猫犬の変形性関節症に悩む方に朗報!治療薬「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」が国内製造販売へ

猫犬の変形性関節症に悩む方に朗報!治療薬「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」が国内製造販売へ

多くの猫犬が変形性関節症の痛みに苦しんでいる一方で、治療が十分にできていませんでしたが、継続的に痛みを緩和する治療薬として、ゾエティス ジャパンが「ソレンシア(猫用)」と「リブレラ(犬用)」を開発。2022年7月19日に国内製造販売承認を取得しました。これを機に痛みに苦しむ多くの猫犬たちが救われるのではないでしょうか。

  • PRゾエティス・ジャパン株式会社

猫や犬の変形性関節症は見逃されがち?!

変形性関節症は、関節の正常な軟骨クッションが薄くなることで起こる関節の変性状態です。関節内の骨が互いにこすれ合い、痛み、関節内および関節周囲などへの変化を引き起こし、その痛みにより猫や犬の自由な動きを妨げます。

変形性関節症の治療において、多くの場合飼い主さんは自然な衰えだと捉え、対応が遅れがちになってしまう状況になりがちです。猫では40%(6歳以上になると60%、12歳以上で90%※1)が、犬では高齢犬の20%(大型犬は小型犬の2倍超)※2が変形性関節症による関節の痛みに悩まされている可能性があるとされ、多くの猫や犬の症状が見逃されてしまっている状況にあると考えられており、治療率は3%以下※3 です。

世界初・唯一の作用機序による治療薬が国内初承認

「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」は、猫および犬の変形性関節症の痛みにアプローチするものとしては、世界初・唯一の作用機序※4による治療薬として開発されました。数多くの猫や犬が痛みを感じている一方で、長期的な薬剤使用については副作用が課題となる場面も想定されることから、十分に治療できていませんでした。そのような中、「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」は、注射による投与により経口薬と比べて飼い主の負担を減らし、継続的に変形性関節症の痛みを緩和できる新たな治療薬として開発されました。「ソレンシア(猫用)」は米国でも2022年1月にFDA※5で承認され、日本でも7月19日に「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」の国内製造販売が承認されました。欧州ではすでに多くの飼い主の方の支持があり、本治療薬の有効性が示され、必要とされています。
「ソレンシア(猫用)」、「リブレラ(犬用)」を投与された猫犬は、いずれも変形性関節症による痛みの軽減が確認されています。また、重大な副作用も確認されず、継続的に猫や犬の変形性関節症の症状を改善します。

「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康


「ソレンシア(猫用)」「リブレラ(犬用)」は動物用医薬品として、世界初・唯一の作用機序※4による抗NGFモノクローナル抗体製剤です。NGF(神経成長因子)は慢性疼痛に関与するとされ、本剤はNGFと結合することにより、NGFが関与する疼痛シグナル伝達を妨げ、OAに伴う疼痛の緩和を導きます。モノクローナル抗体製剤は非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)と異なる作用機序※4により、猫や犬の肝臓、腎臓、消化器への負担を最小限に抑える治療薬です。

※1 Hardie, E.M., 2002. Journal of the American Veterinary Medical Association 220, 628-632.
※2 Lascelles BDX. Detecting and measuring osteoarthritis pain in young dogs. Proceedings From the 2019 WSAVA Congress Symposium. Zoetis Services LLC. 2019.
※3 年齢を重ねるごとに一般的な疾患でありながら治療率が猫は約3%、犬は約2%にとどまっている(2021年7月ゾエティス調べ)
※4 神経成長因子(NGF)をターゲットとするモノクローナル抗体製剤
※5 米国食品医薬品局

日本大学 生物資源科学部 獣医学科 枝村一弥 教授より コメント

動物,犬,猫,しつけ,飼い方,育て方,病気,健康

日本大学 生物資源科学部 獣医学科 獣医外科学研究室 教授
枝村一弥(Edamura Kazuya)
1999年日本大学農獣医学部獣医学科卒。2003年東京大学大学院農学生命科学研究科
修了。博士(獣医学)。同年助手として日本大学生物資源科学部に赴任。2021年から
現職。主な研究分野は獣医外科、運動器疾患、再生医療。小動物外科専門医(2012年
資格取得)。動物再生医療推進協議会副理事長。動物のいたみ研究会会長。日本獣医
麻酔外科学会理事。静岡県出身。

変形性関節症は痛みを放置すると、犬や猫の日常動作が制限されるだけではなく、更に悪化する恐れがあるため、早期に痛みを和らげ身体機能を維持・改善することが治療の成功の鍵となります。
これまで、犬猫の変形性関節症における疼痛管理には非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)が用いられてきましたが、とりわけ猫においては有害事象を生じるリスクが少なくなく、また、毎日の経口投与に苦労されている飼い主さんも少なくありません。
そのような中、新たな疼痛管理の薬剤として開発された、フルネベトマブ(猫用 製品名;ソレンシア)、ベジンベトマブ(犬用 製品名;リブレラ)を有効成分とした抗体薬に大きな期待が寄せられています。両剤はNSAIDsとは作用機序が異なるため、肝・腎・胃腸疾患がある動物にも投与が出来ることに加え、月1回の皮下投与で疼痛を管理することが出来るため、有効性・安全性・利便性の面から非常に注目されている新薬です。私自身「動物のいたみ研究会」の会長として、動物の痛みからの解放を使命として獣医療に取り組んでおります。犬猫の疼痛管理に新たな選択肢が増えることをとても楽しみにしております。

※使用には獣医の処方が必要です。

内容について報告する