を前に、お父さんは子猫を助け出す手段を考え出しました。

まず作ったのは、子猫が入るためのカゴでした。
そのカゴはペットボトルを加工したもので、出入りできるよう片側が切られています。

狙いはとてもシンプルで、ソーセージが仕込まれたカゴに、子猫が入ったところで一気に引き上げるというもの。

……ですが、現実はそう上手くいきませんでした。

最初のチャレンジでは、確かに子猫がカゴに入った痕跡と感触はあったものの、引っ張りあげようとするとすぐに子猫が逃げてしまい、失敗。

子猫が入ったら逃げられないように、カゴに返しをつけ、二度目の救出を試みました。
でも今度は、引っ張る途中でカゴが排水管の角に引っかかり、もたついているうちにカゴが軽くなってしまいました。

さらにもう一度、救出すべくカゴを地下に送り込みます。
しかし、子猫の方も警戒心が高まったのか、それ以降はソーセージにも食いつきません。
ひとまず時間を置くべきであると判断し、救出は翌日に持ち越されました。

最終日

子猫発見から9日目。

重りや鈴(子猫が入ったことを確認するためのもの)、それから返しの改良など、様々な工夫を凝らしたカゴが、地下深くへ入れられました。

最深部へたどり着いた手応えの後、ガサガサという音がロープを伝います。
そして、ロープが僅かに動き……お父さんは早る気持ちを抑え、一呼吸、二呼吸待って、一気に引き上げます。

途中で手応えが軽くなることなく、カゴは地上へ到達。
汚れたカゴのなかに、子猫の姿があったのです。

 

下半身はずぶ濡れ、尻尾もべちょべちょ。
もしも季節が冬だったら……きっと、子猫は助からなかったでしょう。

ご両親の手によって子猫はお風呂に入れられ、ご飯もいっぱい食べ、柔らかな布団に包まれました。

当初、この子猫は里親に出される予定だったものの、紆余曲折を経て「ココ」という名前を授かり、こちらのご家庭で家族として迎えられることになったのです。

ココさんの現在

壮絶な救出劇を経験したココさん。
その後の姿はというと、こんな感じ。

 

大好きなお父さんの新聞タイムを妨害するココさん。

 

爪を切られても、大好きなお父さんだから暴れないのだ!

 

肩に乗っかり、魚の焼き加減を確認中。

暗闇から一転、温かな幸せを手に入れたココさん。
壮絶な体験をしましたが優しいお父さんお母さんに出会え、今は幸せいっぱいだと分かり安心しました。そして、懸命な救助を行ってくれた飼い主さんへの感謝と尊敬の思いは言葉では言い表せないものがあります。

これからも健やかに暮らしていってほしいですね。

以上、9日間かけて子猫を救出したお話でした。

出典:
りょう吉(猫モノ作ってます) (@ryokichi77) | Twitter

実家猫ココ救出のまとめ
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