チワワスタイル
【チワワスタイル】健活のススメ【お宅のチワワさんの元気の理由を教えて】(その1)

【チワワスタイル】健活のススメ【お宅のチワワさんの元気の理由を教えて】(その1)

人の健康寿命について関心が高まる今、本誌ではチワワの健康的な生活「健活」について真面目に考えてみた。読者宅での食、運動、環境、心のケアなど、愛犬がすくすく育つ工夫が満載。ぜひご参考に!(チワワスタイル Vol.28より)

  • サムネイル: チワワスタイル編集部
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若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

愛犬のために海の近くに別宅を構えた飼い主さんがいると聞いて、早速お宅にお邪魔した。

「家のローンがようやく終わったと思ったら、またローンを抱えることになりました」と言いながらも、ご主人は犬たちを抱っこしながらニコニコ笑顔。そう、守るべき愛する者がいると、人は懸命に働くのです。

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

パパに抱っこされていると、なんだか落ち着くんだ。このまま抱っこで帰ってもいいな。

「今日、風強いよね?」

さて、萩田家が別宅を構えた理由、それは、愛犬まる太郎の病気と関係がある。
「若年性網膜萎縮症という目の病気になってしまいました。今はまだ少し見えているようなので、まる太郎にいろいろな物を見せてあげたくて、海に近いこの家を構えました」と奥様の千絵さん。

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

「海と空がきれいだよ!」

目が徐々に見えなくなってきているまる太郎に、いろいろなものを見せてあげたい、そんな思いで萩田夫妻は海の近くに別宅を購入。週末や休日は潮風を感じてのんびり過ごす。

2017年の夏、旅行先でプールに入る時に、あれ? と思う場所からまる太郎が水面に落ちてしまったり、ゴハンを食べる時に食器の位置がすぐにわからなかったり。「何かおかしい」と徐々に異変に気付き始めていた夫妻。

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

柔らかいロン毛は冬、静電気が大変。寒がりな木久次郎は、冬だけ洋服を着るそう。

「耳毛って毛玉できるよね」

まる太郎の後に迎えた、3ヶ月年下の木久次郎と遊んでいる時に、まる太郎が目に傷を負ったこともあり、そのせいかな、とも思っていたそうだが……。

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

まる太郎が誤ってぶつかってくることもあるが、木久次郎は気にしない。犬同士も分かり合っている感じ。

「お兄ちゃんがぶつかってきても平気さ!」

「今年の2月に病名がわかりました。獣医さんの説明では、今は下の方の視界がほとんど見えないそうです。移動する時は人の影などを頼りにして歩いているみたいですね」

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

基本的に1日に1回点眼薬をさすが、海岸の散歩の後や、外で長い時間遊んだ後もこまめにさす。

「おとなしくしててえらいでしょ?」

視力がだんだんと落ちてきているまる太郎。散歩の時、不安からなのか一緒に歩く木久次郎に体を寄りかからせてしまうことが多くなり、それをまる太郎よりも体の小さい木久次郎が嫌がる場面が出てきた。そこで、そんな関係が少しでも緩和できればと、夫妻はチワワよりもう少し大きい犬を迎えることに。

「はなこは大らかなタイプなので、3匹になって良かったと思っています。同居犬たちと一緒に、まるで盲導犬のように、私たち夫婦がまる太郎にとっての『盲導人』になればいいのかな、と今は思っています」

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

庭には人工芝が敷き詰められ、3匹が思いっきり遊べるようになっている。このはしゃぎっぷり!

「パパさん、ありがと~♪」

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

甘えん坊のまる太郎。奥様の千絵さんが家事の合間にひと休みしていると、すぐに横に来て一緒にひと休み。本犬は添い寝してあげているつもりかな?

「いつも、ホントにありがとね♥」

ペットショップで6ヶ月まで売れ残っていたというまる太郎。残り物には福があるって本当なんだね。

萩田家の健活対策

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

まる太郎が物にぶつからないよう部屋に余分な物は一切置かない。

「室内ドッグランみたいでしょ?」

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

脱走経験があるので玄関周辺は厳重注意。柵をして飛び出さないようにしている。

「早く、外に行きたいよ!」

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食器の位置がわかるよう、あげる時には床を食器で軽く叩いて音を出してから、まる太郎に教えてあげるようにしている。

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

オヤツは手作り。ササミジャーキーは庭のコンロで1週間分を作り置きする。「ササミを平たくたたいてから焼くのがポイントです」とご主人。バーベキューかと思ったよ~。

千葉県/萩田まる太郎(オス・2歳)体重2.8kg、木久次郎(オス・2歳)体重2kg、はなこ(5ヶ月)

