【猫びより】第12回 本屋さんが選ぶ猫の本【私のイチオシ！】（辰巳出版）

猫だって忙しい

猫の日の猫本コーナー

猫は、いつでも好きなときに寝て、食べて、また寝ているだけ―そう勘違いしていないでしょうか。「猫はいつも暇そうでいいなあ」と思ったことのある方は、ぜひ『猫のハローワーク』を読んでみてください。猫だってとっても忙しいのです。

『猫のハローワーク』
著：新美敬子 講談社文庫
定価：902円（税込）

お仕事中の猫の写真とともにインタビューが綴られています。国内だけでなく、海外の猫もたくさん載っています。著者の新美敬子さんは写真家ですので、猫と一緒に海外の風景も楽しめます。インタビューのなかに、その地域の街並みや人々の様子なども書かれていて、本を通して旅行に行った気分にも。

コロナ禍で、旅行に行く機会が減ってきた今にピッタリな一冊です。2巻まで出ており、どちらの巻からでも、どのページからでも気軽に楽しく読むことが出来ます。

仕事が結んだ猫縁

この本を読むと、うちの猫はなんだろう……自宅警備員であり、虫の採り方実技指導員であり、水質検査員であり……と色々考えてしまいます。読後には「暇そうなんて思ってごめんなさい。かけもちで働いて忙しいよね」と、日ごろの感謝を込めて、1匹にちゅ～るをあげました。

嬉しそうに食べ満足げな顔をしたあと、カーペットにごろんと転がって目を閉じていましたが、これもカーペットの重し係とか、きっとなにかの仕事なのでしょう。

現在、うちには4匹の猫たちがいます。三毛猫のみい、うずら。サビ猫のあずき、茶白猫のぽんです。全員、野良だった子です。

沢田さんの愛猫たち。ぽん（左・3歳♂）、あずき（2歳♀）、うずら（3歳♀）

幼少期のぽんと先住猫のみい（7歳♀）

ぽんは、2番目にお家に迎えた子なのですが、お店が入っている建物の駐車場に捨てられていました。子猫がいるとお店のスタッフから聞き、休憩の時に見に行ったのが出会いのきっかけです。退勤後、すぐ家に連れて帰り、そこから我が家の子になりました。この仕事に就いていなければ出会えなかった子なんだなあと思うと、不思議な気持ちになります。

今やぽんも立派な成猫

本を通じて、猫のことを好きになってくれる方が増えるように、これからも猫本を推していきたいと思います。

明文堂書店 TSUTAYA 戸田

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