若年性網膜萎縮になった愛犬のため、海の近くに別宅を構えた

チョコタンのまる太郎、パーティカラーの木久次郎、ミックスのはなこが暮らす萩田家。まだ子犬のはなこのテンションが高く、お世話係の木久次郎は育児ストレスになったそう。

「よろしくお願いしまっす!」
「親って大変だよね」
「お子ちゃまの相手は任せたよ」

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

朝、ご主人の達也さんからゴハンをもらっているのに、その後奥様の飛鳥さんに『まだゴハンをもらってない! ちょうだい!』とせがむほどの食いしん坊なつくね。

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

勢いよく食べてむせたりするので、食べている途中で一度マテをかけるなど、工夫をしている。

「だって、ゴハンおいしいんだも~ん」

とても人懐っこいし、取材スタッフに触られても全然平気な甘えん坊だが、かつてはかなり深刻な状況下で暮らしていたそう。動物看護師として働く奥様の飛鳥さんがその経緯を話してくれた。

「つくねは崩壊したブリーダーから里親会の方が保護しました。1つのケージに20匹くらいが詰め込まれていたような環境だったそうです。保護された時は噛みつきがひどく、男の人が苦手なので里子になかなか出せず、里親会の人が私の勤める動物病院に連れてきて出会いました。我が家に来たのは2歳頃のことです」

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

加藤家に来るまでオモチャを見たことがなかったつくね。この日は興味津々でパクリ。

「オモチャって楽しいんだね」

そんな話を知ってか知らずか、つくねはご主人の達也さんに抱っこされて、ハンモックでゆ~らゆら。自分が昔、男性が嫌いだったなんて覚えているのかな?

「最初はハウスから全く出てきませんでしたが、家に来て1週間くらいで私には慣れました。でも主人は1ヶ月くらいかかりましたね。今では体のどこを触られても平気です」

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

男の人が苦手だったつくねが、今ではパパの膝でのんびりくつろぐ。

「パパもママも優しいから大好き♥」

職業柄、犬の心と体のことを熟知していた飛鳥さん。つくねが家に慣れて1ヶ月ほどしてから、毎日オスワリやマテを教えてスキンシップをはかったそう。その時に気をつけたことは「触られるのを嫌がったり、怖がったらすぐにやめて無理をせず、つくねのペースに寄り添って徐々に慣れさせる」ということだった。

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

健康管理のため、飛鳥さんの職場の動物病院や自宅などで、体重は2週間に1回は計測している。

「ベスト体重をキープちう♪」

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血管が見えるくらいお腹の毛が薄いので、保湿成分があるスキンケアをこまめに塗っている。

「いつもありがとー♪」

犬って、人の愛情でこんなにも変わるんだな~、とお話を聞いて感服。
ただ、前に暮らしていた所で未経験のことは、いまだに少し苦手。

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

お出かけは大好きだけど、散歩は苦手。お気に入りのスリングに入って御岳山に行ったこともある。

「高みの見物~♪」

「オモチャで遊んだことがなかったので、あまり興味が持てないようです。今までいろいろな種類を試してみたんですが……。今日、スタッフの方が持ってきてくれたオモチャは珍しいくらい遊んでいます。あとは散歩が苦手です。でもお出かけは大好きなので、スリングに入ってドッグカフェにも行きますよ」

つくねの第二の人生がいかに幸せか、それはこの寝顔を見ればわかるはず。

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

パパとママがいれば安心。知らない人が取材に来たって、すやすや眠れるよ~。

加藤家の健活対策

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

滑らないように足の裏の毛も飛鳥さんがまめにカット。手際が良い理由は本文で。

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

ひどい歯周病のため1年前に10本抜歯した。歯磨きは毎日。口が小さいので唇をちょっと引っ張って行う。

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

青はシャンプー。保湿成分のある泡タイプを使用。緑はスキンケア用の保湿剤。

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

職業柄、最新のフードが手に入り、つくねの体に合うものを選びやすい。写真は現在食べているもの。

東京都/加藤つくね(オス・4歳)体重2.5kg

ママは動物看護師。保護犬のボクの気持ち、よくわかってくれるよ

里親会の人から「男の人が苦手で噛んでしまうので里子に出せない」と言われていたほど怖がりだったつくね。2歳の頃に加藤家の一員になった。ママのこまめなお手入れで体中ピカピカ。

「早食いには自信があるよ!」

Text:Mari Kusumoto
Photos:Minako Okuyama、Masayuki Satoh

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